不登校で勉強が遅れたとき、どこまで戻るか
結論から言うと、学年の内容を全部やり直す必要はありません。大切なのは、今の学年に急いで追いつくことではなく、つまずきが次の学習に影響している単元を見つけ、必要なところだけ戻ることです。まずは生活リズムを整え、そのうえで短時間の学習を無理なく始めていきましょう。
学年全部をやり直さなくてよい理由
不登校の期間があると、「休んだ学年を最初から全部やり直さなければ」と考えやすくなります。しかし、学習内容はすべてが同じように抜けているとは限りません。漢字は覚えていても、算数の文章題だけ難しい、計算はできても図形で止まるなど、つまずき方は一人ひとり異なります。
そのため、学年ではなく「必要な単元」を基準に考えます。今の学年の内容を少し試し、できる部分と難しい部分を分けます。難しい部分が見つかったら、その原因になっている前の学年の単元まで戻ります。戻ることは後退ではなく、学び直す場所を絞るための確認です。
算数は「計算の土台」から確認する
算数で戻る地点を見つけるときは、いきなり文章題をたくさん解かせるより、計算の土台を順番に見ていくと整理しやすくなります。
たとえば小学生なら、次のような順番です。
数の読み方、大小、位取り
たし算・ひき算の意味と筆算
かけ算九九とわり算
小数・分数の意味と計算
単位、時間、長さ、かさ
図形の特徴や面積
文章題で、分かっている数と求める数を整理すること
「できる・できない」を厳密に採点する必要はありません。数問解いて、計算方法を思い出せるか、問題文を読んで何を聞かれているか分かるかを見ます。たとえば分数の計算で止まっていても、実は九九やわり算の理解が不安定なことがあります。その場合は、分数全体ではなく、必要な土台まで戻ります。
今の学年に追いつくことを急がない
学習の目標を「早く今の学年に追いつくこと」だけにすると、難しい問題が続いたときに負担が大きくなります。まずは、分かる問題に取り組み、「自分で進められた」という感覚を重ねることを優先します。
教科書の順番どおりに進める必要もありません。算数が重い日は漢字や読書にする、計算の練習をした後に興味のある理科を読むなど、その日の状態に合わせて構いません。学習の量を増やすより、始めやすく終わりやすい形をつくることが、継続を考えるうえで役立ちます。
家庭で最初に始めること
最初は1日15分を目安にします。15分間ずっと問題を解く必要はなく、準備や丸つけを含めて短く終えても構いません。内容は、前にできていた計算を数問解く、漢字を三つ書く、興味のある本を読むなど、負担の少ないものから始めます。
同時に、「やらない日」を決めておくことも大切です。たとえば週に一日は学習を休む日とし、疲れが強い日は予定を変更します。休む日があると、学習できなかったことを責める流れになりにくく、家庭の中で続け方を相談しやすくなります。取り組めた日は内容と時間だけ簡単に記録し、できなかった日は理由を細かく追及しないようにします。
生活リズムを整えてから学習する
学習の前に、起きる時刻、食事、着替え、休憩、眠る時刻など、生活の流れを少しずつ整えます。学校と同じ時刻に合わせる必要はありません。本人が比較的落ち着いている時間帯を見つけ、その時間に15分の学習を置きます。
順番は、「体調や気分を確認する」「水分や軽食をとる」「短い学習をする」「休む」が基本です。いきなり難しい課題から始めず、できる問題や興味のある内容で準備運動をしてから、必要な単元に取り組みます。学習後は成果を細かく評価するより、「ここまで取り組んだ」と区切って終えることを意識します。
まずは一週間、1日15分と休む日を設定し、算数の計算を数問だけ試してみましょう。できた内容と負担に感じた場面を一緒に確認し、次に戻る単元や取り組む時間を調整していけば十分です。
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