2学期から日本史は何をする?|2027年入試に向けた学習法と注目したい5つのテーマ
夏休みが終わり2学期に入ると、
「まだ日本史の通史が終わっていない」
「一問一答はやっているけれど、模試では点数が取れない」
「そろそろ過去問を始めた方がいいの?」
と不安になる受験生も多いと思います。
日本史は覚える量が多いため、秋になってから焦って細かな用語の暗記に走りがちです。
しかし、2学期から意識していただきたいのは、
新しい知識を増やすことだけではなく、
これまで学んだ知識を「問題で使える状態」に変えること
です。
今回は、2027年入試を目指す受験生に向けて、2学期の日本史をどのように進めればよいのか、そして2027年に向けて確認しておきたい歴史テーマを紹介します。
そもそも、今の共通テストでは「暗記だけ」では対応しにくい
大学入試センターは「歴史総合、日本史探究」の問題作成方針について、個別の用語・事実を知っているだけではなく、歴史的事象の意味・特色・相互の関連を考察する力を求めるとしています。
また、教科書でそのまま見たことがない資料から情報を読み取り、持っている知識と結び付けて考える問題も想定されています。
つまり、
「徳川吉宗=享保の改革」
と覚えているだけではなく、
「なぜ改革が必要だったのか」
「どのような政策を行ったのか」
「田沼政治や寛政の改革とは何が違うのか」
まで理解していることが重要です。
2学期からは、暗記と問題演習を分けずに進めていきましょう。
まず確認したいこと|通史はどこまで終わっていますか?
2学期の最初にやってほしいのは、新しい参考書を買うことではありません。
まず現在地を確認します。
①まだ通史が終わっていない
この場合は、まず古代から近現代までいちど一周することを優先します。
「古代を完璧にしてから中世へ」
と進めていると、いつまでたっても近現代に届きません。
最初の1周は完成度100%を目指さなくて大丈夫です。
まず、
古代→中世→近世→近代→現代
という日本史全体の流れをつかみます。
そのうえで2周目、3周目に知識を足していきます。
②通史は終わったが、一問一答が答えられない
この場合は、基本用語の定着を優先します。
ただし、一問一答を最初から最後まで機械的に繰り返すだけではなく、
通史の流れと結び付けて覚える
ことが重要です。
たとえば「地租改正」という用語なら、
「いつ?」
「なぜ必要だった?」
「税の納め方はどう変わった?」
「農民にはどのような影響があった?」
まで確認してみましょう。
一つの用語から複数の知識を引き出せるようになると、得点につながりやすくなります。
③一問一答ではできるのに、模試で点数が取れない
このタイプは、問題演習を増やす段階です。
正誤問題、年代整序、史料、地図、グラフなどを使い、
「覚えた知識を問題の中で使えるか」
を確認します。
大切なのは、間違えた後です。
「正解は②だった」で終わらせず、
なぜ自分は間違えたのか
まで確認してください。
・用語そのものを知らなかった
・人物と時代を混同した
・似た制度を取り違えた
・史料を読み違えた
・問題文の条件を見落とした
原因によって、次にすべき勉強は違います。
9月|まず「通史+基本用語」を整える
9月は、基礎の穴を埋める時期です。
通史が未完成なら、まず最後まで進めます。
すでに終わっている場合は、
通史の確認
+一問一答
+基礎問題
を組み合わせましょう。
おすすめなのは、
①流れを確認する
↓
②重要用語を確認する
↓
③問題を解く
↓
④間違った理由を確認する
という方法です。
「今日は江戸時代の一問一答だけ」
ではなく、一つの時代についてインプットからアウトプットまで行います。
10月|時代をまたいで比べる
10月頃からは、単元ごとの学習だけでなく、
比較する学習
を増やしていきます。
たとえば、
・享保の改革/寛政の改革/天保の改革
・鎌倉幕府/室町幕府/江戸幕府
・日清戦争/日露戦争/第一次世界大戦
・自由民権運動/大正デモクラシー/戦後民主化
などです。
「違い」を説明できるようになると、正誤問題にも強くなります。
さらに、
「その前に何があった?」
「その後何が変わった?」
と前後関係も確認します。
日本史は、用語の数を増やすほど強くなる科目ではありません。
知識同士をつなげるほど強くなる科目
と考えてください。
11月|史料・グラフ・年代整序を増やす
11月になると、共通テストを意識した資料問題にも慣れておきたいところです。
たとえば、
・史料
・年表
・地図
・人口や貿易などの統計
・写真
・複数資料の比較
です。
ここで大切なのは、
「この史料を知っているか」だけで判断しないこと。
知らない史料でも、
「誰が書いた可能性があるのか」
「何時代の内容か」
「文章中のどの言葉がヒントなのか」
と考えます。
大学入試センターも、初見の資料から情報を読み取り、既習知識を使って考察することを問題作成の方向性として示しています。
12月|共通テスト形式で「時間内に判断する」練習へ
12月に入ったら、共通テスト利用者は本番形式の演習を増やします。
