【小論文を少々】「多角的な視点」って簡単に言えば思いやりのことですね(^^♪
よく大学のアドミッションオフィスポリシーなどに「多角的な視点」をもっている人物を求めている旨が書かれていたりします。
そして「面接」で、「志望理由書」で、受験生が「自分がいかに多角的な視点をもっているか」をアピールしたとしても、面接官は「受験生が本当に多角的な視点をもっているかどうか」を判定することはなかなか難しいものです。
👤「私はいろいろな人の立場に立ってものごとを考えることができます!」
と受験生が述べても、真価を判定することができません。
そこで小論文で図ろうとするわけですね。
ではどうやって図るのか?
よくあるのは、二つの別の立場の資料を読ませて、あなたはどう思いますか?
のような型ですね。
昔、某大学の小論文試験で「待機児童」の問題が出たことがあります。
【A資料】:待機児童解消のために幼稚園を作りたいのに近隣の住人の中には騒音を懸念して、設立を反対している人がいる。けしからん(# ゚Д゚)
【B資料】:近年の働き方の動向。住民の自治会への参加率などのデータ
これらの資料を読ませて、あなたの考えを書きなさい、というテーマでした。
みなさんならどう書きますか??
ここで重要なのは、【A資料】の流れ「だけ」に乗ってはいけないということです。
考えなくてはいけないことは、「幼稚園反対運動の人が騒音を心配する【切実な】理由はないだろうか?」ということです。
そこでポイントになるのは、深夜働いている人、早朝の働いている人、いわゆるシャドウワーカーがいるということへの「思いやり」でしょう。
実は、私たちの生活は、シャドウワーカーのおかげで成り立っていることが多々あります。
夜中に突然履歴書が必要になった!配達をしてほしい!朝早くに新聞を読みたい!などなど、これらのわたしたちの需要を当たり前のように満たしてくれるのは、深夜のコンビニ店員、早朝の新聞配達員の方々がいるからです。
ですが、それらの仕事はなかなか日の目を当たらずに見過ごされがちです。だからシャドウワーカー(影の仕事)と呼ばれているわけです。
そしてその人たちは、「日中寝なければならない」という切実な理由があります。睡眠をしっかりとらなければ人は働けないし、心身ともに健康ではいられません。
つまり【A資料】「だけ」に乗って、「幼稚園設立を反対する人は、子供は宝なんだから、少子化だし、子育ての大切さわかってないんじゃないの?」みたいな論旨だけで書いてしまうと、「昼間寝なければいけない切実な理由を持つシャドウワーカーを軽視した人」に簡単に落ち込んでしまいます。
この大学は求めていることは、シャドウワーカーの存在を知っているかどうかという「知識」ではなく、「幼稚園設立を反対する人に切実な理由はないかどうか、あなたは想像して書くことができますか?」ということだろうと思います。
【つまり、いろいろな人々への思いやりや想像力を働かせて考えること】
これが「多角的な視点」ということです。いわれてみるとできそうな気がしませんか(^^♪
そしてこの大学の小論文を書く場合の正解の流れは、〈幼稚園を求める人も、幼稚園を反対する人も、それぞれの理由を踏まえたうえで、合意形成を図る場所を作っていくべきだ》という論旨ですね。
一度書いたもの、自分が考えてしまっているものを一度見直すのが小論文の面白さです。
そして実際の試験会場で、みなさんの短時間での思考を、面接官は看取ることができます。
きっとこの入試形式はなくならないだろうなぁと思います。
もし小論文のコツをなかなかつかめないなぁという人は私と勉強しましょう(^^♪
ご一読ありがとうございました★