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算数

夏休み後半、「算数が遅れている」と焦る前に。35年以上子どもを見てきて思うこと

2026/8/19

夏休み後半、「算数が遅れている」と焦る前に。35年以上子どもを見てきて思うこと

夏休みも後半になりました。

この時期になると、保護者の方から、

「宿題がまだ終わっていません」

「1学期の算数がよく分かっていないようです」

「このまま2学期が始まって大丈夫でしょうか」

といった相談が増えてきます。

特に、不登校のお子さんや、HSP・発達特性のあるお子さんの場合、

「学校に行っていない分、勉強が遅れているのでは」

「夏休みのうちに取り戻しておかないと」

と心配になることもあると思います。

私は算数・数学を中心に、35年以上子どもたちの学びに関わってきました。

その中で感じていることがあります。

それは、

「どれくらい遅れているか」を考える前に、「どこで止まっているのか」を見つけることが大切だ

ということです。

「全部分からない」ように見えても、本当に全部ではありません


算数や数学は、積み重ねの教科です。

前に習ったことを使って、次の内容を学んでいきます。

そのため、一つつまずくと、その後の単元まで一気に分からなくなったように感じることがあります。

でも、実際に一緒に問題を見ていくと、

「計算はできる」

「九九までは大丈夫」

「図にすると分かる」

「文章を読んで何を求めるのかが分からない」

など、子どもによって状態はかなり違います。

全部ができないわけではありません。

むしろ、

できているところと、できなくなった境目を見つけること。

私はそこから始めます。

「勉強しない」には理由があることがあります


「うちの子、全然勉強しないんです」

という言葉もよく聞きます。

でも、子どもと話してみると、

「どこから分からなくなったのか、自分でも分からない」

「また間違えるのが嫌」

「みんなより遅いと思われるのが嫌」

「分からないと言うのが恥ずかしい」

そんな気持ちが隠れていることがあります。

HSPや発達特性のあるお子さんの場合は、さらに、

「たくさん問題が並んでいるだけで嫌になる」

「急かされると思考が止まる」

「説明を一度聞いただけでは整理できない」

「自分なりの考え方があるけれど、それをうまく説明できない」

ということもあります。

そういう状態の子に、

「夏休みなんだから頑張ろう」

「遅れているところを全部やろう」

と言っても、なかなか動けません。

アクセルを踏む前に、まずブレーキがかかっている理由を見る必要があるのです。

1対1になると、突然できる子がいます


学校では分からなかった問題が、1対1で一緒に考えると、

「あ、そういうこと?」

と急に表情が変わることがあります。

私はこの瞬間が好きです。

その子の能力が急に上がったわけではありません。

その子に合った説明やペースになっただけです。

図にすると理解しやすい子もいます。

具体的な物を使うと分かる子もいます。

言葉で順番に整理すると分かる子もいます。

少し黙って考える時間が必要な子もいます。

学校では集団で授業を進めますから、一人ひとりに完全に合わせることは難しいものです。

だから、

学校の授業についていけなかったことと、その子に算数の力がないことは同じではありません。

ここは、長く学校現場にいたからこそ強く感じています。

夏休み後半、全部やり直す必要はありません


では、夏休みが残り少なくなった今、何をすればよいのでしょうか。

私は、いきなり総復習をするより、

①できるところを確認する
②どこから難しくなったのかを探す
③その少し前からやり直す

この順番をおすすめしています。

例えば5年生だからといって、5年生の問題集を最初から最後までやる必要はありません。

つまずきが3年生のわり算にあるなら、そこへ戻ればいい。

文章題だけが苦手なら、計算練習を大量にする必要はありません。

10問やって8問間違えるより、

その子に合った1問を一緒に考えて、

「分かった」

を一つ作る方が、その後につながることがあります。

2学期までに全部取り戻さなくてもいい

夏休みが終わるまでに、遅れている内容を全部終わらせよう。

そう考えると、子どもも保護者も苦しくなってしまいます。

私は、

「ここまでは分かる」

「ここから分からなくなった」

「こう説明してもらうと分かる」

ということが分かるだけでも、大きな前進だと思っています。

現在地が分かれば、次に進む道が見えてくるからです。

特に、不登校やHSP、発達特性のあるお子さんの場合、勉強だけを切り離して考えられないこともあります。

今、勉強に向かえる状態なのか。

何が苦手意識につながっているのか。

どの単元でつまずいたのか。

どんな説明なら理解しやすいのか。

私は、問題を解かせる前に、まずそこを見ます。

「できないところ」より「できるところ」から

算数や数学が苦手になっている子にも、必ずできている部分があります。

私はこれまで多くの子どもたちを見てきましたが、

「算数ができない子」

というより、

「その子に合う学び方が、まだ見つかっていない子」

と感じることの方が多くあります。

夏休み後半。

焦って全部を埋めようとするのではなく、まずお子さんの現在地を見つけてみてください。

そして、

「ここはできているね」

という場所から始めてみてください。

次の一歩は、思っているより小さくても大丈夫です。

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