【会話形式授業】ユイとミサキのディスカッション|なぜ赤道付近は一年中暑いの?
2025/8/11
はじめに
私が普段行っている「ディスカッション形式授業」は、一般的な授業とは少し違います。
質問する側が答えを知らずに聞くのではなく、質問する側がゴールと答えを知っていて、相手を会話で導くというスタイルです。
つまり、知っている側が問いを通して相手の思考を促し、答えにたどり着かせる「逆質問型授業」とも言えます。
この方法は、生徒が自分の頭で考える時間を増やし、理解のプロセスを体験的に身につけられるのが特徴です。
今回はその一例として、女子校に通う同級生のユイとミサキが、地理のテーマ「なぜ赤道付近は一年中暑いの?」をディスカッション形式で深掘りします。
会話本編
ユイ
「ねぇミサキ、赤道付近ってどうして一年中暑いか知ってる?」
ミサキ
「え?そりゃ…赤道だから…暑いんじゃないの?」
ユイ
「名前のせいじゃないよ。じゃあ、日本と赤道付近、同じ太陽なのに温度が違うのはなぜ?」
ミサキ
「距離が違うとか?地球の真ん中に近いから?」
ユイ
「距離はほぼ同じなんだよ。じゃあ太陽の光の当たり方って季節によって変わるの知ってる?」
ミサキ
「あっ、理科で習った!夏は太陽が高くて、冬は低い…」
ユイ
「そうそう。日本は夏と冬で太陽の高さが変わるけど、赤道付近ではどうなると思う?」
ミサキ
「うーん…あまり変わらない?」
ユイ
「正解。ほぼ真上から光が当たる時期が長いから、光が強くて地面がよく温まるの」
ミサキ
「なるほど〜!じゃあ、昼の長さも関係ある?」
ユイ
「いいところに気づいたね。赤道付近は昼と夜の長さがほぼ同じで、一年中12時間くらい昼がある。だから毎日しっかり太陽に温められる」
ミサキ
「へぇ〜!太陽の高さと昼の長さのダブル効果ってことか!」
ユイ
「そういうこと。だから季節の変化もほとんどなく、ずっと暑いんだよ」
ミサキ
「なんかすっきりした!こうやって少しずつ考えると、ただ『赤道は暑い』より覚えやすいね」
まとめ
◎ 赤道付近は一年中太陽の高さが高い
◎ 昼と夜の長さがほぼ同じで、昼が長く安定している
◎ 光の当たり方と昼の長さの両方が、常に地面を温め続ける
ディスカッション形式授業のメリット
◎ 自分で考える習慣が身につく
答えを教えられるのではなく、自分の頭で導き出すため、思考力が鍛えられます。
◎ 知識のつながりを体験できる
質問の流れに沿って答えに近づくため、「点だった知識が線になる」感覚を得られます。
◎ 記憶に残りやすい
自分で答えにたどり着いた経験は、単なる暗記よりも長く記憶に残ります。
◎ 会話を通じて説明力も伸びる
答える側は自分の知識を整理して言葉にするため、説明力や表現力が向上します。
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