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算数

「計算はできるのに文章題ができない」は、本当に算数が苦手だから?」

2026/8/19

「計算はできるのに文章題ができない」は、本当に算数が苦手だから?

「計算問題ならできるんです。でも、文章題になると急にできなくなります」

保護者の方から、よく聞く言葉です。

実際、

  • 足し算や引き算はできる

  • かけ算やわり算もできる

  • 計算ドリルなら進められる

それなのに、文章題になると手が止まる。

すると、

「読解力がないのでしょうか」

「算数が苦手なんでしょうか」

「もっと問題をたくさん解かせた方がいいですか」

と心配になります。

でも、35年以上算数・数学を教えてきて思うのは、

文章題ができない原因は、必ずしも計算力不足ではない

ということです。

文章題では、実はいくつものことを同時にしています

例えば、

「りんごが3個ずつ入った袋が4つあります。りんごは全部で何個でしょう」

という問題。

大人から見ると簡単です。

でも子どもの頭の中では、

文章を読む。

場面をイメージする。

何を聞かれているか考える。

「3」と「4」が何を表しているか整理する。

足し算なのか、かけ算なのか判断する。

式を作る。

計算する。

答えを書く。

これだけの処理をしています。

つまり文章題は、

計算だけの問題ではありません。

どこか一つで引っかかると、手が止まります。

「式を選べない」子にも、いろいろなタイプがあります

例えば、

「足し算なの? かけ算なの?」

と迷う子がいます。

このとき、すぐに

「3個ずつが4つだから、かけ算だよ」

と教えることもできます。

でも私は、少し別の見方をします。

「この子は、どんな場面を頭に浮かべているのかな」

と考えます。

実際に絵を描いてみる。

丸を並べてみる。

「3個の袋が4つなのか、4個の袋が3つなのか」を話してみる。

そうすると、

「ああ、そういうことか」

と分かる子がいます。

式の作り方を暗記させるより、

数量の関係が見えるようにする

ことが大切な場合があります。

「分からない」のではなく、頭の中で整理できていないことも

HSPや発達特性のあるお子さんの場合、

文章の情報が多いだけで混乱してしまうことがあります。

数字がいくつも出てくる。

必要のない情報まで気になる。

問題文を最後まで読んだときには、最初の内容を忘れている。

何を聞かれているのか分からなくなる。

そんなこともあります。

この場合、

「よく読んで」

「もう一度考えて」

と言っても、解決しないことがあります。

文章に線を引く。

必要な数字だけ取り出す。

図にする。

一文ずつ区切る。

質問を短くする。

そうすると、急に理解できることがあります。

「計算はできるのに文章題ができない」は重要なヒント

私は、この状態を悪いことだとは思っていません。

むしろ、

計算力はすでにある

ということです。

あとは、文章と数量をつなぐ部分を見ていけばいい。

つまり、

「全部やり直し」

ではないのです。

ここを見誤って、計算ドリルを大量にやらせても、

「計算はもっと速くなったけれど、文章題は相変わらずできない」

ということが起こります。

子どもにとっては、

「こんなにやっているのに、やっぱり自分は算数ができない」

という気持ちにもつながりかねません。

それは、とてももったいないことです。

私が文章題を見るときに確認していること

文章題が苦手なお子さんを見るとき、私は例えば次のようなことを確認します。

問題文の意味は理解できているか。

何を求める問題なのか分かっているか。

数字同士の関係をつかめているか。

図や絵にすると理解できるか。

式を立てるところで止まっているのか。

式は立つけれど計算で間違えるのか。

答え方が分からないだけなのか。

同じ「文章題ができない」でも、原因はかなり違います。

だから、一律に同じ練習をするより、

どこで止まっているのかを見ることが先

なのです。

算数には「その子に見えやすい形」があります

私は海外の算数教材や指導法にも触れてきました。

その中でも面白いと感じるのが、

数量の関係を図やモデルで見えるようにする考え方です。

日本の算数でも図は使いますが、

「まず式を考える」

ことが習慣になっている子には、

図から考える方法がとても合うことがあります。

文章を読む。

図にする。

関係を見る。

それから式を考える。

この順番にすると、

「何算か分からない」

という状態から抜け出せる子もいます。

苦手なのは「算数」ではなく、一部分かもしれません

子どもは、うまくできないことが続くと、

「算数が嫌い」

「自分は算数が苦手」

と言うようになります。

でも実際には、

計算はできる。

図なら分かる。

口で説明すると理解できる。

具体物なら理解できる。

ということがよくあります。

それなら、

算数全体が苦手なのではありません。

その子にまだ見えていない部分があるだけ

かもしれません。

私は、できない問題を増やすより、

「どうすると、この子には見えるのか」

を探すことを大切にしています。

文章題で止まっているお子さんがいたら、

「もっと計算練習をさせなきゃ」

と考える前に、

一度、

どこで止まっているんだろう?

と見てみてください。

そこが分かると、今まで難しく見えていた問題が、意外とすっと動き始めることがあります。

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