新学期を迎える前の「今」が未来を大きく変える
「大学受験は高3の1年間で決まるものではない」
これは、大学受験を経験した多くの高校生たちが実感することだと思います。
もちろん、中には要領よく短い期間で受験を成功に導いたと感じている人もいるかもしれませんが、実際にはそういう人も自分で気づいていないだけで、日ごろから短い期間で受験を成功に導けるだけの地力を養う作業を積み重ねていたのではないでしょうか。
実際、受験期に大きく伸びる人ほど、高1や高2の段階で基礎力と学習習慣をしっかり身につけています。
高校の3年間を客観的に見るのであれば、最も時間に余裕があるのは高1の時期です。
高2も、まだ「立て直し」や「積み上げ」が十分に可能な学年です。
新しく高3になる人は、時間的な余裕はそれほど残されていませんが、それでも頑張れば十分に力を伸ばすことができます。
新しく高校に入学する人にせよ、高校最後の年を迎える人にせよ、新学期を前にしたこの時期は、「これからどう勉強していくか」を考え、動き出すためにはとても重要なタイミングです。
新高3生は、高2の3学期のHRで「今は高2の終わりじゃなくて高3の0学期だからなァ~」とか言われませんでしたか?私が高校の担任やっていた頃は定番と知りつつ言って、「またか」って顔をされていましたw
【「自主的に学ぶ」ということ】
最終的に大きく成績を伸ばす人に共通していることは、
言われたことや与えられたことをこなすだけの勉強から抜け出していくという点です。
・今の自分に何が足りていないのか
・どんな勉強法が自分には合っているのか
・この勉強は何のためにやっているのか
こうしたことに真剣に向き合い、試行錯誤しながら自分なりの勉強の仕方を身につけることができるかがとても大切です。
こうした思考法は、実は受験に限ったことではありません。
たとえば、仕事をしていて、明らかに作業効率や事業成績を落としている事柄がある場合に、その事柄に気づかない人や、気付いていても惰性で続けてしまう人はよくいます。私自身も、時に「まぁ、いいかな」とか「面倒だな」と思って見過ごしてしまうことはよくありました。
ですが、ここで「これをこうすればもっと良くなるはず」と行動に起こすことができれば、仕事の環境と成果が劇的に変わるかもしれません。成果を上げることができる人は、何も見ない人や評論家ではなく、実際に試行錯誤をして行動に起こす人です。
また、こうした試行錯誤には失敗はつきものです。最初から正解やうまくいくルートが見つかる人はいません。だからこそ、新学期などの節目節目で少し立ち止まって「自分の勉強の仕方」を見直して、色々な試行錯誤の機会にすることはとても大切なのです。
【誰かに相談するという選択】
「自主性」と聞くと、「全部一人でやらなければならない」と思ってしまう人もいるかもしれません。また、「一人でやる方が気楽でいい」と考える人もいるでしょう。
私自身も、高校生の頃は「別に先生はいらない。全部参考書に書いてあるし、あとはこれを自分がやるかどうかの問題で、先生に良し悪しで何かが変わるわけでもない」と考えていましたし、大学受験の時に先生の力を頼った記憶はあまりありません。
ですが、今になって考えてみると、当時の自分がかなり非効率な学習をしていたという面も多く見えてきました。たしかに、正直パッとしない先生や授業、頼りない先輩に頼るよりは、自分自身でガリガリ勉強する方がよほど効率的ということはあり得ます。ですが、どんなにできる人でも、本当に頼りになる先生や先輩の助言は、自分の見ていた世界をガラッと変えて違うステージへと引き上げてくれます。より効率的で、効果の上がる方法があるのであれば、それを用いないのはもったいないというべきでしょう。
また、長く勉強を続けていると、気持ちが不安定になるという人もいるでしょう。成績が思うように伸びないとき、勉強法に迷ったとき、気持ちが折れそうになったとき。こうした時に一人で自分の気持ちの中に漂う「もや」を払うのはなかなか難しいものです。こうした「もや」を払うために、誰かと対話することはとても大切です。
