オンライン家庭教師マナリンク
算数

小4小5で算数についていけない本当の原因

2026/8/26

小5になったとたん、うちの子は算数についていけなくなった。そう相談を受けることが、この時期は特に増えます。ただ僕の見立てでは、これは「急に」起きた問題ではありません。小4のうちに、すでに種は蒔かれています。

小5の算数がついていけなくなるのは、多くの場合、能力が落ちたからではなく、小4で身につけた解き方が小5の問題に通用しないからです。僕はこれを「断絶」と呼んでいます。断絶が起きる指導には、いくつかの共通した特徴があります。

断絶を生む指導の見分け方

一つ目の特徴は、単元ごとに独立した「型」だけを教えていることです。速さなら速さ、旅人算なら旅人算というように、その単元専用の公式や手順を覚えさせて終わりにする。予習シリーズでも新演習でも、小4のカリキュラムは単元が独立して並んでいるため、指導する側も単元ごとに閉じて教えがちです。ところが小5になると、速さと比、旅人算と割合というように、単元同士が組み合わさって出題されるようになります。単元をまたいで使える考え方(比という物差し、線分図という表現方法)を持っていない子は、ここで一気に崩れます。

二つ目の特徴は、答えが合うことをゴールにした指導です。小4のテストは範囲が狭く、パターンを覚えれば得点できてしまいます。マンスリーテストや週テストで点数が取れているからといって、その子が本質を理解しているとは限りません。日能研の育成テストや公開模試でも、小4のうちは暗記でそれなりに戦えますが、小5後期になると初見の問題文を自分で図に変換する力が問われ始め、そこで差が一気に開きます。

三つ目の特徴は、「小4だから」という理由で、面積図や線分図といった上位学年の道具そのものを避けていることです。これは前回の記事でも触れましたが、道具を使わせないまま学年だけを進めてしまうと、小5でその道具を一から学ぶことになり、単元の理解と道具の習得を同時に進めなければならず、負荷が二重にかかります。

なぜ偏差値60の壁の手前で止まるのか

偏差値50台から60を超えられない子を見ていくと、計算力や暗記量が足りないのではなく、初めて見る問題を「知っている型」に変換する力が育っていないケースがほとんどです。この変換力は、小4のうちに単元をまたいだ道具(比、線分図、面積図)を使い込んでおくことでしか育ちません。小5になってから慌てて詰め込んでも、すでに単元の進度も速くなっているため、追いつくのに倍以上の時間がかかります。

グノーブルのグノレブや四谷大塚の組分けテストのように、複数単元を横断する出題が増えるテストほど、この差はっきりと点数に表れます。小5の前期でつまずいた子の多くは、実は小4の後期時点で、すでに単元横断の練習量が不足していたというのが実態です。

ヒロユキ流・断絶を防ぐドーピング解法

僕が小4の生徒に対して行っているのは、単元を教える順番はカリキュラム通りにしつつ、扱う道具は学年をまたいで統一するというやり方です。例えば速さを教えるときも、旅人算を教えるときも、必ず線分図と比の考え方をセットで使わせます。単元が変わっても道具は変わらない、という感覚を先に作ってしまうのです。

もう一つが、小4のうちからの「捨て問」の見極めです。小4の子に全問正解を求める必要はありません。むしろ、単元をまたぐ道具を使う問題を優先的に反復させ、その単元でしか使わない瑣末なテクニック(特殊な数値だけで成立する裏技的な解法など)は後回しにする。この取捨選択ができるかどうかで、小5以降に使える時間の総量が変わってきます。

親がすべき、非情な決断

もし今、お子さんが小4で「テストの点数は悪くない」という理由で安心しているなら、一度だけ意地悪な確認をしてみてください。今解いている問題を、単元名を隠した状態で出したときに、同じように解けるかどうかです。単元名というヒントがなければ解けない場合、それは型を覚えているだけで、道具として使えているわけではありません。

耳の痛い話かもしれませんが、小4のうちにこの事実に気づけるかどうかが、小5での断絶を避けられるかどうかの分かれ目になります。点数がそれなりに取れているからと問題を先送りにするのは、実は一番コストの高い選択です。