この段階では、知識量だけでなく、
時間内に資料を読み、選択肢を判断する力
も重要です。
間違えた問題について、
「これは知識不足だったのか」
「資料の読み取りだったのか」
を分けてください。
知識不足なら教科書・一問一答に戻る。
読み取り不足なら同じタイプの問題をもう一度解く。
この往復が、直前期の勉強では非常に重要です。
2027年入試に向けて確認しておきたい5つのテーマ
ここからは2027年という年に注目した話です。
もちろん、
「○周年だから必ず出題される」というものではありません。
入試問題を予言することはできません。
ただ、節目となる出来事をきっかけに、その前後の歴史をまとめて復習することには意味があります。
2027年に向けて、特に次の5テーマを確認しておくとよいでしょう。
① 1867年から160年|幕末から明治維新へ
1867年には徳川慶喜が大政奉還を行い、その後、王政復古へと政治体制が大きく動いていきます。国立国会図書館の資料でも、1867年10月の大政奉還、12月の王政復古が確認できます。
ここは、
大政奉還
→王政復古
→戊辰戦争
→版籍奉還
→廃藩置県
という流れで整理してください。
単に出来事の順番を覚えるのではなく、
「なぜ幕府は政権を返上したのか」
「それでも戊辰戦争が起きたのはなぜか」
と因果関係まで確認するとよいでしょう。
② 1877年から150年|西南戦争と明治国家の形成
1877年には西南戦争が起こりました。国立公文書館の年表でも、明治10年2月の西南戦争が記録されています。
ここでは西郷隆盛だけを覚えるのではなく、
廃藩置県
→徴兵令
→秩禄処分
→士族反乱
→西南戦争
という流れを確認しましょう。
また1877年には東京大学も創設されています。
政治だけではなく、
近代国家・教育制度の整備
という視点でも明治初期を整理できます。
③ 1927年から100年|昭和金融恐慌
1927(昭和2)年には金融恐慌が発生しました。日本銀行の『百年史』では、1927年3月15日に金融恐慌が発生した経緯や、震災手形問題との関係が詳しく整理されています。
ここは、
第一次世界大戦後の反動恐慌
→関東大震災
→震災手形
→金融恐慌
→金解禁
→昭和恐慌
→高橋財政
まで一つの流れで復習したいところです。
経済史が苦手な方には特におすすめのテーマです。
④ 1937年から90年|日中戦争と戦時体制
1937年7月には盧溝橋事件が起こりました。国立公文書館の資料にも、昭和12年7月の出来事として記録されています。
ここでは、
満州事変
→国際連盟脱退
→二・二六事件
→日中戦争
→国家総動員法
→第二次世界大戦
→太平洋戦争
という流れを整理します。
外交史だけでなく、
・政党政治の衰退
・軍部の台頭
・経済統制
・国民生活
まで横につなげておきましょう。
⑤ 1947年から80年|日本国憲法と戦後改革
2027年は、日本国憲法の施行から80年になります。
日本国憲法は1947年5月3日に施行されました。同時期には、国会法、内閣法、裁判所法、地方自治法など、新しい憲法に対応した法制度も整えられています。
また、教育基本法も1947年3月31日に公布・施行されました。
このテーマでは、
日本国憲法
+民主化
+教育改革
+地方自治
+労働改革
をまとめて確認しましょう。
戦前との「何が変わったのか」という比較も重要です。
もう一つ注目するなら|1967年の公害対策基本法
2027年は、公害対策基本法の制定から60年でもあります。
高度経済成長の一方で公害問題が深刻化し、1967年に公害対策基本法が成立・施行されました。
ここから、
高度経済成長
→都市化・工業化
→四大公害
→公害対策基本法
→公害国会
→環境庁
までつなげることができます。
SDGsと絡めて戦後経済史と社会史を一緒に復習する題材としておすすめです。
2027年に節目を迎える出来事を紹介しましたが、
「今年は金融恐慌が出そうだから金融恐慌だけ覚えよう」
という勉強はおすすめしません。
大切なのは、一つの出来事を入口に、
その前に何があったか
↓
なぜ起こったか
↓
何が変わったか
↓
その後どこにつながったか
まで確認することです。
たとえば1927年の金融恐慌なら、1927年だけではなく、大正期の経済から昭和恐慌まで広げます。
これこそが、初めて見る資料や少しひねった問題への対応力になります。
まとめ|2学期は「覚える」から「つなげて使う」へ
2学期の日本史では、
通史
→重要用語
→問題演習
→間違い分析
→復習
というサイクルを意識してみてください。
9月は基礎を整える。
10月は比較する。
11月は史料・グラフを増やす。
12月は時間を意識した実戦演習へ。
この順番で進めると、夏までに学んだ知識が少しずつ「入試で使える知識」に変わっていきます。
日本史は、用語をたくさん覚えた人だけが強い科目ではありません。
「なぜ起きたのか」「その後どう変わったのか」を説明できるようになること。
2学期からは、ぜひそこを意識して勉強してみてください。