「小4だからまだ早い」の罠、偏差値60への遠回り
小4だからまだ早い。塾の面談でそう言われて、なんとなく安心してしまった経験はありませんか。僕はこの言葉を聞くたびに、少し複雑な気持ちになります。
もちろん、小4の生徒に中学生や高校生と同じ抽象度を要求するつもりはありません。集中力が15分程度しか続かないことも、体感として理解しています。ただ、集中力が短いから難しい問題は解かせない、小4だからまだ早い、という判断は、実は似て非なる二つの問題を一緒くたにしています。集中力の問題と、教材の難易度の問題です。ここを混同したまま指導方針を決めている塾や講師が、驚くほど多いというのが実情です。
「小4用の教え方」が偏差値60の壁を作る
予習シリーズであれ新演習であれ、小4のカリキュラムは意図的にやさしく作られています。それ自体は正しい設計です。問題は、教える側がそのやさしさに合わせて「解き方」まで幼稚にしてしまうことです。
例えば、つるかめ算を小4で扱うとき、面積図も式変形も使わず、一つひとつ数えて確かめるような教え方だけで済ませてしまう。場合の数を、樹形図をひたすら描かせるだけで終わらせてしまう。こうした「小4専用の解き方」は、その場ではよく分かった気にさせてくれますが、小5で同じ単元がより複雑な形で戻ってきたときに、まったく役に立ちません。面積図の考え方も式変形も、一から教え直しになるからです。
これが小4と小5の間に起きる「断絶」の正体です。小4のときにできていたはずのことが、小5になった瞬間に通用しなくなる。保護者からすれば、うちの子は急にできなくなったように見えますが、実際にはできるようになったことがなかった、というのが真相であるケースが少なくありません。
偏差値40台から抜け出せない子の共通点
日能研でも四谷大塚でも、育成テストや週テストの点数が伸び悩む生徒を見ていくと、一つの共通点に行き着きます。単元ごとの解き方を、その単元専用の作業手順として覚えているだけで、上位学年で使う本質的な道具(例えば比や割合という考え方そのもの)に接続されていないのです。
小4のうちは、それでも計算処理量が少ないので何とかなります。しかし小5後期、比と割合が算数のあらゆる単元に顔を出すようになった瞬間、単元別の暗記では対応できなくなります。マンスリーテストや組分けテストで急に偏差値が10近く落ちる、というのはこのタイミングでよく起きる現象です。
ヒロユキ流・小4の基礎とは「簡単にすること」ではない
僕が小4の生徒に教えるとき、扱う問題そのものを簡単にすることはしません。難しい問題を、小4の子でも辿れる道筋に分解して渡す、というやり方をとります。
具体的には、つるかめ算であれば最初から面積図の考え方を使います。ただし面積図という言葉や記号の意味を丁寧に噛み砕き、必要なら10回でも20回でも同じ型の問題を繰り返させます。小4の段階で難しい言葉や抽象的な操作をゼロにするのではなく、繰り返しによって「小5で使う道具」を先に小4の手に馴染ませておく。これが僕の考える小4の基礎固めです。
雰囲気作りは別の話です。授業を楽しくすることや、飽きてきたら少し話を変えて気分転換を挟むことは、僕もやります。ただしそれは指導の「入れ物」の話であって、「中身」を変える理由にはなりません。楽しい雰囲気の中で、小5・小6でそのまま使える解法を仕込む。この二つは両立します。
今からできる、非情な決断
もしお子さんが通っている塾やご家庭での指導が、「小4だからこのくらいで」という基準で難易度を決めているなら、一度立ち止まって確認してほしいことがあります。今解いている問題の解き方は、小5・小6でそのまま使える道具なのか、それとも小4のこの単元でしか通用しない、その場しのぎの作業手順なのか。
後者であれば、早めに軌道修正したほうがいいというのが僕の考えです。小4のうちに背伸びをさせる必要はありませんが、正しい道具を渡さないまま学年だけを上げてしまうと、小5で断絶が起き、結局その単元を一からやり直すことになります。それは、小4で使った時間の多くが無駄になるということでもあります。子どもに優しくすることと、子どもの時間を守ることは、時に矛盾するのだと、僕は思っています。
僕がマナリンクで担当している【予習シリーズ5年算数】割合・比・速さを先取り攻略のコースでは、小4のうちから比の考え方を「作業」ではなく「道具」として使えるように設計しています。小5に上がってから慌てて詰め込むより、断絶が起きる前に手を打っておくほうが、結果的に親子ともに消耗しません。無料相談も受け付けていますので、今の教え方に少しでも違和感があれば、一度状況を聞かせてください。
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