僕がマナリンクで担当している【四谷大塚】週テスト・組分けテスト対策で上位クラスへのコースでは、単元をまたいだ道具の使い方を軸に、小4のうちから小5・小6でも崩れない土台を作っています。今のやり方に少しでも不安があれば、無料相談で今のお子さんの状態を一緒に確認させてください。

このブログを書いた先生

このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら

算数対策におすすめの指導コース

算数の月額コース
【中学受験】算数が苦手だった先生の算数
タイプ別
無料体験あり
【中学受験】算数が苦手だった先生の算数
27,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
小学1〜6年生
  • 塾のフォローが欲しい
  • これから中学受験を始めるけどどうしたいいかわからない
  • 塾なしでマイペースに受験したい
コースの詳細を見る
17,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
小学1〜6年生
  • 発達障害や学習障害があり、一人ひとりの特性に合わせた指導を希望している方
  • 文字ばかりではなく、絵や図を使いながら学習したい方
  • 繰り返し学習しながら定着させたい方
コースの詳細を見る
15,000円/月
1回45分(月4回(週1回目安))
小学5・6年生
  • 塾の算数のフォローをしたい
  • 予習シリーズの進め方に戸惑っている
  • 学習相談や受験校選択のセカンドオピニオンが欲しい
コースの詳細を見る
算数の月額コース
【平均点】苦手な算数(図形)を平均点以上に!基礎徹底コース
三者面談あり
無料体験あり
【平均点】苦手な算数(図形)を平均点以上に!基礎徹底コース
23,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
小学1〜6年生
  • 算数が苦手、わからないと思っている生徒さん向け
  • 図形問題中心に算数の基礎固めをしたい生徒さん向け
  • 自分に合った勉強方法をおしえてほしい生徒さん向け
コースの詳細を見る
算数の月額コース
算数苦手な子集まれ!基礎からやり直して得意教科に✨
三者面談あり
無料体験あり
算数苦手な子集まれ!基礎からやり直して得意教科に✨
22,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
小学1〜6年生
  • 学校の授業が難しいと感じている生徒さん
  • 成績を今より良くしたい生徒さん
  • 基礎からやり直してくれて面倒見の良い先生を探しているご家庭
コースの詳細を見る

算数のブログ

繰り上がり・繰り下がりの計算ミスを減らす確認順

結論から言うと、繰り上がり・繰り下がりの計算で何度も間違えるときは、計算練習を増やす前に「10のまとまり」と「位取り」が分かっているかを確認することが大切です。答えをすぐ直すのではなく、①数の分け方、②位の位置、③計算の手順、の順番で見直すと、どこでつまずいているかを家庭でも見つけやすくなります。まず確認したい「10のまとまり」繰り上がりのあるたし算では、一の位の数を合わせたときに10以上になったら、10をひとまとまりとして十の位へ移します。たとえば「8+7」なら、8に2を足して10にし、残りの5を加える、と考えられます。ここで、子どもが「8+7=15」と答えられていても、10のまとまりを意識...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/10/5

【数学】「またケアレスミス…」で損していませんか?偏差値を劇的に上げる“本当の計算力”と3つの検算テクニック

◆【数学】「またケアレスミス…」で損していませんか?偏差値を劇的に上げる“本当の計算力”と3つの検算テクニック「手応えはあったのに、返ってきたテストを見たら計算ミスでガッカリ…」 「テスト前は暗記に追われて、いざ本番になると計算が合わなくて焦ってしまう…」受験生や中高生のみなさん、そして保護者様、こんな経験はありませんか?数学において、計算力は最大の武器であり、同時に計算力不足はあまりにも大きなハンデになります。どれだけ解法が頭に浮かんでいても、途中の計算で間違えてしまえば点数はもらえません。では、そもそも「本当の計算力」とは何でしょうか?◆「計算力」の真実:暗算速度でも、一発で合わせる力でも...続きを見る
あきのりの写真
あきのりオンライン家庭教師
2026/9/29

