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第8回:「過去完了形」〜お別れは突然に…?

2025/8/11

文化祭の喧騒が終わり、学校はいつも通りの穏やかな日々に戻っていた。

だが、クラスメイトの間では密かに「ミリーの留学はそろそろ終わるらしい」という噂が流れていた。


そう、文化祭の翌週——ミリーは帰国することが前から決まっていたのだ。

みんなで作った思い出は数えきれないほどあったが、それも今日で一区切り。


〔シーン:空港ロビー〕

ガラス張りのロビーからは、滑走路の向こうに夕焼けが広がっている。

スーツケースを横に置き、ミリーは笑顔で6人の輪の中心に立っていた。

周りには、アヤカ・マイ・ミサキ・ユイ・ナツミ、それぞれが小さなお別れの品を手にしている。


アヤカ(小声)

「…なんか、実感わかないな。昨日まで普通に廊下で会ってたのに。」


マイ(真面目な表情で)

「I had never imagined we’d say goodbye this soon.(こんなに早くお別れするなんて思ってなかった)」


ミリー(微笑みながら)

「Good use of Past Perfect, Mai.(過去完了形の使い方、いい感じよ)」


過去完了形の自然な登場


ミサキ(首をかしげて)

「過去完了形って、“〜していた”とか“〜だった”ってやつだよね? 過去の話なのに更に前のことを話す時に使うんだっけ?」


ユイ

「そうそう。“I had finished my homework before dinner.”みたいな。」


ミリー

「Exactly.(その通り) 過去のある時点より前に完了していたことを示すのがPast Perfectよ。」


ナツミ(いたずらっぽく)

「じゃあ、“I had eaten all the snacks before you arrived.”(あなたが来る前にお菓子全部食べちゃってた)とか?」


アヤカ

「それ絶対やるでしょ、ナツミ。」


〔回想シーン〕

文化祭準備の前日、深夜までポスターを描いていたアヤカに差し入れを持ってきたミリー。

ミリーは思い出話を交えながらこう言った。

「I had never stayed up so late working on a school project before that night.(あの夜まで学校のプロジェクトでこんなに夜更かししたことはなかった)」


マイ

「なるほど。つまり、空港に来た今この瞬間から見て——じゃなくて、過去のある時点から見て、そのさらに前を語る…ってことね。」


ミリー(親指を立てて)

「You got it. That’s the timeline magic.(そう、それが時制のマジック)」


〔シーン続き:空港ロビー〕

みんなで思い出話をしながら、ミリーの出発時刻が刻一刻と近づいてくる。

アナウンスが流れ、ゲートの番号が呼ばれた瞬間、空気が少ししんみりする。


アヤカ(小さな声で)

「…ミリー、本当に行っちゃうんだね。」


マイ(うつむきながら)

「I had thought we’d have more time together.(もっと一緒に過ごせると思ってたのに)」


ミリー(少し間をおいて)

「That’s a perfect Past Perfect sentence, Mai… but I have to tell you something.(過去完了形の文としては完璧…だけど、みんなに言わなきゃいけないことがあるの)」


衝撃のカミングアウト


ミリーはスーツケースの持ち手を握り直し、笑顔で続けた。


ミリー

「Actually… I’m only going back for a few months. I’ll be back next spring!(実は…数か月だけ帰るだけで、来春には戻ってくるの!)」


全員

「ええええええええっっっっ!?!?」


ナツミ(両手を上げて)

「それ、もっと早く言ってよ!昨日の夜からずっと泣く準備してたんだから!」


ミサキ(笑いながら)

「I had already written a 3-page goodbye letter!(すでに3ページもあるお別れの手紙書いちゃったよ!)」


ユイ(ため息)

「I had been practicing a touching farewell speech all morning…(今朝ずっと感動的なスピーチ練習してたのに…)」


アヤカ(顔を覆って)

「私なんて…お別れの時に泣き崩れる姿までシミュレーションしてたのに!」


笑いと共に文法のポイントも


ミリーはみんなのリアクションに大笑いしながら、最後の文法レッスンを始める。


ミリー

「See? This is the perfect chance to use Past Perfect.

We use it to talk about things that had already happened before another past event.(こういうときこそ過去完了形。過去のある時点より前にすでに起こっていたことを表すの)」


マイ

「Like ‘I had thought you were leaving for good.’(ずっと本当に帰国しちゃうと思ってた)って感じ?」


ミリー

「Exactly. And now, we know that wasn’t true!(その通り。そして今、それが間違いだったって分かったわね)」


今日のまとめ


◉ 過去完了形 = had + 過去分詞

◉ 過去のある時点より前に完了していたことを表す

◉ もう一つの過去の出来事とセットで使うと分かりやすい

◉ 予想や計画が過去にすでに存在していた場合にも使える

◉ 使うことで「時間の前後関係」が明確になる


〔エンディング〕


アナウンスが再び流れ、ミリーがゲートに向かう。

でも今回は泣き声ではなく、笑い声に包まれている。


ミリー(手を振りながら)

「I’m glad I had met you all before going back home.(帰国前にみんなに会えてよかった)」


アヤカ・マイ・ミサキ・ユイ・ナツミ

「See you in spring, Millie!!」


ガラスの向こうで小さくなるミリーの姿に、みんなは自然と笑顔になっていた。



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