【2026共通テスト】物理の平均点が低すぎる理由 ― 生物・化学と10点差が開いた背景をデータから分析する ―
2026年共通テストの平均点速報が各予備校から公表され、理科科目の中でも物理の平均点が際立って低いことが明らかになりました。
生物や化学を選択した受験生と比べ、
物理選択者だけが約10点低い水準にとどまっている状況です。
「さすがに物理を選んだ受験生は不利ではないのか」
そう感じた保護者・受験生も少なくないでしょう。
本記事では、感情論ではなく、
公開されている平均点データを起点に、
この差が何を意味しているのかを冷静に分析します。
2026年共通テスト 理科の平均点(予備校別)
まずは事実確認です。
以下は、各予備校が公表している2026年共通テスト理科の平均点です。
駿台(1/19更新)
物理:46点
生物:55点
化学:57点
河合塾(1/20更新)
物理:46点
化学:55点
生物:55点
東進(1/18更新)
物理:44点
化学:57点
生物:54点
※各予備校の公表値に基づく。今後修正される可能性はあります。
予備校ごとに若干の差はあるものの、
「物理だけが低い」という傾向は一貫して共通しています。
物理だけ平均点が低いのは、偶然なのか
これだけ複数の予備校で同様の傾向が出ている以上、
単なる偶然や採点上の誤差と考えるのは不自然です。
ただし注意すべきなのは、
「今年の物理は計算量が異常に多かった」
「奇問・難問だらけだった」
といった断定的な評価は、
実際に全問題を精査していない限り言い切れないという点です。
一方で、平均点の差という結果から、
少なくとも次のような傾向は推測できます。
平均点差から読み取れる、物理の出題傾向
物理の得点が伸びなかった背景として、
次の点は平均点データと整合的です。
問題文の情報量が多い
条件設定が複雑で、整理に時間を要する
現象の因果関係を正確に読み取り、立式する力が求められる
これらは、
単純な公式暗記や典型問題演習だけでは対応しにくい力です。
つまり今回の結果は、
物理が「理解力・読解力・論理整理力」を
強く前提とする科目になってきている
ことが、点数差として表面化した可能性が高いと考えられます。
物理は「直前対策」でどうにかなる科目ではない
この傾向が示しているのは、
物理がもはや「短期的な受験対策」で伸ばしやすい科目ではない、
という現実です。
物理で安定して得点するためには、
現象を言葉で説明できる理解
条件を整理してモデル化する力
数式が意味している内容を把握する力
といった、初期段階からの積み重ねが不可欠になります。
付け焼き刃の対策が通用しにくい科目になってきている、
そう捉える方が自然でしょう。
中高一貫校・進学校ほど物理で詰まりやすい理由
意外に思われるかもしれませんが、
中高一貫校や進学校の生徒ほど、
物理で苦戦するケースは珍しくありません。
理由は明確です。
課題量が多い
進度が速い
消化型の学習になりやすい
結果として、
「分かったつもり」で先に進み、
本質理解を深める時間を取りにくい
という状況に陥りやすいのです。
物理は、この「理解の浅さ」が
ある段階で一気に表面化する科目です。
なぜ物理は独学での理解が難しいのか
物理が他の理科科目と比べて難しい理由の一つは、
教材の性質にあります。
教科書
→ 正確だが説明が簡潔すぎる専門性の高い参考書
→ 理解は深まるが高校生には難解易しい参考書
→ 分かりやすいが本質理解に届きにくい
「分かりやすさ」と「深い理解」を
同時に満たす教材が非常に少ない。
この点が、物理を独学で進めにくくしている要因です。
物理を続けるか、科目を変えるかという判断
ここまでを踏まえると、
物理選択における戦略は大きく二つに分かれます。
① 早い段階から本質理解に取り組む
専門書に触れる
プロから正しい概念理解を教わる
なぜそうなるのかを説明できる状態を作る
② 物理が明確に苦手なら、生物または化学への切り替えを検討する
これは「逃げ」ではありません。
共通テストの傾向と平均点データを踏まえた合理的判断です。
文章理解・暗記が得意 → 生物
計算処理や操作的理解が得意だが、物理ほど抽象が苦手 → 化学
こうした適性の違いも、冷静に考える必要があります。
「数学が得意だから物理もできる」は危険になりつつある
最後に強調しておきたいのは、
数学が得意であることと、
物理で安定して得点できることは、もはや同義ではない
という点です。
共通テストが今後も
読解力・論理思考力重視の方向に進む限り、
この傾向はさらに強まると考えられます。
まとめ
2026年共通テストの平均点データは、
物理という科目が
どんな力を前提にし始めているのか
を、はっきりと示しています。
感情ではなく、
データと傾向をもとに判断すること。
それが、これからの受験において
最も重要な姿勢と言えるでしょう。