共通テスト国語における「言い換え表現」とは何か

共通テスト国語で多くの受験生がつまずくポイントの一つに、「言い換え表現」があります。
「内容は合っている気がした」「意味としては同じだと思った」
そう感じながら不正解を重ねてしまうのは、言い換え表現を感覚で処理しているからです。
共通テストにおける言い換え表現とは、簡単に言えば
本文に書かれている内容を、別の語句・別の構文で再提示したものです。
しかし重要なのは、「意味が似ている」ことではありません。
本文に書かれている内容と、一対一で対応しているかどうかがすべてです。
多くの受験生は、「言い換え=やさしくした表現」「言い換え=要約」と誤解しています。
ですが、共通テストの選択肢は、本文を親切に言い換えてくれているわけではありません。
むしろ、
・語彙をずらす
・主語や目的語をぼかす
・因果関係を弱める、あるいは強める
といった操作によって、本文から微妙に外れた表現を巧妙に混ぜてきます。
ここで重要になるのが、
「そう読めるかどうか」ではなく、
「本文にそう書いてあるかどうか」です。
共通テスト国語は、解釈の試験ではありません。
文章に対する感想や共感を問う試験でもありません。
印刷された文字情報を、どこまで正確に照合できるかを測る試験です。
正しい言い換え表現とは、
・本文の語句や文の役割を保ったまま
・情報の量を増やさず、減らさず
・評価や推測を付け加えず
に、表現だけが変わっているものです。
逆に誤った選択肢は、
「本文を読んだ人なら、そう思いそう」
「一般論としては正しそう」
という形で、受験生の常識や感覚に訴えかけてきます。
しかし、共通テストではそのような常識は一切評価されません。
人見読解塾では、
言い換え表現を「意味理解」の問題としてではなく、
構造照合の問題として扱います。
選択肢に使われている語句が、
本文のどの語と対応しているのか。
その対応関係は一対一か。
勝手な補足や省略が起きていないか。
この確認作業を徹底することで、
「なんとなく合っていそう」という曖昧な読みから抜け出し、
○か×かを論理的に判断できるようになります。
共通テスト国語で求められているのは、
センスでも才能でもありません。
書いてあることを、書いてある通りに読む力です。
言い換え表現が苦手だと感じている人ほど、
実は「読みが浅い」のではなく、
「読み方を誤っている」だけなのです。
正しい読み方を身につければ、
共通テスト国語は、必ず安定して得点できる科目になります。
人見読解塾は、そのための読み方を、
一つひとつ、構造から教えています。