ニュートン算 教え方|難しくないと断言します〈算数の設計図⑩〉
ニュートン算は難しい。そう言われることが多い単元です。ですが正直に書きます。難しくありません。パターンも大して多くない。難しいと言う先生は、嘘つきだと思っています。
このシリーズでは、算数をひらめきに任せません。経営工学を学んだ講師が、解法を設計の問題として扱ったらどうなるか。その記録です。
仕事算との違いは、一言で言えます
まず、仕事算とニュートン算の区別からです。ここが曖昧な子が多い。
仕事算は、入れるだけ、あるいは出すだけ。動きが一方向です。
ニュートン算は、入れながら出す。両方が同時に起きています。
これだけです。牛が草を食べる問題でも、行列に人が並びながら窓口で処理される問題でも、水そうに水を入れながら排水する問題でも、構造は同じ。増える動きと減る動きが同時に走っているなら、それはニュートン算です。
解き方は、一つに絞って極める
ニュートン算には複数の解法があります。逆比を使う方法、式を立てる方法、面積図で処理する方法。
どれでも構いません。大事なのは、一つを選んで極めることです。
複数のやり方を中途半端に知っている子は、本番でどれを使うか迷います。迷う時間は、そのまま失点です。一つの方法で確実に処理できるほうが、はるかに強い。
もちろん、その一つでは対応しきれない問題も出てきます。ですが、それは主力が固まってから足せばいい。最初から手を広げると、どれも身につきません。
イメージできない子には、システムとして教える
ニュートン算でつまずく最大の原因は、状況が想像できないことです。
水を入れながら同時に抜く。子どもにとって、これは日常の感覚から遠い。頭の中で像が結べないまま式を立てようとするから、手が止まります。
そういうときは、理解を待ちません。ここは引く、ここは足す、と作業として教えてしまいます。
乱暴に聞こえるかもしれません。ですが、解けるようになってから概念を説明したほうが、圧倒的に入ります。逆の順序でやると、理解できないまま公式だけが残り、少し形が変わると崩れる。
まず手が動くようにする。理屈はその後です。
「いつなくなるか」は、追いかけ算です
ニュートン算でよく問われるのが、あと何分で行列がなくなるか、水がなくなるか、という設問です。
実はこれ、追いかけ算と同じ構造です。増える速さと減る速さの差で、差が縮まっていく。旅人算の追いかけ算をしっかり理解している子なら、ここは追いかけ算だよ、と言うだけで通じます。
まだ理解していない子には、説明しません。ここは引くんだよ、と手順として渡します。同じことを、相手の状態に合わせて言い方を変えるだけです。
簡単な問題から、順に
導入の順序も決まっています。まず、数字が小さく、動きが単純な問題から入ります。
いきなり入試レベルの問題を見せると、状況の複雑さに飲まれます。簡単な設定で手順を固めてから、条件を足していく。この順序を守れば、ニュートン算は素直に身につきます。
パターンが少ないというのは、そういう意味です。土台の型は一つで、あとは設定が変わるだけ。だから恐れる必要はありません。
明日から親がすべき、非情な決断
ニュートン算は難しいから後回し、という判断をやめてください。
難しいのではなく、イメージしにくいだけです。そしてイメージは、解けるようになった後からついてきます。順序を逆にしなければ、この単元は素直です。
信じて、一つの解法から始めてみてください。
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