3種類のつるかめ算の解き方|面積図を3段にする子は落ちる

3種類のつるかめ算の解き方がわからない。そう検索したあなたのお子さんは、おそらく面積図を3段に積み上げて、どこが何の面積なのか分からなくなっているはずです。
断言しますが、その図は描いた瞬間に負けています。3種類のつるかめ算は、3種類のまま解く問題ではありません。2種類に落としてから、候補をしぼって当てにいく問題です。
3種類のつるかめ算で偏差値が止まる理由
予習シリーズでも新演習でも、つるかめ算は4年から5年にかけて「2種類」で習います。面積図を描き、全部を片方だと仮定して、差から個数を出す。ここまでは多くの子ができます。
問題は、テストや入試でいきなり3種類が出てきたときです。真面目な子ほど、2種類で習った面積図をそのまま3段に拡張しようとします。長方形が3つ並び、へこみが2か所でき、どちらを動かせばいいのか見失う。10分かけて図を描き、答えは出ない。典型的な「努力の赤字」です。
3種類のつるかめ算は、多くの場合、条件が1つ足りません。個数と代金、式にすると2本しか作れないのに、分からないものは3つある。つまり、計算で一発で決まる問題ではなく、候補を絞り込む問題なのです。ここを理解していない子は、どれだけ図を丁寧に描いても答えにたどり着けません。
3種類のつるかめ算の解き方は「全部いちばん安い」から始める
例題で見ましょう。
1個30円のあめ、60円のガム、100円のチョコを合わせて20個買ったところ、代金は1000円でした。ガムはチョコより多く買いました。それぞれ何個買いましたか。
手順は3つです。
全部をいちばん安い30円のあめだと仮定する:30 × 20 = 600円。実際との差は 1000 - 600 = 400円
あめをガムに1個かえると30円増え、チョコに1個かえると70円増える。つまり 30 × ガム + 70 × チョコ = 400、両辺を10で割って 3 × ガム + 7 × チョコ = 40
この式を満たす組を、チョコの個数を1つずつ増やして探す
ここで面積図の役目は終わりです。3種類が、ガムとチョコの2種類の関係式に縮みました。あめは最後に20個から引けば出ます。
いもづる算は候補を並べて切ればいい
3 × ガム + 7 × チョコ = 40 を満たす組を探します。ここで、1から順に全部試す子がいます。時間の浪費です。
チョコの個数を1、2、3と増やすと、7 × チョコ は 7、14、21、28、35 と増えます。40から引いた残りが3で割り切れるものだけが候補です。
チョコ1個なら残り33、ガムは11個。チョコ4個なら残り12、ガムは4個。チョコ7個だと49で40を超えるので終わりです。候補は2組だけ。
最後に「ガムはチョコより多い」という条件で絞ると、ガム11個、チョコ1個。あめは 20 - 11 - 1 = 8個。検算すると 8 × 30 + 11 × 60 + 1 × 100 = 240 + 660 + 100 = 1000円。合っています。
この「最後の1条件」が、問題文の中で一番地味な一文であることに注意してください。解き方を知らない子は、この一文を読み飛ばします。知っている子は、最初からこの一文を探しにいきます。同じ問題を見ても、見ている場所がまるで違うのです。
3種類のつるかめ算は「最後の条件」の形で難度が決まる
入試で出る3種類のつるかめ算は、最後の1条件の書き方で大きく3つに分かれます。
1つ目は「ある2つの個数が等しい」「Aの個数はBの2倍」のように、個数の関係が直接書かれているタイプです。これは実は3種類ではありません。2つをひとまとめにして1つの品物とみなせば、ふつうの2種類のつるかめ算に戻ります。60円と100円を同じ個数ずつ買うなら、2個1組で160円の「セット」として扱えばいい。
2つ目は、今回の例題のような「〜より多い」「少なくとも1個」という大小の条件です。いもづる算で候補を並べ、最後に条件で切ります。
3つ目は条件がなく、答えが複数組あることを前提に「考えられる組をすべて答えなさい」と聞くタイプです。候補を漏れなく並べられるかどうかがすべてで、表を書かずに頭で処理する子はここでかなりの確率で1組落とします。
どのタイプかを最初に見分けてしまえば、解き方は自動的に決まります。問題を読んで悩む時間が、見分ける時間に置きかわるのです。
面積図を描く前に子どもが確認すべき3点
僕の授業では、3種類のつるかめ算を見たら、図を描く前に次の3点を口に出させています。
分からないものはいくつあるか(3つ)
式は何本作れるか(多くは2本)
足りない1本の代わりになる条件はどこにあるか(「〜より多い」「少なくとも1個」など)
この確認に30秒もかかりません。しかし、これをやるだけで「解ける気がしない問題」が「候補を絞る作業」に変わります。算数を算数として真正面から解こうとする真面目さを、いったん脇に置く。これが偏差値50台から60へ抜けるための、地味ですが確実な一歩です。
明日からご家庭でやること
3種類のつるかめ算で止まっているお子さんに、面積図の描き方をもう一度教え直すのはやめてください。教えるべきは図ではなく、「全部いちばん安いと仮定して2種類に落とす」という手順と、「候補を並べて最後の条件で切る」という発想です。
ついでに申し上げると、3段の面積図を美しく仕上げたノートは、見た目の満足感だけは一級品です。入試の採点者はノートを見ませんので、その美しさには1点もつきませんが。
3種類のつるかめ算は、2種類に落とし、候補を並べて絞り、最後の条件で決める。この順番さえ体に入れば、手がつけられない問題ではなくなります。
こうした「解き方の順番」を単元ごとに組み立て直す指導は、マナリンクの僕のプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」で行っています。今どこで止まっているのかを一緒に見極める無料の相談もありますので、気になった方はプロフィールからのぞいてみてください。
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