【記述力UP講座 p2】短く分けて考えよう
2024/7/26
こちらの問題を考えてみましょう。
【例題】
クラスのほとんどが鬼ごっこに手を挙げていた。もしかするとその中には、僕と同じくオセロ大会をしたい人がいたのかもしれないが、それはわからない。僕は先生の方をちらりと見た。しかし、先生は人数を数えていて、僕の視線には気づかなかったようだ。僕は自分が恥ずかしかった。けれど、自分が反対してどうなるものでもないと考えた。それはそうなんだろう。だから、半ばあきらめ、自分の行動は間違っていたかもしれないと後悔しつつも、文句を言っても仕方がないので僕は黙っていた。僕は再び先生の方を見た。もし目があったら、僕はどんな顔をしただろう。後になってそんなことを考えたが、目は合わなかった。そのとき、僕はたしかに手を挙げていた。
【問】
「僕は黙っていた」とありますが、なぜですか。60文字以内で書きなさい。
長い文章で、60文字の字数制限。なかなか答えを作りづらいのではないでしょうか。
こんなときは、短く分けて考えます。
もし60字以内ではなく、15字以内だったらどうでしょう。
【解】
文句を言っても仕方がないから。(15字)
これなら書けそうですよね。
次の段階として、「僕が黙っていた」理由として他に考えられることを、本文からいくつか見つけます。このときも、一つ一つは短く考えましょう。
・クラスのほとんどが鬼ごっこに手を挙げていた。
・自分が反対してどうなるものでもないと考えた。
あとはそれらを繋げれば答えを作ることができます。
【解】
クラスのほとんどが鬼ごっこに手を挙げる中で、自分が反対してどうなるものでもなく、文句を言っても仕方がないと思ったから。(59字)
いきなり60字で書こうとするから難しいのです。
「短く分けて考えて、繋ぎ合わせる」がポイントです!
この先生の他のブログ
文章の中で、「これは一体なぜなのか」や「どのようにして行ってきたのだろうか」という表現を見たことがありませんか。筆者が自分の考えを説明する文章なのに、どうしてこのような「問いかけ」の表現が使われているのでしょうか。実は、論説文の中で登場する「問いかけ」は「問題提起(もんだいていき)」の役割をしていま...
①普段の読書ならば、じっくりと時間をかけて読んだり、何度も読み返したりすることができます。込み入った内容の文章であれば、そうしないとなかなか内容が頭に入ってこないことも多いかもしれません。 ②しかし、テストには制限時間があるのでそのような方法は取れませんよね。一度の読みで内容を十分に把握するためには...
説明的文章(論説文)の読解では、「筆者の主張」を読み取ることが最も重要です。設問で聞かれている・聞かれていないに関わらず、「筆者の主張はこういうことだな」と理解しながら読み進めることができれば、文章全体の理解も格段にしやすくなるのです。今回は、「筆者の主張」を見つける目印となる言葉を一部紹介しましょ...
みなさんは、普段論説文を読み始めるとき、その目的を意識していますか?「文章を読む目的ってなに?設問に答えることってこと?」そんな言葉が聞こえてきそうですが、それではきっと文章中の大事なポイントを見落としてしまうことでしょう。 論説文を読むときの目的とは、筆者の主張をつかむことです。筆者は自分の意見を...