小4小5で算数についていけない本当の原因
小5になったとたん、うちの子は算数についていけなくなった。そう相談を受けることが、この時期は特に増えます。ただ僕の見立てでは、これは「急に」起きた問題ではありません。小4のうちに、すでに種は蒔かれています。
小5の算数がついていけなくなるのは、多くの場合、能力が落ちたからではなく、小4で身につけた解き方が小5の問題に通用しないからです。僕はこれを「断絶」と呼んでいます。断絶が起きる指導には、いくつかの共通した特徴があります。
断絶を生む指導の見分け方
一つ目の特徴は、単元ごとに独立した「型」だけを教えていることです。速さなら速さ、旅人算なら旅人算というように、その単元専用の公式や手順を覚えさせて終わりにする。予習シリーズでも新演習でも、小4のカリキュラムは単元が独立して並んでいるため、指導する側も単元ごとに閉じて教えがちです。ところが小5になると、速さと比、旅人算と割合というように、単元同士が組み合わさって出題されるようになります。単元をまたいで使える考え方(比という物差し、線分図という表現方法)を持っていない子は、ここで一気に崩れます。
二つ目の特徴は、答えが合うことをゴールにした指導です。小4のテストは範囲が狭く、パターンを覚えれば得点できてしまいます。マンスリーテストや週テストで点数が取れているからといって、その子が本質を理解しているとは限りません。日能研の育成テストや公開模試でも、小4のうちは暗記でそれなりに戦えますが、小5後期になると初見の問題文を自分で図に変換する力が問われ始め、そこで差が一気に開きます。
三つ目の特徴は、「小4だから」という理由で、面積図や線分図といった上位学年の道具そのものを避けていることです。これは前回の記事でも触れましたが、道具を使わせないまま学年だけを進めてしまうと、小5でその道具を一から学ぶことになり、単元の理解と道具の習得を同時に進めなければならず、負荷が二重にかかります。
なぜ偏差値60の壁の手前で止まるのか
偏差値50台から60を超えられない子を見ていくと、計算力や暗記量が足りないのではなく、初めて見る問題を「知っている型」に変換する力が育っていないケースがほとんどです。この変換力は、小4のうちに単元をまたいだ道具(比、線分図、面積図)を使い込んでおくことでしか育ちません。小5になってから慌てて詰め込んでも、すでに単元の進度も速くなっているため、追いつくのに倍以上の時間がかかります。
グノーブルのグノレブや四谷大塚の組分けテストのように、複数単元を横断する出題が増えるテストほど、この差はっきりと点数に表れます。小5の前期でつまずいた子の多くは、実は小4の後期時点で、すでに単元横断の練習量が不足していたというのが実態です。
ヒロユキ流・断絶を防ぐドーピング解法
僕が小4の生徒に対して行っているのは、単元を教える順番はカリキュラム通りにしつつ、扱う道具は学年をまたいで統一するというやり方です。例えば速さを教えるときも、旅人算を教えるときも、必ず線分図と比の考え方をセットで使わせます。単元が変わっても道具は変わらない、という感覚を先に作ってしまうのです。
もう一つが、小4のうちからの「捨て問」の見極めです。小4の子に全問正解を求める必要はありません。むしろ、単元をまたぐ道具を使う問題を優先的に反復させ、その単元でしか使わない瑣末なテクニック(特殊な数値だけで成立する裏技的な解法など)は後回しにする。この取捨選択ができるかどうかで、小5以降に使える時間の総量が変わってきます。
親がすべき、非情な決断
もし今、お子さんが小4で「テストの点数は悪くない」という理由で安心しているなら、一度だけ意地悪な確認をしてみてください。今解いている問題を、単元名を隠した状態で出したときに、同じように解けるかどうかです。単元名というヒントがなければ解けない場合、それは型を覚えているだけで、道具として使えているわけではありません。
耳の痛い話かもしれませんが、小4のうちにこの事実に気づけるかどうかが、小5での断絶を避けられるかどうかの分かれ目になります。点数がそれなりに取れているからと問題を先送りにするのは、実は一番コストの高い選択です。
僕がマナリンクで担当している【四谷大塚】週テスト・組分けテスト対策で上位クラスへのコースでは、単元をまたいだ道具の使い方を軸に、小4のうちから小5・小6でも崩れない土台を作っています。今のやり方に少しでも不安があれば、無料相談で今のお子さんの状態を一緒に確認させてください。
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