理科が育てる力〜目に見えないものを感じる目〜
2025/6/24
理科という教科、特に中学受験の理科には、他にはない特別な魅力があります。
それは、身の回りの現象や出来事について、自分の頭で考え、判断する力を育ててくれるということ。
天気の移り変わり、音や光の伝わり方、植物の成長や命のつながり。
一見すると当たり前のように起こっているこれらの現象にも、必ず理由があり、それを解き明かすのが理科の面白さです。
理科を学ぶことで、自然や社会に対しての見え方が変わってきます。
普段見えているものの背後にある仕組みや、目には見えないけれど確かに存在する力。
空気や水、重力や微生物…そうしたものに気づき、守られて生きていることへの感謝の気持ちも、自然と芽生えてきます。
そして、こうした科学的な見方・考え方が育つことで、世の中にあふれる“不安を煽るだけの質の低い情報”に振り回されなくなります。
「大地震が〇月〇日に起こる」といったエビデンスの全くない予言めいた話や、「炭酸を飲むと骨が溶ける」などといった、科学的根拠に乏しい都市伝説のような情報。
それらを見抜く目、そして何を信じてどう行動すべきかを自ら判断する力も、理科の学びの中で養われていきます。
縁あって私の授業を受ける中学受験生たちには、理科を通して「自分で考える力」「見えないものを感じ取る力」を身につけてほしい。
そして、出所不明の不確かな情報に振り回されず、真実を見極めて生きていける強さと柔らかさを持ってほしいと願っています。
理科はただの暗記科目ではありません。
未来を生き抜くための“知性と感性”を育てる、奥深い学問です。
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