中学受験 ‘’信じすぎず、活用する” 塾との正しい距離感
中学受験を目指す多くのご家庭にとって、塾は切っても切れない存在です。
しかし、
「塾は利用するもの、信者にはなるべきではい」
というのが、私が長年指導してきた中で最も伝えたいメッセージの一つです。
多くの保護者やお子さんが、塾の教えを絶対視しすぎてしまうケースを目にします。
塾のカリキュラムに縛られすぎて柔軟性を失ったり、塾のやり方と合わないのに無理に合わせようとしてストレスを溜めたり…。
それでは本末転倒です。
塾は万能ではない
どの塾も、独自の教育方針や強みを持っています。
長所もあれば、短所もあります。具体的な塾名は挙げませんが、以下のような特徴の違いはよく見られます。
算数の場合
ある塾は「計算力の徹底」と「解法の暗記・パターン化」を重視し、短時間で正確に解く力を鍛えます。
しかしその反面、パターンに当てはまらない応用問題や、考え方を変えなければ解けない問題に弱く、入試で新しい形式が出ると対応しにくいという欠点があります。
一方、別の塾は思考力・応用力を前面に押し出し、問題の背景を深く理解させるアプローチを取りますが、基礎計算の反復が不足しがちで、ケアレスミスが増えたり、時間内に解ききれなかったりするケースが目立ちます。
理科の場合
実験や観察を多く取り入れ、理科的思考を養うところも少しはありますが、多くの塾は重要事項の暗記や計算パターンの習得に時間をとられ、実験問題や考察問題、資料の読み取りといった応用力が育ちにくいという弱点があります。
このように、同じ中学受験対策といっても、塾によって「何を重視するか」が大きく異なり、それぞれに明確な穴が存在します。一つの塾が万能ということはなく、むしろ「どこがカバーしきれていないか」を冷静に見極める必要があります。
「塾で教えてもらっていない」ことは、あって当たり前
私の指導現場でよく聞く言葉に、「こんなこと塾では教えてもらっていなかった」というものがあります。
これはあって当たり前です。
塾は限られた時間の中でカリキュラムを組んでいます。すべてのテーマを網羅できるわけではなく、特に応用的な発想や、複数の単元を横断するような問題、またはお子さん一人ひとりのつまずきに合わせたきめ細かい解説は、集団授業ではどうしても後回しになりがちです。
塾で教えてもらえなかったことを、新たに学べることはラッキーだと思いましょう。
私がオンライン家庭教師として指導する中で、「塾ではここまで掘り下げてくれなかった」「この考え方は塾では出てこなかった」という声をいただくことがよくあります。
塾の授業はあくまでベース。足りない部分・抜け落ちた部分を、個別に補うからこそ、本当の理解と得点力につながるのです。
大切なのは「志望校合格に必要な力」を身につけること
塾のシステムに振り回されてはいけません。
塾のテキストを全部やりきること、塾のペースに無理に合わせること、それが目的になってしまっては本末転倒です。
最終的に必要なのは、志望校の入試で合格点をとる力です。
そのために塾を上手に利用しつつ、塾ではカバーしきれない部分を個別でしっかり埋めていきましょう。
集団授業だけではどうしても埋められない「個人差」や「思考の深さ」を、個別指導で補うことで、合格するために必要な力が完成します。
塾は強力なツールなので、活用しない手はありません。
しかし、どの塾も完璧ではなく、必ず抜け落ちる部分や合わない生徒が存在します。
お子さんの性格、現在の学力、志望校の傾向に合わせて、塾の足りない部分をどう補うかを考えることが成功の鍵です。
塾をうまく使いこなしながら、集団では見えにくい弱点を個別に埋めていく。
それが、志望校合格への最も確実な近道です。
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