【世界史】 早稲田大学法学部「世界史」論述問題出題傾向
今回は早稲田大学法学部で必ず出題されている大問5の論述問題について、出題傾向分析を行いたいと思います。下の表が早稲田の法学部で1996年~2025年にかけて出題された問題のテーマです。


試験形式が字数を除いてほぼ統一された2009年以降、論述問題は必ず大問5に設置されています。(それ以前も全て最終問題に設置されています。) 2004年から2015年までは「200字以上250字以内」という字数指定でしたが、2016年以降は全て「250字以上300字以内」となっています。また、2009年以降は必ず4語の指定語句が示されています。(2008年以前は年によって指定語句の数が異なります。)
2008年以前の問題には、設問の設定にやや雑なところがありましたが、近年は設問の要求が比較的明確に提示されるようになってきています。ですが、それでも指定語句がないと設問の意図が正確にくみ取れない部分もありますので、早稲田法学部の論述を解く上でこの指定語句の分析と整理は極めて重要になります。
【出題テーマについて】
2019年ごろまでは、時々あるイレギュラーな問題を除いて、ヨーロッパ近現代史と中国近現代史から出題されていました。特に2010年代にはその傾向が顕著でしたが、その後2020年代に入ると、主要国の歴史からはやや外れたところにあるアジア・アフリカ・アメリカ史などが主に出題されています。今後もこの傾向が続くかは不明ですが、2020年以降はこうしたアジア・アフリカ・アメリカなどからの出題がほとんどとなっているので、次年度は少し目先が変わって来る可能性も否定できません。また、昨年から今年にかけて、国際関係上の諸問題が立て続けに発生しているので、そうした時事的な視点にも注意したいところです。特に、中東問題についてはベタなテーマではありますが、早稲田の法学部論述では1999年に一度出たきりですので、少し注意した方が良い気がします。
【出題される時期について】
こちらも、2010年代までは一部のイレギュラーを除いて圧倒的に近現代史からの出題が多く(特に、19世紀~20世紀史)、また時代的にも比較的短い期間を問われることが多かったのですが、近年その傾向に明確な変化が見られます。ある地域や何らかの関係性における「変遷」やある程度長いスパンでの「経緯」を問う問題が多く、その結果として数世紀にわたる長いスパンから解答を作成することを求められることが増えてきています。ただし、時代的には近現代史からの出題が多いことに変わりはありません。(2022年のトルコ系民族の興亡史[6世紀~10世紀]などは目立っているように見えますが、過去にも古代ローマ史などからの出題など、イレギュラーなものもあることを考えると、「近現代史中心の出題」という全体傾向が変化したとまでは現時点では言えないと思います。)
参考までに、各年度の出題における時代区分の一覧表をあげておきます。

【解法・その他】
基本的な解法としては、指定語句を参考に関連事項を思い浮かべ、設問が求める解答へ導くために整理するという手順となります。設問に多少の変化が出たとしても、200字から300字程度で経過説明や背景・理由説明、結果・影響説明などを行う設問であると考えれば、特に戸惑う必要はありません。ただし、時間配分には注意すること。
【対策など】
問題のレベル的にはそう難しいものではありませんが、設問を読んで「これは〇〇について聞いている!」というアンテナが「ピーン」とはらないとすれば、基本的な知識がまだ不足しています。その場合には、近現代史を中心にしっかり基礎知識を復習するところから始めましょう。
基礎固めが済んだのちは過去問演習を中心に進めるべきです。近現代史からの出題が多い分、東大で出題された問題との親和性が比較的高いように思われますので、「早稲田の法学部論述の過去問はあらかた解いてしまって、練習材料がなくなってしまった」ということがもしあれば、その時は東大の論述対策用テキスト(ベタですが、『東大の世界史25カ年』とか、『テーマ別東大世界史論述問題集(駿台受験シリーズ)』など)のうち、近現代史を重点的に練習しておくとよい練習になると思います。
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