渋渋の帰国生入試 算数|満点を狙ってはいけない
渋渋の帰国生入試で、算数を完璧に仕上げようとしていませんか。過去問を分析した立場から申し上げると、その努力は方向を間違えています。渋渋の算数は、満点を狙う科目ではありません。落ちない点数を確保する科目です。
僕はena・四谷大塚・日能研で最上位クラスを担当してきた中学受験算数の講師です。海外在住のご家庭をオンラインで指導しています。
算数は「不合格ラインを超える」科目
渋渋の帰国生入試において、算数で求められているのは高得点ではありません。2割から3割を確保して、足切りに引っかからないこと。ここを超えれば、算数の役割は終わります。
では合否はどこで決まるのか。英語です。算数で不合格ラインを回避した受験生の中から、英語の得点で選抜されていく。これが渋渋の帰国生入試の構造です。
この構造を知らないまま、算数の難問対策に何ヶ月も費やすご家庭があります。丁寧で、真面目で、そして戦略的には誤りです。時間は有限で、英語に振り分けたほうが合格可能性は上がるからです。では、その2割から3割をどこで取るか
ここが本題です。低いラインだからといって、何もしなくていいわけではありません。むしろ確実に取る設計が要ります。
結論から言えば、計算問題です。渋渋の算数には難しめの一行問題が並びますが、その中で計算問題は最も再現性が高く、練習量が点数に直結します。ここを落とすと、途端に足切りが現実味を帯びます。
逆に言えば、計算を確実に取り切れば、残りは部分点を拾うだけで2割から3割には届きます。難問を1問解くより、計算を全問正解するほうがはるかに簡単で、確実です。
円周角を知らないまま受けないでください
もうひとつ、渋渋を受けるなら必ず押さえておくべき単元があります。円周角です。
日本の小学校のカリキュラムには含まれません。中学数学の範囲だからです。ところが帰国生入試では出題されます。現地校やインターで数学を学んできた受験生を想定しているためで、海外にいるご家庭にとってはむしろ有利に働く分野とも言えます。
裏を返せば、日本の受験算数の教材だけで準備してきた子は、この問題を初見で落とします。渋渋を志望校に入れているなら、円周角は事前に一通りやっておいてください。ここは知っているか知らないかだけの差で、対策コストも低い。限られた時間をどう配分するか
整理します。渋渋の帰国生入試で算数に割くべき時間は、多くのご家庭が考えているよりずっと少なくて構いません。
やることは三つです。計算問題を毎日、時間を測って確実に取り切る訓練。円周角を含む頻出単元を一通り押さえる。そして難問は捨てる判断を本番で下せるようにしておく。
これ以上を算数に投資するくらいなら、英語に回してください。算数で満点を取っても合格に直結しませんが、英語の1点は直接合否を動かします。
明日から親がすべき、非情な決断
算数の難問集を閉じてください。
お子さんが難問に取り組む姿は、頑張っているように見えます。安心もします。しかし渋渋の入試において、その時間の投資対効果は低い。計算の反復という地味な作業と、英語の強化。この二つに時間を寄せたご家庭が合格していきます。
受験は、頑張った量ではなく、正しい場所に頑張りを置けたかで決まります。
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