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【現代文の基礎解法】どの参考書もしっかり来ない、はふつうのことです。

2025/10/25

仕事柄現代文の解法を説明した書籍や、動画などを見るのですが、

どうも「言い切るもの」が多くてすこし辟易してしまうなぁと思うことがあります。

高校生の時、一番わたしが困ったのが現代文でした。いまでこそ国語について人様に説明できるようになりましたが、学生時代は多くの書籍を読んだり、たくさんの予備校の先生の話を聞いたりして、それらの歯切れのよいセリフに、逆に違和感を覚えたものです。

本当にそれだけで解けるのかなぁとか、ほかの場合もあるんじゃないかなぁ、とか

私も高校生徒の時よく思っていました。

私は第一信条として、

文章には人それぞれの癖が詰まっていたり、論理の飛躍があったりして読みづらい、わからなくて当然だ、と思っています。

だから、逆に「これさえ押さえれば理解できる」みたいな言い方をされると、当時読書少年だった私は文章の面白さをそぎ落とされたような気がして腑に落ちなかった思い出があります。

これに対して、じゃあどうやって勉強するの? という問いが次に来ますし、そもそもじゃあ勉強する意味ないじゃん、という感覚に陥ることもままあるでしょう。

これに対していろいろな角度からお答えすることはできますが、

まずは、「すぐに答えを求めるのをやめましょう」「人文科学は功利的な学問ではないのだから、一対一の回答は存在しないですよ」とまずは言えます。

近年チャットGTPなどのAIで解答を求めることができる時代になりました。ですが彼らにできないことは何かというと、<思想>や<人間の感情>を教えることです。

芥川賞をとった綿矢りささんの『蹴りたい背中』という小説がありますが、主人公の女の子がすこしマニアックな趣味を持つ男の子の背中を蹴りたいと思う心情を説明しています。主人公はなぜかこの男の背中を蹴りたい、でもそれを簡単には説明できない。そしておそらく作家も、読者であるわたしたちもそれをお手軽に説明できる言葉をもっていない。「だけど、蹴りたい」。

この心情を説明できるでしょうか。ある程度はできるかもしれません。文脈で、さまざまな個所をひっぱってくれば説明したことにはなるかもしれない。でもそれは<唯一解>ではありません。

参考書では、「主人公の心情の~~な表現に注目せよ!」「逆説的な表現に注意!」など、さまざまなテクニックが紹介されています。

それらはどれも重要なものですが、それ「さえ」できれば読めることにはなりません。

今は小説的文章の話しかしていませんが、これは評論的文章でも言えます。ある程度の要約をして、論理関係を押さえたとしても、作者の本当に言いたいところを私たちがすべて代理表象することはできません。説明しなおすこと=要約することは、いいかえれば、他者の言葉をそぎ落とす暴力的なことですらあります。そのことを踏まえて、最後の構成の問題や表現の問題を解きたいものですね。

さいごに。

まずは、歯切れのよい、お手軽なテクニックを心のよりどころにするのはやめましょう、とだけお伝えしたいと思います。

スタートはそこからです。そのあとで、

①問題に答えるとはどういうことなのか

②論理的に読む基本解法とは何か

③表現の工夫をどうやって見つければよいか

④選択肢を吟味するとはどういうことか

などを着実に、丁寧に、ときには懐疑的に、理解していくことが大切だと思います。

共通テストまであと三か月弱。あせらず、自分の頭で一歩ずつ勉強していきましょう。

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