何か効果的なアドバイスをもらう必要はありません。対話をする中で、「ああ、自分は今こう考えているのか」とか「誰かにこう見て欲しいと思っているのかもしれない」など、自己を客観視することもできます。
相手が先生であれば「こんなことを聞いていいのかな」と思う必要はありません。悩んだときに相談することも、立派な「自主的行動」です。ただし、「相手が何でも解決してくれる」と期待しすぎるのではなく、自分がより良い状態になるための「何か」を提供してくれたらいいな、くらいに考えてくと良いでしょう。少なくとも、気分転換にはなるはずです。
【学力の土台は、日々の勉強】
受験が近くなればなるほど、模試や受験勉強ばかりに目を奪われがちですが、実際に学力の地力を作っているのは日々の学校での学習です。
・小テスト
・宿題や課題
・授業内容の理解
・定期考査への取り組み
学校での日々の学習は、少なく見積もってもこれだけのことをしています。そしてそれを、高1からであれば3年間、中学からであれば6年間続けていくことになります。
受験勉強といっても、それまでに勉強していた量の3倍~6倍の勉強を行うことが簡単でないことは容易に想像がつくと思います。日々の学習をおろそかにして、受験勉強だけでコトを済ませようと考えることは、自分が日頃している学習の3倍~6倍の分量を一気に詰め込もうとする行為です。あまり賢いやり方とは言えません。
ですから、日ごろの学習をおろそかにせず、丁寧に積み重ねていくことが、結果的に模試の成績や受験の力につながっていきます。定期考査を安定して取れていれば、模試の成績は後からついてきます。ただし、そのためには定期考査とそのための勉強を一過性のものとせず、自分の血肉にするような学習の仕方が必要となります。一夜漬けを避けた方が良い理由はここにもあるのですね。
【忙しい中でも前に進むには】
高校生活は思ったよりも多忙です。一生懸命に活動している人ほど、部活動や生徒会など、さまざまな活動と勉強を両立させなければなりません。
この両立を可能にするものは何でしょうか。
しっかりとしたスケジュールをたて、それを継続していくことはもちろん大切なのですが、それ以上に大切なものは自分がたてた計画通りに行動するための「体力」です。どんなに緻密なスケジュールをたてても、それを実行する体力がなければ、結局は計画倒れに終わってしまいます。
では、そうした体力をつけるためには何をすればよいのでしょうか。
特別なことをする必要はなく、「規則正しい生活」と「自分が満足のいく睡眠時間を取ること」。これに尽きるのではないかと思います。
しっかりと眠ったつもりでいても、不規則な生活は徐々にダメージを蓄積していきます。また、それ以上に睡眠不足は色々な意味で自分の体力を削りますし、何より風邪をひいたり、体調を崩しやすくなります。高校生の忙しい生活を乗り切って学習と両立させていくためには、こうしたごく基本的な、当たり前のようでいてなかなか実行できていない事柄をしっかりできていることがとても大切になってきます。
これも、受験勉強だけでなく、大人になって仕事をしていく上でも大切になることですね。
「受験勉強なんて社会に出たら役に立たない」と思う前に、まずはこうした必要な力を自分が身に着けているかどうかを良く見つめ直してみると良いでしょう。
【終わりに】
新学期が始まるまであと数週間です。実際に新学期が始まるまでは何と言うことのない、ただの休みにしか思えないかもしれませんが、1学期中・2学期中・3学期中に「自分の思い通りになる数週間の時間」があったら…と考えると、とても貴重な時間だということが分かるのではないでしょうか。
「勉強法を見直してみよう」、「誰かに相談してみよう」、「新学期に向けてできることをしよう」と思えたなら、その気持ちを大切にして、それを実際に行動に移してみましょう。試しに動いた一歩から、全く違う世界につながるかもしれません。
何年か後の自分に「ほらな、あの時動いてよかっただろ?」と言えるような何かにつながると良いですね。