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中学受験 国語 読み方|味わわずに読む〈算数屋の国語⑦〉

2026/8/22

中学受験の国語で、文章をじっくり丁寧に読ませていませんか。一文一文を味わい、心情を想像し、筆者の意図を汲み取る。学びとしては尊いのですが、入試で点を取る方法としては効率が悪い。僕が教えているのは、大雑把に読む技術です。

僕は算数を専門とする講師です。国語も指導していますが、文章を味わうことは目的にしていません。

読むのは大雑把に、解くのは精密に

僕の国語の指導は、二段階に分かれています。

第一段階は、文章全体をざっくり把握すること。どこに何が書いてあるか、筆者の主張はどちらの方向を向いているか、登場人物の関係はどうなっているか。地図を作る作業です。細部には立ち入りません。

第二段階は、設問に関係する箇所だけを精密に分析すること。傍線部の前後、根拠になりそうな段落。ここだけは一語一語見ます。

つまり、精読する範囲を絞っています。全文を等しく丁寧に読む子は、時間が足りなくなり、しかも設問に関係ない部分に労力を使っています。

なぜ細かく読ませないのか

理由があります。細部から入ると、大局が見えなくなるからです。

一文ずつ丁寧に理解しようとすると、読み終わったときに全体の構造が頭に残っていません。木を一本ずつ見て、森の形を忘れる状態です。そして設問の多くは、森の形を問うています。

順序が逆なのです。まず全体をつかむ。それができて初めて、細部がどこに位置づくかが分かる。大雑把な把握が先にあるからこそ、精密な分析が意味を持ちます。

これは算数でも同じです。問題文を読んだらまず全体の構造を把握し、それから条件を一つずつ処理する。いきなり細部の計算に入る子は、途中で何を求めていたか見失います。

解ける問題と、解けない問題を分ける

設問への向き合い方も、算数と同じ発想です。

まず、確実に正解を出せる問題と、出せない問題を仕分けます。根拠が本文のどこにあるか見当がつく問題は、確実に取れる側。何を聞かれているのか掴めない問題は、取れない側です。

そして、取れる側は100パーセント取り切るまで磨きます。ここを落とすのが最も痛い失点だからです。

取れない側は、二択まで絞れれば十分と考えます。正答率50パーセントです。ゼロか100かではなく、期待値で考える。四択のまま当てずっぽうなら25パーセント、二択に絞れば50パーセント。この差が、積み重なって合否を分けます。

全問を確実に解こうとするから、時間が足りなくなり、確実に取れたはずの問題まで落とします。

記述は、システムとして処理する

記述問題も同じ考え方です。満点を狙わず、部分点を確実に積みます。

手順は三つです。まず、本文から記述に使えそうな部分を大雑把に見つける。この時点では正確さより、材料を集めることを優先します。次に、その中から適切な言葉や文を選び直す。ここは精密にやります。最後に、接続語を使って論理的につなぐ。

大雑把に集めて、精密に選び、論理的につなぐ。この順序を守れば、完璧な答案でなくても点数はもらえます。記述の採点は、要素が入っているかと、論理が通っているかで行われるからです。

センスで書こうとするから、白紙になります。手順で書けば、必ず何かは書けます。

指導も、大雑把にする

そして僕は、指導そのものも意図的に大雑把にしています。

細部まで教え込むと、子どもは大局を見失います。この設問はこう、あの表現はこう、と個別の対応を積み上げるほど、頭の中が細かい規則でいっぱいになる。本番で応用が利きません。

だから伝えるのは、大きな原則だけです。全体をつかんでから細部に入る。取れる問題を確実に取る。記述は手順で書く。この三つが回れば、細かい判断は本人ができるようになります。

明日から親がすべき、非情な決断

丁寧に読みなさい、と言うのをやめてください。かわりに、この文章は何の話だったか一言で言ってみて、と聞いてください。

一言で言えないなら、丁寧に読んでも意味がありません。全体をつかめていない証拠だからです。逆に一言で言えるなら、細部は設問に応じて戻って確認すればいい。

読解力とは、精読する力ではなく、どこを精読すべきか判断する力です。

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全体をつかんでから細部に入るという読み方は、算数の問題文の扱いとまったく同じです。詳しくは、マナリンクのプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」というコースをご覧ください。無料相談からお気軽にどうぞ。

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