【夏期講習】 夏を制する者が受験を制す! ~夏期講習を飛躍につなげるために~
2025/6/5
マナリンクでも、たくさんの夏期講習講座が開講されてきました。まだ6月ですが、ふと気が付いたら7月の期末試験がやってきてしまうのと同様に、「気が付いたらもう夏だ!」と勝負の夏に入るのもあっという間です。そのころになって「夏期講習どうしよう…」と考えても出遅れてしまうかもしれません。かといって、やみくもに「講習だけ取ればいいや」と何となく講座を受けても力にはなりません。
本記事では、夏期講習を有意義なものにするために何に気を付ければ良いのか、いくつか整理してまとめてみたいと思います。
1、夏期講習では目的を持とう!
:夏期講習を有意義なものにする一番の方法は、「何のために夏期講習を受けるのか」という目的をはっきり持つことです。目的意識をはっきり持つことによって、自分が達成すべき目標が定まりますし、「あれもこれも」と色々なものに手を出してしまい、「結局何も身につかなかった…」という事態に陥ることを避けることができます。また、事前に目標を定めておくと、夏が終わったときにその達成度を測ることができますし、何より一つでも二つでも、自分ができなかったものをできるようにすることで、着実に力をつけることができます。
それでは、夏期講習ではどのようなことを意識して目標を定めると良いのでしょうか。クリアすべき課題は人によって様々かもしれませんが、共通して言えることをいくつかご紹介します。
① 苦手分野の克服
:夏休みは時間がとれる分、今までの学習で曖昧になっていた分野や苦手科目に集中して取り組むことができます。特に、個別指導による夏期講習は自力では解消しきれない課題をクリアするための絶好の機会といってよいでしょう。ただし、講習の効果をより高めるためにも、「自分の課題が何か」という点については講習を受講する前にできるだけ明確にしておきましょう。
② 学習の総復習と基礎固め
:特に受験生にとっての夏は「天王山」と言われます。その理由のひとつが、春から夏までの学習内容の総復習が可能になるまとまった時間が取れる、おそらくは最後の時期になるからです。この時期に、これまでの学習の復習を行い、基礎を強固にすることで、秋以降の応用問題や過去問演習への土台が築かれます。基礎の定着がおろそかになっているなと感じる人は、新しい事柄に取り組むよりもまずは基礎の徹底復習を目指してみるのも良いかと思います。
③ 志望校レベルへの到達・ジャンプアップ
:夏期講習では志望校のレベルに合わせた特別講座も用意されていることが多く、「現在の自分」と「合格ライン」との距離を意識しながら、そのギャップを埋める勉強に集中できます。また、秋に向けて徐々に各志望校の出題傾向や過去問を意識する時期でもあります。自分の志望校対策が可能になりそうな講座がある場合には、積極的に受講してみるのも良いでしょう。
④ 学習習慣の強化
:長期休暇中は生活リズムが乱れがちですが、夏期講習に通うことで「午前から頭を使う」「決まった時間に勉強する」という習慣が維持できます。また、逆に1学期の間に十分な生活リズムを整えることができなかった人にとっては、あらためてリズムを整える絶好のチャンスでもあります。受験本番に向けて集中力を保ち続ける力を養うために、夏期講習を有効に利用してみましょう。
2、夏期講習を有意義に活用するためには
① 目的を明確にして受講する
:繰り返しになりますが、夏期講習を有意義に活用するためにはとにかく目的意識をもって受講することです。「共通テストに対応するために実践問題集を徹底して演習しよう」、「志望校の過去問で頻出の単元を強化したい」など、講習の前に明確な目標を立てておくことで、ただ何となく漫然と講習を受講することを避け、着実に自分の力に変えていくことができます。
② 講習だけで満足しない
:夏期講習を「とっただけ」で何となく安心して、しっかりとした学習をしない人がいますが、それでは学力を向上させることはできません。授業を「聞いて終わり」にせず、授業後の復習と問題演習を徹底することが成果へのカギです。理解した内容を「自分のものにする」、「できるようにする」ための時間をしっかりと確保することが大切です。そのためにも、意味もなく「朝から晩まで講習づけ」のようなスケジュールではなく、問題演習や復習など自分がアウトプットするための時間と、講習によってインプットしたりフィードバックを受けるための時間を整理して講習を受講するようにしましょう。
③ 生活リズムを整える
:早寝早起き・三食しっかり・適度な運動。この3つが崩れると、どれだけ勉強しても集中力が続かず、成果につながりません。どんなに勉強をしても、試験日に体調を崩してしまっては試験を受けることができず、それまでの努力をいかすことができなくなってしまいます。体調管理も受験勉強の一部です。ただ、一般に「早寝早起き」が良いとされますが、人によって気分よく起きられる睡眠時間は違うものですので、自分が無理なく実行できるリズムを心がけましょう。ただし、入試本番の試験開始時間は学校のリズムとほぼ同じです。どんなに遅いリズムだとしても、12時頃までには眠り、7時や8時には起きることを心がけましょう。
④ 計画的に進める
:講習のある日もない日も、学習目標をしっかり定めることが重要です。その際、1日単位などの細かい予定のたて方ではなく「1週間単位くらい」で「進めるべき学習量」を基準に計画を立てましょう。こうすると、スケジュールをつくるだけで力を使い果たしてしまったり、計画倒れに終わることを防ぐことができます。「今週は、英語は単語を〇ページから〇ページまで覚える、古典は漢文の〇〇の使い方を徹底復習する、世界史は共通テストの青本のうち第1回・第2回を解いて答え合わせ・見直しをする…」など、具体的な学習目標を、だいたい5日~1週間ごとくらいで定めて、夏全体でどれくらいの量をこなしたいか事前に計画しておきましょう。そして、1週間たつごとに自分が目標を達成できたかを確認し、早めに進められるようであれば目標をつけ足したり、思ったより進みが遅いようであれば計画を少し見直したりしながら調整していくと良いと思います。
大切なことは、「〇〇時間勉強する」など漠然とした時間目標だけ立てて満足しないこと。「〇〇時間」といいながら、スマホを見てしまったり、お菓子を食べに行ったり、飲み物を飲んだりと、実際には「〇〇時間」を集中して学習に充てられていないことが大半です。時間を設定して「やった気になって終わり」にするのではなく、終わったときに「私はこの1週間で〇〇と、××と、△△をやった!」とはっきり言えるような計画を立てることが大切です。復習や宿題の時間、弱点分野への取り組みなど、自分なりに時間の使い方を工夫して、学習の質を高めましょう。
最後に
:夏期講習は、単に「受講するだけ」で力がつくものではありません。講習によって「力をつけてもらう」のではなく、講習を利用して「自分が力をつけに行く」のです。自分の課題と真剣に向き合い、力を伸ばすための濃密な学習期間とできるかどうかが、夏の成否を分けます。正しい目標設定と日々の復習や生活リズムの管理を意識することで、夏の学習を受験本番に向けての大きな飛躍につなげることが可能となります。みなさんの夏が、みのりある有意義なものになることを祈っています!
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