高市首相の英語力で日本は二流国に?トランプ外交とノーベル平和賞で見えた「英語が話せない代償」と子どもに今すべきこと
トランプにノーベル賞を差し出した首相 受賞は叶わず、残ったのは「昭和の接待外交」だけだった
皆さん、覚えていますか。去年の秋、2025年10月28日のことです。来日したトランプ大統領と東京で初の首脳会談に臨んだ高市早苗首相は、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦する意向を伝えました。それを世界に発表したのは、日本政府ではなく米ホワイトハウスでした。
そして昨日、その答えが出ました。2026年のノーベル平和賞は、南アフリカ出身の法律家で元国連人権高等弁務官のナビ・ピレイ氏に決まりました。授賞理由は平和と国際法の推進への尽力です。トランプ大統領は、熱望していた受賞を今年も逃しました。日本の首相が差し出した花束は、結局どこにも届かなかったのです。
しかも国会で推薦の事実を問われた高市首相は、11月4日の衆院本会議で答弁を避けました。相手には贈り物を渡し、国民には口をつぐむ。これが一国の首相の外交なのでしょうか。
本当の見せ場はその後でした。今年3月、高市首相は就任後初めて訪米します。ホワイトハウスに到着すると、握手を求めて手を差し出したトランプ氏の胸に飛び込み、ハグを交わして満面の笑みを見せました。約5カ月ぶりの再会だそうです。
ところが、その会談の中身は笑顔とはほど遠いものでした。議題はイラン情勢で、トランプ氏はホルムズ海峡の安全確保のため日本に艦船派遣を求めていた経緯があります。日本の貢献が問われる正念場の会談で、首相は緊張した表情が目立ち、トランプ氏のほうが場を和ませようと気を遣う場面すらあったと報じられています。
玄関では胸に飛び込んで愛想を振りまき、交渉の席では相手に気を遣われる。日本では「媚びすぎ」という声が上がりましたが、当然でしょう。相手の自尊心をくすぐり、愛嬌を振りまき、贈り物で距離を縮める。これは昭和の企業接待そのものです。関税、防衛費、艦船派遣という冷徹な要求を突きつけてくる相手に、愛嬌で対抗できると考えているなら、時代遅れと言うほかありません。
そして、私がどうしても言いたいことがあります。日本の首相は英語ができて当然であるべきだ、ということです。
皆さんには反論もあるでしょう。通訳がいるから問題ない、日本語で堂々と話すことにこそ誇りがある、と。しかし実際に先進国で暮らし、働いた経験がある人なら、まず同じ意見にはならないはずです。首脳外交の本当の根回しは、通訳を介さない雑談や廊下での立ち話で行われています。その輪に入れない首脳は、会議の席にいても実質的には外野です。
先進国の現場では、英語が話せないというだけで、能力以前に「二流」のレッテルを貼られてしまう。理不尽でも、それが現実です。まして相手は、反応を見ながらその場で条件を変えてくるトランプ氏です。通訳を待つ数秒のあいだに、主導権は向こうへ渡ります。英語で即座に切り返し、ユーモアで押し戻せる力こそ、この相手に対する最大の武器のはずです。
高市首相には若い頃に米議会で働いた経歴があります。それなのに、トランプ氏と英語で丁々発止と渡り合う姿は見えてきません。見えてくるのは、ハグと贈り物と、国会での沈黙だけです。
もちろん擁護論もあります。欧米メディアには、首相の振る舞いを媚びではなく計算された戦略と評価する論調もありました。予測不能な大統領との個人的な関係は同盟の保険だ、という考え方です。
しかし、愛想と勲章で得た好意は、次に大きな要求が来たとき、それを断る力にはなりません。むしろ「日本は頼めば応じる国だ」と思わせるだけです。
今年の平和賞が国際法の守り手に贈られたことは象徴的です。世界が評価したのは、力でも愛想でもなく、言葉と法と論理でした。昭和の接待から、令和の交渉へ。自分の言葉で、自分の英語で世界と渡り合える首相を、私たちはそろそろ求めていいはずです。
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