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夏休みの算数|まだ過去問より、基礎です

2025/6/24

いよいよ夏休み。

ここから一気に仕上げに向かう…そう思いたくなる時期です。

ただ、この時期だからこそ、冷静に問い直してほしいことがあります。


本当に「基礎」が固まっているか


受験生も保護者様も、「そろそろ応用に」「過去問にも」と考えがちです。

しかし、その前にやるべきことは明白です。

基礎の徹底。

これに尽きます。


基礎=簡単という誤解が、不合格を呼ぶ


「これくらいならできてる」

「この問題は易しいから大丈夫」

こういった判断が一番危うい。

できるつもりで終わっている基礎ほど、試験本番では得点につながりません。


受験における「基礎」とは、

・どのような形式で問われても動じず

・制限時間内に正確に処理し

・ケアレスミスなく取り切れる

状態を指します


つまり、「当たり前の問題」を100%確実に取りきる技術と体力。

これが備わっていなければ、応用も過去問も、かえって失点を増やす練習になってしまいます。


夏は「基礎の質」を変える唯一の時期


秋以降の過去問や応用演習は、前提としての基礎があって初めて機能します。

焦って過去問に手を出しても、土台が不安定なままでは何も積み上がらない。

それどころか、できない経験ばかりが増えて、自信を失うだけです。


だからこそ夏は、

・計算力を磨く

・図形の基本パターンを正しく身につける

・文章題で線分図やグラフを自在に使えるようにする

こうした本質的な基礎の底上げに、時間を惜しみなく使うべきです。


過去問が早く必要な学校は、ほんの一部だけ


一部の学校では出題形式が特殊であり、過去問に早めに取り組んだ方がいい場合もあります。

ただそれは、灘、麻布、桜蔭、栄光など、ごく限られた学校にしか当てはまりません。


多くの受験生にとって、今本当に必要なのは、過去問演習ではなく、

崩れない基礎を手に入れることです。


まとめ

・基本・基礎とは簡単な問題のことではなく、確実に得点できる技術のこと

・応用も過去問も、その基礎の上にしか成立しない

・焦らず、誤魔化さず、夏の時間を「基礎の完成」に使い切る


それが、秋以降を変えるための、最高の準備になります。

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