オンライン家庭教師マナリンク

作文の文字数が足りない|伸ばすな、3個書いて1個捨てろ

2026/7/18

作文の文字数が足りないという相談を受けるたびに、僕は同じことを言います。伸ばそうとしているから足りないんです、と。

三百六十字以上四百字以内。この手の指定に対して、子どもは書きたいことを一つ思いついて、書き始めて、二百五十字あたりで止まる。そこから絞り出すように、無理やり百字を足す。この足された百字が、答案を壊します。

「一つ以上書きましょう」は、二つか三つ用意しろの合図

先日の授業でのことです。設問にはこうありました。

「日本の自然が持つ特色を一つ以上、具体的に書きましょう」

生徒は、一つ書きました。素直で、正しい読み方です。そして案の定、字数が足りなくなり、後半で内容を無理に膨らませました。

一つ以上、というのは、最低ラインの提示であって、推奨量ではありません。ここを読み違えると、毎回、字数の帳尻合わせに追われることになります。

だから僕はこう指導しています。一つ以上と書いてあったら、二つか三つ用意して書き始めなさい、と。

そして、二つ書き終えた時点で残りマス目が少なければ、三つ目を書かなければいい。それだけです。

削るのは簡単、伸ばすのは地獄

ここが本質です。

書きたいことが三つあって、そのうち一つを書かない。これは簡単です。何も苦しくない。ただ書かないだけですから。

一方、書きたいことがもう何もない状態から百字を伸ばす。これは地獄です。頭の中に材料がないのに、口だけ動かせと言われているようなものです。

だから子どもは、同じことを言い換えて水増ししたり、関係のない話を接ぎ木したりする。そして、文章がねじれる。

無理に伸ばした百字が、答案を壊す

実際に起きたことを書きます。

その生徒は、虫の鳴き声がうるさいから静かにしてほしい、という主張を書いていました。ここまでは筋が通っています。ところが、字数を稼ぐために、こう足しました。

「一人暮らしの人は寂しくならないし」

静かにしろ、と言っておきながら、鳴き声にはプラスの効果もある、と足してしまった。しかも、それを「それに」でつないでいる。「それに」は、同じ方向の話を重ねるときの接続語です。マイナスの主張にプラスの話を「それに」で足したら、読み手は何が言いたいのかわからなくなります。

意見が間違っているのではありません。筋が通っていない。それだけで減点されます。

そして、この事故はほぼ百パーセント、字数を伸ばそうとした場所で起きます。伸ばすという行為そのものが、答案の最大のリスク要因なんです。

作文の文字数が足りない子に、明日から渡す手順

やることは三つです。

  • 設問に「一つ以上」とあったら、書き始める前に候補を三つメモする

  • 一つ目、二つ目を書く

  • 残りのマス目を見て、三つ目を書くか捨てるかを決める

書き始める前のメモに、三十秒使ってください。この三十秒が、後半の十分を救います。

僕は昔、書くことが何も思い浮かばないまま原稿用紙の前に座って、時間だけが過ぎていく子どもでした。あのとき誰かが「先に三つ書き出せ」と教えてくれていたら、あの時間は全部いらなかった。才能の話ではなかったんです。順番の話でした。