計算はできるのに文章題が苦手。その原因は「式を立てる前」にあります

「計算問題ならできるのに、文章題になると手が止まる」これは、算数が苦手なお子さんによく見られるつまずきです。でも、文章題ができない原因は、必ずしも計算力にあるとは限りません。文章題では、式を書く前に、・何が分かっているのか・何を求めるのか・どの数字を使うのか・どんな関係になっているのかを整理する必要があります。つまり、文章題では「計算する力」より前に、文章を読んで情報を整理する力が必要なのです。たとえば、「赤いリボンが3メートルあります。青いリボンは赤いリボンより2メートル長いです。」という問題でも、「3」と「2」という数字だけを見て、3+2なのか、3−2なのか分からなくなる子がいます。そんな...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/9/26

分数でつまずいたとき、どこまで戻るか

結論から言うと、通分ができないときに分数を最初から全部やり直す必要はありません。できない理由を「分母をそろえる意味が分からない」「最小公倍数があいまい」「約分と通分の手順が混ざっている」などに分け、必要な単元だけ戻ることが大切です。小4で通分につまずいた場合も、直前の計算だけでなく、土台になっている整数の学習を短く確認すると、戻る場所が見つけやすくなります。まず確認したい「通分」の役割通分とは、分母の違う分数を、同じ分母の分数に直すことです。たとえば、1/2と1/3を足すとき、分母が違うままでは、分子の1と1をそのまま足せません。2等分した1つ分と、3等分した1つ分では、1つ分の大きさが違うか...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/9/22

「計算はできるのに文章題ができない」は、本当に算数が苦手だから?」

「計算はできるのに文章題ができない」は、本当に算数が苦手だから?「計算問題ならできるんです。でも、文章題になると急にできなくなります」保護者の方から、よく聞く言葉です。実際、足し算や引き算はできるかけ算やわり算もできる計算ドリルなら進められるそれなのに、文章題になると手が止まる。すると、「読解力がないのでしょうか」「算数が苦手なんでしょうか」「もっと問題をたくさん解かせた方がいいですか」と心配になります。でも、35年以上算数・数学を教えてきて思うのは、文章題ができない原因は、必ずしも計算力不足ではないということです。文章題では、実はいくつものことを同時にしています例えば、「りんごが3個ずつ入っ...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/8/19

この先生の他のブログ

ヒロユキの写真

国語の「わかったつもり」が点を落とす理由と対策

2026/10/10
国語のテストのあと、本人は「ちゃんと読めた」「わかった」と言うのに、点数がついてこない。中学受験の国語でよくあるこの現象の正体は、わかったつもりです。わかったという感覚は、点数とほとんど連動しません。今日は、この「わかったつもり」がなぜ起きるのか、そしてどう壊すのかをお話しします。好きなドラマを何度...
続きを読む
ヒロユキの写真

中学受験の国語「文章がわからないから解けない」は嘘です

2026/10/10
中学受験の国語で点が取れなかった理由を聞くと、子どもはかなりの確率で「文章がわからなかったから」と答えます。はっきり言います。それは嘘です。悪意のある嘘ではなく、本人も信じ込んでいる思い込みです。国語の入試問題は、文章の意味が完全にはわからなくても解けるように作られています。今日は、この思い込みを壊...
続きを読む
ヒロユキの写真

中学受験の国語、難しい文章は「単純化」で解く

2026/10/10
中学受験の国語で、難しい文章が出た瞬間に手が止まる子がいます。難しいものを難しいまま抱え込めば、試験時間だけが静かに溶けていきます。国語は単純化して解く。これが僕の指導の、揺るがない根っこです。世の中を単純化しすぎるな、と言う人もいます。理屈としてはわかります。けれど、その慎重さのせいで前に進めず、...
続きを読む
ヒロユキの写真

中学受験はいつから本気?6年からでは遅い高校受験との違い

2026/10/10
中学受験はいつから本気を出せばいいのか。6年生になったら本気で、と考えているご家庭は、計画を見直した方がいい。中学受験では、6年からの本気はたいてい間に合わないからです。高校受験の感覚で中学受験を考えると、計算が狂うご自身が高校受験を経験した保護者ほど、こう考えがちです。まずは塾の授業についていく。...
続きを読む