算数 ケアレスミスが減らない|原因を3つに分ける〈算数の設計図⑥〉
計算ミスをなくしなさい、と何度言っても減らない。その原因は、ミスを一つの括りとして扱っていることにあります。失点には型があり、型ごとに打ち手が違います。今回は、失点を3つに分類する方法を書きます。
このシリーズでは、算数をひらめきに任せません。経営工学を学んだ講師が、解法を設計の問題として扱ったらどうなるか。その記録です。
ケアレスミスという言葉が、原因を隠します
まず、ケアレスミスという言葉を使うのをやめてください。
この言葉には、注意すれば防げるという含意があります。ですが、注意力で解決する失点はごく一部です。多くは、注意ではなく手順の問題です。
注意しなさいと言われた子は、次の試験で注意します。そして同じミスをします。そして自分は不注意な人間だと思い込む。何も解決していません。
失点は3つに分かれます
僕が生徒にやらせているのは、間違えた問題の横に3つのうちどれかを書くことです。
1つ目、知識の穴。解法を知らなかった、公式を覚えていなかった、単元自体が未習だった。これは学力の問題です。
2つ目、処理速度。時間が足りずに手をつけられなかった、焦って計算を飛ばした、見直す時間がなかった。これは速さの問題です。
3つ目、読み違い。設問の条件を読み飛ばした、求めるものを取り違えた、単位を間違えた。これは手順の問題です。
この3つは、まったく別の対策が必要です。
知識の穴なら、その単元をやり直す
1つ目は分かりやすい。解けなかった単元を集中的に演習します。
ただし、全部の穴を同時に埋めようとしないでください。1つの単元を1週間続けた子は、7つの単元を1日ずつやった子に必ず勝ちます。分類した結果、最も多い単元から手をつけます。
処理速度なら、時間を計る
2つ目は、演習量ではなく訓練方法の問題です。
計算と一行題を毎日10問、時間を測って解く。目標は1問1分未満です。ここが速くなると、後半の問題に使える時間が増え、結果として難問での失点も減ります。
時間を計らずに解いている限り、速度は上がりません。負荷をかけた分だけ伸びる能力だからです。
読み違いなら、手順を作る
3つ目が最も改善しやすく、そして最も放置されています。
対策は精神論ではなく、作業です。設問の最後の一文、何を求めるのかに線を引く。単位を必ず書く。答えを出したら、求めたものと設問が一致しているか確認する。
この3つを作業として組み込めば、読み違いの多くは消えます。緊張していても、手が勝手に動くようになるまで反復します。
分類すると、次にやることが決まります
3つに分けることの本当の価値は、優先順位が見えることです。
直近のテストで、3つのうちどれが最も多かったか。それが今週やるべきことです。知識の穴が多いなら演習、処理速度が多いなら計算訓練、読み違いが多いなら手順の徹底。
ミスという一つの括りで見ている限り、この判断はできません。だから毎回、同じ対策を繰り返すことになります。
明日から親がすべき、非情な決断
お子さんに、注意しなさいと言うのをやめてください。
かわりに、テストの答案を一緒に見て、間違えた問題の横に3つのどれかを書かせてください。知識、速度、読み違い。それだけで構いません。
自分の失点に型があると分かった子は、対策が立てられるようになります。不注意な自分を責める子から、原因を分析する子に変わります。
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