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「笑われる質問」なんて、この世に存在しない

2026/6/3

保護者の方から、こんなことを言われたことがある。

「先生に聞くのって、なんか怖くて」

怖い。家庭教師や塾講師に質問するのが、怖い。

その気持ち、僕には痛いほど分かる。というより、僕自身がずっとそちら側の人間だったからだ。

勉強が分からない。でも聞いたら馬鹿にされそう。こんな基本的なことを質問したら呆れられる。そういう萎縮した感覚を、僕は子どもの頃から大人になってもずっと持ち続けていた。

だから言わせてほしい。少なくとも僕に対しては、「笑われる質問」というものは存在しない。これは建前ではなく、構造的な話だ。

僕という人間の実態

少し自分の話をする。

小学校時代、宿題をやっていった記憶がほぼない。親からテストの点数について何か言われた記憶もない。両親はともに高卒で、子どもに勉強させようという発想がそもそもなかった。習い事はことごとく駄目だった。エレクトーンを習っていたが、6年間通って一級も上がれなかった。書道は、先生が泣いていた。今でもたまに思い出して、申し訳ない気持ちになる。

中学・高校は野球に明け暮れ、まともに勉強しなかった。進学した高校は、人前で自慢できるような学校ではない。大学受験も失敗している。

では、勉強をし始めたのはいつか。社会人になって、必要に迫られてからだ。

その時点で僕には、勉強の仕方そのものが分からなかった。だから勉強方法を勉強するところから始めた。天才や偉人と呼ばれる人の本を読み漁り、成功する学習法を探し続けた。

そして塾講師になろうとしたとき、採用試験で100点中5点しか取れなかった。面接官——たしか社長だったと思う——の、あの呆れ果てた顔を今でも覚えている。

これが、偉そうにブログを書いている「ヒロユキ」の原点だ。

「できない経歴」が最強の武器になる理由

逆説的なことを言う。

僕は、自分が関わっている中学受験の指導者の中で、おそらく最も偏差値が低く、IQも低く、勉強に向いていない性格と生い立ちを持った人間だと思っている。

そして、それこそが僕の強みだと確信している。

生まれつき、あるいは幼少期から勉強ができた人間には、永遠に分からないことがある。「できない状態」の内側がどうなっているか、だ。

できる人間はできない人間を見て、「なぜこれが分からないのか分からない」という状態に陥る。善意で教えようとしても、躓きのポイントが見えない。見えないから、的外れな説明をする。

僕は違う。どこで止まるか、何が怖いか、何が恥ずかしくて聞けないか、全部分かる。自分がそこを通ってきているからだ。

塾講師になってから、算数を克服するのに苦心惨憺した。非効率な勉強も山ほどした。分からない問題を生徒に聞いたこともある。生徒の解き方に「それは上手い」と思ったら、メモを取って自分の教え方に取り込んだ。今もそれをやっている。子どもが生み出した解き方は、他の場面にも転用できる汎用性を持っていることが多い。

教える側が学び続けることを恥だと思っていない、ということだ。

勉強法を「外側から習得した人間」にしか言語化できないこと

生まれつき勉強ができる人間と、ゼロから習得した人間の間には、決定的な差がひとつある。

プロセスを言語化できるかどうか、だ。

できる人間は、「なぜ自分ができるのか」を説明できないことが多い。できることが当たり前すぎて、そこに言語化すべき過程が存在しないからだ。「なんとなくそう解く」「見たら分かる」という感覚で動いている。

一方、苦労して習得した人間は、習得のプロセスを一段一段踏んでいる。どこで詰まったか、何をどう変えたら突破できたか、その記憶が残っている。だから言語化できる。言語化できるから、同じ状態にいる子どもに届く言葉で説明できる。

僕がやっていることは、自分が「できない状態」から「できる状態」へ移行したときの道筋を、生徒の状況に合わせて再現することだ。天才が「俺の背中を見て覚えろ」と言うのとは、根本的に構造が違う。

だから、繰り返す。

保護者の方、生徒の方、どんな質問でも持ってきてほしい。「こんなこと聞いたら笑われる」と思っている質問こそ、持ってきてほしい。その質問の種類と温度感が、僕には一番よく分かる。

「うちの子、なぜかここで毎回つまずくんですが」 「算数の文章題が全部同じに見えると言っていて」 「正直、親の僕も解けなくて」

全部、来い。

講師として整った経歴を持つ人間ではなく、ボロボロの経歴から這い上がってきた人間に相談したい方は、マナリンクのプロフィールページから声をかけてほしい。個別に状況を聞いて、その子専用の道筋を一緒に考える。

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