小4算数「楽しく」の中身は本格派
小4の算数は楽しく学ばせたい。その一方で、このまま楽しいだけで終わって将来困らないだろうか。この二つの間で揺れている保護者の方に、よくお会いします。結論から言うと、僕はこの二つを両立できると考えていますし、両立させない指導のほうが問題だと思っています。
「楽しく」と「本格的」を対立させてしまうのは、指導する側の怠慢だというのが僕の見方です。楽しい雰囲気を作ることと、扱う中身の難易度・質を落とすことは、本来まったく別の話だからです。
「楽しい」を言い訳にした指導の落とし穴
予習シリーズにも新演習にも、小4のカリキュラムには、ゲーム感覚で取り組める工夫があちこちに用意されています。これ自体はとても優れた設計です。問題は、指導する側がその「楽しさ」に甘えて、扱う解き方の水準まで下げてしまうケースです。
つるかめ算を絵や図をなぞるだけの作業にしてしまう、場合の数を単純に数え上げるだけのゲームにしてしまう。子どもは笑顔で取り組みますし、保護者も「楽しく勉強できている」と安心します。ところがこの状態のまま小5に上がると、面積図や比といった、より抽象度の高い道具を初めて使うことになり、そこで急に「つまらない」「難しい」と感じてしまう。楽しかった小4と、急に苦しくなる小5という落差が生まれるのです。
これは、小4の間の指導が「楽しませること」だけをゴールにしてしまい、「本格的な道具を仕込むこと」を後回しにした結果だと、僕は考えています。
日能研・サピックスの上位クラスで起きていること
日能研でも四谷大塚でも、上位クラスに定着している小4の生徒を見ていくと、決して勉強を我慢してやらされているわけではありません。むしろ楽しそうに授業を受けています。ただし、その楽しさの中身が違います。難しい問題が解けたときの達成感、複雑な図形を自分の力で分解できたときの手応え、そうした「本格的な手応え」からくる楽しさです。
一方、偏差値50前後で足踏みしている子の中には、簡単な問題をテンポよくこなす心地よさを「楽しい」と感じているケースが少なくありません。これは悪いことではありませんが、この楽しさだけに寄りかかった指導を続けていると、小5でグノレブや組分けテストのような単元横断型のテストが増えたとき、対応できなくなります。
ヒロユキ流・楽しさと本格を両立させる仕掛け
僕が小4の生徒に教えるときは、扱う教材の難易度そのものは落としません。むしろ面積図や比の考え方を、小4の段階から積極的に使わせます。ただし、その伝え方には工夫を入れます。例えば、難しい問題を「今日のミッション」として設定し、途中式を一緒に声に出しながら進める、正解した瞬間に、その問題の中でどこが一番の山場だったかを一緒に振り返る、といった形です。
飽きてきたら、無理に続けさせず、少し違う切り口の問題や雑談を挟みます。ただしこれは、あくまで集中力を維持するための「入れ物」の工夫であって、扱う中身の水準を下げる理由にはしません。楽しい雰囲気の中で、小5・小6でそのまま使える解法を仕込む。この順番を間違えないことが重要です。
もう一つ意識しているのは、繰り返しを「作業」にしないことです。同じ型の問題を10回、20回と繰り返す必要があっても、毎回まったく同じ数値・同じ聞かれ方にはしません。少しずつ数値や設定を変えることで、子ども自身が「またこの型か」と気づきながら、飽きずに定着させていくことができます。
親がすべき、非情な決断
もし今、お子さんが算数の授業を「楽しい」と言っているなら、それ自体はとてもいいことです。ただ一度だけ、確認してみてほしいことがあります。その楽しさは、簡単な問題がテンポよく解ける心地よさから来ているのか、それとも難しい問題を自分の力で突破できた達成感から来ているのか、という点です。
前者だけで完結しているなら、小5になったときに苦労する可能性が高いというのが、僕の見立てです。楽しい時間を守ってあげたいという親心はよく分かりますが、その楽しさの中身を一度点検してあげることも、同じくらい大切な親の役割だと思っています。
僕がマナリンクで担当している【お試し・算数】親子喧嘩ゼロへ|元大手塾講師に丸投げプランでは、楽しい雰囲気を保ちながら、本格的な道具を小4のうちから仕込む指導を行っています。ご家庭で「楽しいけれど、このままで大丈夫か」と感じているなら、一度無料相談で今の状態を見せてください。
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