明日、親がすべきこと

作文の練習をするとき、時間を計ってください。四百字なら十八分。キッチンタイマーで十分です。

そして、内容には触れないでください。触れるのは一点だけ。

「書き始める前に、三つメモした?」

メモしていなければ、その答案は読まなくていい。もう一度、メモから書かせる。冷たいようですが、これが一番早い。内容の添削は、この習慣がついてからで間に合います。

なお、そもそも設問が何を聞いているのかを捉え損ねている場合は、字数以前の問題です。「公立中高一貫の作文の書き方」で書いた設問分解の手順を、先にお読みください。

時間を計った実戦形式で、書き始める前の設計から一緒に組み立てたい方は、こちらから僕に相談できます。

このブログを書いた先生

このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら

おすすめの指導コース

その他の科目月額コース
「国立二次・慶應etc.」小論文徹底添削・徹底解説コース
無料体験あり
「国立二次・慶應etc.」小論文徹底添削・徹底解説コース
20,000/月
1回60(月4回(週1回目安))
高校3年生、浪人生、社会人
  • 国公立二次試験や私大で小論文を使う方
  • 小論文の添削をしてほしい方
  • 小論文の基礎から書き方を学び、受験に間に合わせたい方
コースの詳細を見る
総合型・学校推薦型対策単発/短期コース
元面接官が教える!合格を引き寄せる5回集中コース
無料体験あり
元面接官が教える!合格を引き寄せる5回集中コース
30,000
60(全5回)
高校1〜3年生、浪人生
  • 総合型選抜の利用を考えている受験生
  • 小論文ってどういうふうに書けばいいのかわからない受験生
  • そもそも総合型選抜をどうやって対策すればいいのかわかっていない受験生
コースの詳細を見る
その他の科目単発/短期コース
話すようスラスラ書ける構文特訓【小論文】【全10回】
タイプ別
無料体験あり
話すようスラスラ書ける構文特訓【小論文】【全10回】
60,000
60(全10回)
高校1〜3年生
  • 3行書いたらもう何も思いつかない
  • そもそも自分の意見が見つからない
  • 何をどう勉強していいかさっぱり
コースの詳細を見る
総合型・学校推薦型対策単発/短期コース
小論文・志望理由書|個人の「違和感」を「論理」へ編み直す講座
タイプ別
無料体験あり
小論文・志望理由書|個人の「違和感」を「論理」へ編み直す講座
30,000
60(全4回)
高校1〜3年生、浪人生
  • 国公立・難関私大の推薦や二次試験、総合型選抜で小論文が必要な生徒様
  • 自分の考えはあるけれど、それをどう「論理的な文章」にすればいいか悩んでいる生徒様
  • 資料や数字の奥にある「人の営み」を多角的に読んで表現する力を身につけたい生徒様
コースの詳細を見る
総合型・学校推薦型対策単発/短期コース
総合型選抜の志望理由書を“対話”で言語化|1ヶ月集中添削対策
タイプ別
無料体験あり
総合型選抜の志望理由書を“対話”で言語化|1ヶ月集中添削対策
12,000
45(全3回)
高校3年生、浪人生
  • 総合型選抜・推薦入試に向けて短期間で仕上げたい
  • 志望理由書に何を書けばいいかわからない
  • やりたいことはあるが、文章にするとまとまらない
コースの詳細を見る

この先生の他のブログ

ヒロユキの写真

中学受験で宿題をやらない子の「一応やった」の正体

2026/7/18
中学受験で宿題をやらない子は、宿題をやっていないとは言いません。「一応やった」と言います。この一語が出た時点で、その日の学習はほぼ成立していないと考えて、まず間違いありません。僕は毎週、いろんな家庭の子と画面越しに向き合っています。そこで何百回と聞いてきた言葉が、これです。一応。とりあえず。だいたい...
続きを読む
ヒロユキの写真

中学受験の算数で点数が安定しない理由|解き方がバラバラだから

2026/7/18
中学受験の算数で点数が安定しない。偏差値が55と45を行ったり来たりする。この相談を受けたとき、僕はまず、お子さんの実力を疑いません。疑うのは、解き方に型があるかどうかです。同じ単元、同じレベルの問題で、取れる日と取れない日がある。これは実力の波ではありません。毎回ちがうやり方で解いているから、毎回...
続きを読む
ヒロユキの写真

国語の選択肢の選び方|迷ったら言い過ぎと書いてないを疑う

2026/7/18
国語の選択肢の選び方で迷うお子さんは、消去法を「感覚」でやっています。なんとなく違う気がする、なんとなく合っている気がする。この状態のまま六年生になると、記述は書けるのに選択肢だけ落とす、という不思議な成績表ができあがります。コツは二つだけです。言い過ぎと、書いてない。この二つを疑う。それだけで正答...
続きを読む
ヒロユキの写真

公立中高一貫の作文の書き方|落ちる子は聞かれたことに答えない

2026/7/18
公立中高一貫の作文の書き方でつまずいている子の答案を読むと、原因は文章力ではないことがほとんどです。設問が聞いていることに、最後まで答えていない。ただそれだけで落ちています。僕は昔、勉強が得意な子どもではありませんでした。国語の作文で「言いたいことはわかるけど、答えになっていない」と赤を入れられる側...
続きを読む