高校生の学びを支える -試験は時間配分が大事と言われるけどうまくできませんー
毎日の小さな工夫が、将来の大きな力になる
高校生の学びには、やる気や才能だけではなく、正しい方法や環境が大切です。本シリーズ『高校生の学びを支える』では、勉強の時間管理や教材の選び方、モチベーションの整え方、理系科目の悩みまで、具体的にアドバイスします。保護者にも高校生本人にも役立つ、実践的な知恵が詰まった学びのガイドです。本シリーズはほぼ週1回で新記事をアップしていますので、よろしければフォローをお願いします。
今回の相談
試験問題を目の前にしたとき時間配分を最初に考えよと教わったのですが、どの問題にどれぐらいの時間が必要か見当もつきません。結局時間切れになってしまい、手をつけられなかった問題が残ってしまいます。残った問題の中には易しいものもあって、それをやっていればもっと得点も伸びていました。どうすればいいですか?
時間配分は感覚で身につける
試験中に「どの問題にどれくらい時間をかけるか」を考えるのは難しいものです。
これは、体で時間の感覚を覚えるしかありません。
よく言われるのは「目標時間を決めて練習問題に取り組む」ですが、その前にやるべきことがあります。
まず、基礎的な問題集から既に学習した範囲の問題をいくつか選び、試験のつもりで答案を作ってみましょう。
まずは自分の実力を知る
取り組む前にタイマーを使い、自分が納得できる答案を書くのにどれくらい時間がかかるかを計測します。
この段階では時間オーバーになってもかまいません。目的は、現在の実力と解答にかかる時間を把握することです。
計算問題なら何分かかるか
小問が複数ある文章題なら完答までに何分かかるか
などに注意してみましょう。まずはここを知ることがスタートです。
このことによって「時間をかければできる問題」と「時間をかけてもできない問題」がはっきりしてきます。それが大事なのです。
時間短縮の練習
「時間をかければできる問題」は、もう既にあなたの中に答があります。優先的に取り組むのはこちらです。
時間短縮のためにできることを考えましょう。
問題文の読み方や計算量を減らす工夫など、さまざまな方法があります。
この「 時間短縮の工夫 → 再確認」を繰り返すことで、問題文を見ただけで大まかな時間配分が分かる感覚が身についてきます。
満点を狙う場合
もしあなたが満点を目指すなら、時間配分に神経質になる必要はありません。
第1問からどんどん解き進めましょう。
それで時間が足りなくなれば、そもそも満点を取れる力がまだ十分ではなかったということです。
一般に入試で満点は不要です。満点が必要なのは、東大・京大理系志願者の共テの物理などに限られます。時間配分を細かく考える必要はほとんどありません。
見直しの時間を確保する
満点を目指さない場合は、どれだけ時間を余らせ、見直しに使えるかが大切です。
ただし最後に全体をこまかく見直すのではなく、問題を解きながらこまめに見直すという習慣もつけておきましょう。
細かい計算ミスは解きながらのチェックで防げます。これについては別記事で紹介します。
試験の最後には5分ぐらいの余裕を持たせたいところです。受験番号や氏名、解答欄の確認をしましょう。
解ける問題を取る
筆記試験では得点がすべてです。限られた時間で自分の得点を最大化しなくてはなりません。
そのためには「取れる問題を確実に取る」というのがとても大事です。
そのためには「この問題に何分かけるか」の戦略が重要です。
試験に強い人はこういうところができています。
工夫をしてみましょう。