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教育を「効率」だけで語る脆さ:書道もエレクトーンも上達しなかった僕の結論

2026/2/7

改めまして、こんにちは。神奈川県で中学受験塾を経営しているヒロユキです。

僕は35歳でこの業界に飛び込んだ後発組です。世のエリート講師たちが歩んできたキラキラした王道とは無縁の人生を送ってきました。だからこそ、効率や合理性を追求する一方で、安易に「これは無駄だ」と切り捨てる姿勢には、人一倍慎重でありたいと考えています。

上達しなかった経験は「無駄」なのか

僕の個人的な話を少しさせてください。 僕は幼少期、書道を6年間続けました。しかし、結果は散々なものでした。結局、1級程度までしか上がらず、辞める時には自分の不甲斐なさに悲しくて泣いていた記憶があります。

また、エレクトーンも習っていましたが、こちらも全く上達しませんでした。音楽的な才能が皆無だったのでしょうね。

では、これらの経験は僕の人生において「役に立たなかった」のでしょうか。 今の僕の答えは「わからない」です。そして、その「わからない」という状態を、そのまま受け入れるようにしています。

「役に立たなかった」と定義するのは簡単です。しかし、書道に通ったことや、エレクトーンの前で苦悶した経験が、自分の意識していない深いところで、今の僕の感性や忍耐力に影響を与えている可能性を否定することはできません。

自分の人生の全ての要素について、役に立ったか否かを完璧に判断できると思うのは、いささか傲慢ではないでしょうか。

中学受験というゲームにおける「無駄」の正体

中学受験の勉強をしていると、多くの親御さんや受験生が「こんな特殊な計算、将来どこで使うの?」という疑問を抱きます。

つるかめ算、流水算、複雑な歴史の年号。確かに、これらが直接ビジネスの現場で役立つシーンは稀でしょう。しかし、それを「無駄だ」と断じる前に、少し立ち止まって考えてみてほしいのです。

教育とは、目に見える成果(上達や資格)だけを指すのではありません。 親や周りの大人が、子供のことを思って「これをやってみたらどうだ」と差し出してくれた機会。そこには、贈った側にすら言語化できない「何か良い効果」が潜んでいるものです。

中学受験というハードなゲームに挑む過程で、子供たちは制限時間内に点数を最大化するための論理的思考や、泥臭い反復練習を経験します。それが将来、全く別の形で花開くかもしれない。その可能性に対して、僕たちはもっと謙虚であるべきです。

謙虚な姿勢が人を育てる

誰かが自分のために勧めてくれたこと、用意してくれた環境。それに対して「自分には合わない」「役に立たない」と即座にジャッジを下すのではなく、まずはその環境で最善を尽くしてみる。

この謙虚な姿勢こそが、人を成長させる根幹にあるのだと僕は信じています。

僕自身、書道もエレクトーンも上達しませんでしたが、それを「無駄な時間だった」とは決して思いません。その場所へ通わせてくれた親の思いや、そこで過ごした時間そのものが、今の僕を形作る目に見えない土台になっているはずだからです。

効率的に点数を取るための最短ルートを提示するのが僕の仕事ですが、その勉強が将来どう役立つかについては、軽々しく「不要だ」などとは言わないようにしています。

教育の価値を全て理解したつもりにならず、常に謙虚であること。それが、後発組としてこの業界で生きる僕なりの、子供たちへの敬意でもあります。

さて、今日の僕の授業も、生徒たちにとっては「将来役に立つかわからないパズル」に見えているかもしれません。

それでも、彼らが必死にペンを動かしている姿を見ると、その「無駄」に見える努力こそが、彼らの血肉になっていくのだと確信しています。

親御さんも、あまり焦って「意味」を求めすぎないでください。まずは、今目の前にある課題をクリアすること。その積み重ねの先に、思いもよらない形で「役立つ瞬間」がやってくるのですから。

それでは、また。 合格という名の「解答」は、常に謙虚な努力の先に用意されているものですよ。

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