公立中高一貫の作文の書き方|落ちる子は聞かれたことに答えない
公立中高一貫の作文の書き方でつまずいている子の答案を読むと、原因は文章力ではないことがほとんどです。設問が聞いていることに、最後まで答えていない。ただそれだけで落ちています。
僕は昔、勉強が得意な子どもではありませんでした。国語の作文で「言いたいことはわかるけど、答えになっていない」と赤を入れられる側にいた人間です。だからこそ断言できますが、これはセンスの問題ではありません。手順を知らないだけです。
適性検査の作文は、たいてい二つ以上のことを聞いている
先日の授業で、ある生徒がこういう問題に取り組んでいました。
「日本の自然にはどのような特色があると考えますか。また、日本の自然についてのあなたの考えを書きましょう」
彼が書いた最後の段落は、こうでした。
「以上のことから、日本の自然には動物たちが大合唱するという特色があります」
見事に、半分しか答えていません。設問は特色と考えの二つを要求しているのに、まとめで回収されたのは特色だけです。本文の途中には「考え」らしきものが書いてあります。書いてはあるんです。ただ、最後に並べて示していないから、採点者からは答えていないように見える。
適性検査の作文は、書き手の思考の深さを測る場所ではありません。指示に従えるかどうかを測る場所です。ここを勘違いしている家庭が、毎年、実に良質な養分になっています。
公立中高一貫の作文の書き方は、最後の段落から作る
では、どうするか。
書き始める前に、設問文を分解して、答案の最後の段落を先に作ってしまいます。
設問が「AとBを書きなさい」なら、最後の段落はこうなります。
以上のことから、日本の自然には(A)という特色があり、(B)という課題に対して(Bの考え)と私は考えます。
この一文を、原稿用紙の余白か頭の中に、先に置いておく。あとは、この空欄を埋めるために本文を書くだけです。作文が苦手な子ほど、書き出しから書こうとして、途中で自分がどこへ向かっているのかを見失います。ゴールを先に打っておけば、迷いようがありません。
やることは単純です。
設問文に線を引き、答えるべきものを数える
その数だけ、最後の段落に空欄を用意する
空欄を埋める方向にだけ、本文を書く
書けない子は、書く力がないのではなく、どこに向かって書けばいいのかを教わっていないだけです。
話が変わるところでは、変わると宣言する
もう一つ、その日の授業で直させたのがこれです。
彼の文章は、日本の自然の特色を書いたあと、なんの前触れもなく問題点の話に切り替わっていました。読んでいる側は、三行くらい読み進めてから、ようやく「ああ、いま課題の話に入ったのか」と気づく。これは気持ちが悪い。
だから、こう入れさせました。
「次に、日本の自然の課題は」
たったこれだけです。この一言を置くだけで、採点者は迷わずに読めます。
自分の文章が読み手にどう見えるかを想像できない子は、頭が悪いのではありません。読まれる経験が足りないだけです。だから、宣言する型を渡してしまえばいい。次に、まず、以上のことから。この三つの接続表現を配置するだけで、答案は別物になります。
明日、親がすべきこと
お子さんの作文を一枚持ってきて、赤ペンで内容を直すのはやめてください。感想文の添削は塾の仕事であって、家庭でやると親子関係だけが摩耗します。
代わりに、こう聞いてください。
「この問題、いくつ答えなさいって書いてある?」
そして、最後の段落を指さして、こう聞く。
「その数、ここに全部入ってる?」
それだけです。内容には一切触れない。数を数えるだけ。この二問を毎回やるだけで、答案の得点は変わります。表現力を鍛えるより、はるかに費用対効果がいい。残念ながら、多くの家庭は逆をやっています。
なお、作文が最後まで書き切れない、字数が足りないという別種の悩みをお持ちなら、それは書く力ではなく設計の問題です。そちらは「作文の文字数が足りない」というテーマで別に書いていますので、あわせてどうぞ。
設問の分解から答案の型づくりまで、お子さん個別の答案を見ながら組み立てたい方は、こちらから僕に相談できます。
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