【共通テスト】 世界史の共通テスト対策はいつから始めるべき? ~スケジュールと勉強法まとめ~

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2025/6/18

大学入学共通テストの世界史対策について「いつ頃から取り組んだらいいですか?」という質問がよく寄せられます。率直に言って「学習状況によって違う」のですが、それでもおおよその時期や目安などはお話しできるかと思います。今回は、大学入学共通テストの実戦問題集や過去問に取り組む時期について、だいたいのスケジュールをご紹介します。


まずは基礎固めを優先:高3の夏までに通史を完成させたい

共通テストの世界史では、単なる暗記では対応できない総合力を問われます。そのため、高得点を狙いたいのであれば7月〜8月ごろまでに「通史の基礎」を完成させておくことが非常に重要です。特に、各地域の歴史や、世界史と日本史との関係史・地図・図版など、横断的な理解を要する分野は丁寧に取り組む必要があります。


通史が完了するまでの間は、「インプット中心」でも構いません。教科書や資料集、これまでに受けてきた授業の内容などを活用し、世界の歴史の大きな流れをつかみ、基本の歴史用語を把握するむことに努めましょう。


実戦問題集に取り組むタイミング:夏のはじめから秋にかけて

通史を一通り終えることができていれば、7月下旬〜9月以降に実戦形式の問題に徐々に触れ始めるべきです。実戦問題集については駿台をはじめとしてあちこちから販売されています。また、過去問についても一部取り組んでも良いように思います。


大切なことは2点。

① 問題を通じた知識の再確認

② 出題傾向に慣れる

この2点です。


通史の理解に自信のある人は本番と同様に解き進めてかまいません。その場合、必ず制限時間を守り、解いた問題の回数(何回目に解いた問題か)や、点数を記録しておきましょう。こうしたものの積み重ねが、後に「平均で〇〇点、最高で〇〇点、最低で〇〇点なんだから、どんなにひどくても〇〇点、うまくいけば〇〇点は期待できる」という見通しと自信につながってきます。


まだ通史には自信がない、正直問題に取り組んだとしても半分取れる気がしないという場合には、以下のような手順で取り組んでみましょう。


・1回目は時間を気にせず丁寧に解く(解説までしっかり読む)

・間違えた問題はチェックして復習用に再利用できるような状態を作る

・分野別にチェックして、苦手範囲をあぶり出す


この時期の実戦問題集は、「アウトプットによる定着」と「形式への慣れ」が目的です。知識の穴を補う機会として活用しましょう。


過去問に本格的に取り組むのはいつ?

過去問演習は、本番形式に慣れるための最終段階の演習です。したがって、取り組むべきタイミングは11月〜12月の中盤以降がベストです。ただし、以下のような人は、過去問の一部について夏の段階から取り組んでもかまいません。


・通史がしっかり身についている

・直前の時期は国公立の2次対策や私大の個別試験対応に力を注ぎたい

・大学入学共通テストは8割~9割以上を取る実力がすでに身についている

・大学入学共通テスト、ならびにセンター過去問を過去10~20年分練習用に解いてしまおうと思っている


上記のような場合には、夏の間に直近のものを除く過去問に計画的に取り組み、現状でおおよそ何点取れるか把握しておくのが良いでしょう。また、その場合、実力の最終確認用に直近1か年~3か年分は、直前の時期に取り組むために残しておくと良いでしょう。


一方で、上記の条件に当てはまらない人が大学入学共通テストの過去問に取り組む主要な時期は11月以降になります。この時期までに、


・通史が一通り頭に入っている

・実戦問題集で、共通テストの出題形式にはある程度慣れている

・自分の得意・不得意が明確になっている


という状態にしておくことが望ましいです。


過去問の効果的な使い方

実戦問題集とは異なり、過去問についてはどれだけ自分が過去問に対応できる力を備えているかをはかることが主要な目的となります。そのため、以下の手順を守って進める方が良いでしょう。


・時間をはかって本番通りに解く

・必ず、取った点数は記録しておく

・間違えたり、悩んだりした設問のチェックを入れておく

・設問の意図・出題形式を分析する

・年度ごとに傾向の変化がもしあればチェックする


共通テストは、旧センター試験と比べて資料読解や思考力を問う傾向が強いため、「設問を読む力」も鍛えることが得点のカギになります。

ただし、旧センター試験は、知識面の再確認には非常に優れた題材です。もし、国公立の2次試験や私大の個別試験で世界史に取り組む必要がある場合には、「自分が受けるのは大学共通テストだから、センター試験は必要ない」と言わず、数年分のセンター試験過去問に取り組むのは良い力試しになると思います。


直前期の使い方:問題を“消化する”から“得点を拾う”視点へ

1月の共通テスト直前期には、演習量よりも「ミスを減らす工夫」や「細かい点の確認」に重きを置きましょう。


・よく出るテーマ(イスラーム史、国際関係史、文化史など)を重点的に復習

・自分がミスしやすい設問パターンをチェック

・資料問題や図版問題の読み取りを再確認


この段階では、「知識の詰め込み」以上に「今持っているものを取りこぼさない準備」が重要となります。


まとめ:3ステップで計画的に活用しよう

【ステップ1】 夏の始まりまで:通史を終える(インプット中心)

【ステップ2】 夏以降〜秋:実戦問題集で知識定着+形式に慣れる

【ステップ3】 11月以降:過去問で実戦力と得点力を仕上げる


実戦問題集や過去問は、ただ「問題を解いた」というだけでは何の力にもなりません。自分の理解度や進度に合わせて、「何のために今これをやっているのか?」を常に意識し、自分の点数を上げるために「どの知識を吸収していくべきか」、「どのような読み取りの力を上げるべきか」、「どの分野の見直しを集中的に行うべきか」など、目的意識をしっかり持ち、問題を解き終わった後の学習を充実させることが非常に重要になります。


「解く→目的を持って見直す→自分に必要なスキルのレベルアップをはかる→解く」というサイクルをしっかり作っていくことが、最終的な得点力アップにつながります。ぜひ、自分なりのスケジュールや見通しを作り、良い結果につなげられるように頑張ってください!

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