2025年 共通テスト分析 気になるこの一題 数学 化学 生物 化学基礎 生物基礎

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2025/1/16

2025年共通テスト終了

受験生の皆様、おつかれさまでした。これから自己採点、共通テスト利用型私立入試出願、国公立2次試験対策とまだまだ目まぐるしい状況ではありますが、ひとまずはしっかり休んでから、明日以降の勉強に備えてください。


さて、この記事では今年度の共通テストで個人的に気になった問題を取り上げて、来年以降の試験を受ける受験生、または保護者の方に一度目を通しておいてほしい内容となっております。

気になる部分だけでもよいので、ぜひお読みください。


【2025年共通テスト分析】

【理系科目の分析(数学・化学・生物・化学基礎・生物基礎)】

【数学ⅠA】

全体概観:整数分野が消えた結果、大問構成が大きく変化、全問必答となった。解きやすい問いと解きにくい問いがはっきりした出題だった。来年以降も同様の構成あることもあり得るため、実践模試形式の問題で時間配分と解くべき問題の選定に慣れておく必要がある。

<気になった問い>

◎第1問〔2〕(2)(3)図形の性質

丁寧な誘導がついているが、活用の仕方が難しく、手が止まった受験生も多かったかもしれない。以降の大問が取りやすいため、さっさと飛ばすのも一手。

◎第4問 確率 

初めの設定の日本語読み取りで勘違いした場合は最初の問いでつまずく。こういう時は読み取り方を疑って、焦らず読み直してじっくり考えなおそう。


【数学ⅡBC】

全体概観:試験時間が60分から70分に伸びて、『統計的な推測と確率分布』が実質必修となった初年度。全体の計算処理量は少なく、代わりに抽象的な問いが多かったが、穏やかな出題内容。実力通りの力を発揮できた受験生は多いのではないか。来年以降も同じ傾向が続くとは限らず、実戦形式模試などを活用して、新受験生は様々な形式に慣れておく必要がある。

<気になった問い>

◎第3問(2)(ⅰ)(ⅱ) 微分と積分、極値と面積

f(x)とF(x)・G(x)の関係性を図を用いてとらえることができたか。極大値をとるxの値=kが正であることから、概形を限定出来ればうまくいく。極値の値を面積を用いて表すのは、過去の追試で扱われたことがあるため、追試過去問まで演習していたかどうかで差がついただろう。

◎第4問(2)(3) 格子点の個数

曲線状、x軸上、x=n+1上の点を除く処理で焦らず確実に考察できたかどうか。類題の演習では境界線上の点を含む場合が多くみられるため、経験者ほど特に気を付ける必要がある。


【化学基礎】

全体概観:理系で問われてもおかしくないような高度な計算や考察を必要とする問いが目立ち、かなり解きにくかったのではないだろうか。実は厳密な計算を必要としない問いも多く、要領よく解き進めた受験生はある程度の点数を確保しているだろう。実験問題の設定を丁寧に読み解き、整理できるように、訓練しておく必要がある。

<気になった問い>

◎第1問 問9b ジャガイモ中に含まれる水分量

ジャガイモ1gの高精度なmolを求める必要はない。選択肢の数値が1gに対してかなり大雑把なので、立式にまず集中して、実際の計算はよく検討しながら進めることが要求される。

◎第2問 問3a 実験結果の考察・方眼紙を用いて

文系受験者にとって方眼紙を用いるところまでは出来るが、その数値を読み取った上、化学反応式から質量までの計算は容易ではない。根気よく順序だてて解決する練習をしておく必要がある。


【生物基礎】

全体概観:単なる知識だけでは解けない応用問題にてこずった受験生もいるだろうが、基本問題や典型問題は解きやすく、平均点は例年通りか。文章量が他の基礎科目より多く、未知の設定の問いはこれからも続くと予想されるので、必要な情報を手早く集め、分析する力が求められる。

<気になった問い>

◎第1問 問5 タンポポの根を用いた代謝に関する考察

実験考察問題としてお手本のようだが、『仮説』と『実験操作』をうまく結びつけるのは慣れが必要。実験の『条件』を一つづつ変えて『結果』が変化することに気付けるかどうか。

◎第2問 B 問4 免疫に関する知識問題

かなり細かいレベルまで覚えておかないと、迷う選択肢もある。免疫は登場する細胞の種類が多いので、異物侵入から排除に至るまで、ストーリー仕立てで覚えておこう。


【化学】

全体概観:60分の試験時間に対して、読み取りや情報処理、計算の複雑さや多さから難易度は高い。一部、高校化学範囲外の内容が扱われ、丁寧な解説と誘導があるが、その分文章量が多く、解き方にはコツがいる。知識で対応できる問題を素早く解けるようにしておくと、こういった問題にも対応しやすい。

<気になった問い>

◎第1問 問5b 半透膜を用いた逆浸透法

計算で解くことまでは理解できるが、平衡状態における立式は難しい。類題の経験がなければ、解けない受験生も多かったと思われる。

◎第4問 第5問 有機化学・高分子化学

知識で解ける問題が目立つが、要求されるレベルは高い。教科書を用いて、かなり細かいレベルまで習熟しておく必要がある。一度覚えこめれば、ボーナス問題と化す。


【生物】

全体概観:国語の試験かと思うくらい文章が長く、60分の試験時間にすべてを読み解くことは容易ではない。必要な情報を素早く抜きだす情報処理能力が最も重要な試験。読みながら手を動かして、複雑な条件を整理しながら解き進める練習も必要だろう。

<気になった問い>

◎第2問 問3(1)(2) トレオニン代謝と分解酵素の考察

共通テストらしい実験考察問題である。当然のことのように未知の設定を扱われるがこの手の問いに慣れておくことが高得点には必須である。

◎第5問 問2 稲の光周性に関するグラフ問題

グラフの読み取り問題も頻出である。遺伝子発現と環境応答がどのような仕組みで行われているかの知識と与えられたグラフからわかることを組み合わせないと、正解にたどり着けない。


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