【会話形式授業】アヤカとカナのディスカッション|江戸時代の鎖国って本当は何を目的にしてた?
はじめに
私が行っている「ディスカッション形式授業」は、一般的な授業と少し違います。
質問する側が本当に分からなくて聞くのではなく、質問する側が答えとゴールを知っていて、相手を会話で誘導するという方法です。
答える側は会話の中で自分の知識を整理しながら少しずつ真相に近づき、最後に「なるほど!」と自分でたどり着きます。
この形式は、答えを丸暗記するよりも「理解する力」を育てるのに効果的で、会話を通じて知識のつながりを実感できます。
今回は女子校に通う同級生のアヤカ(質問で誘導する役)とカナ(考えて答える役)が、歴史のテーマ「江戸時代の鎖国って本当は何を目的にしてた?」をディスカッション形式で深掘りします。
会話本編
アヤカ
「ねぇカナ、江戸時代の鎖国って何のためにやったと思う?」
カナ
「えー、外国と関わらないためじゃない?…あ、そういうことか、外国嫌いだったとか?」
アヤカ
「うーん、単に嫌いだから閉ざしたっていうより、ちゃんと理由があるんだよ。じゃあさ、もし外国とたくさん貿易したら、当時の日本に何が起きそう?」
カナ
「えーと…外国からいろんな物が入ってくる?いいことじゃないの?」
アヤカ
「確かに便利な物も入るけど、その代わりに外国から何が入ってくる可能性もある?」
カナ
「あ…病気とか?あと外国の考え方とか文化?」
アヤカ
「そう。特に当時の幕府が怖がったのは、文化や宗教の影響。キリスト教が広まると、幕府の支配にどう影響しそう?」
カナ
「えーと…みんなキリスト教信者になったら、幕府の言うこと聞かなくなるかも…?」
アヤカ
「その通り。キリスト教の信仰は海外の権力とつながる可能性があって、幕府は自分たちの力が弱まるのを恐れたんだよ。」
カナ
「なるほど…。じゃあ、鎖国って宗教を防ぐため?」
アヤカ
「それも大きな理由のひとつ。でももうひとつ重要な目的があった。外国と貿易を完全にやめたわけじゃないって知ってる?」
カナ
「あ!長崎の出島とかでオランダと貿易してたやつ!」
アヤカ
「そう。つまり必要な貿易は限定して続けてた。これは経済や技術をコントロールするためでもあったんだよ。」
カナ
「外国の影響を受けすぎないようにしつつ、必要なものだけ取り入れるってことか!」
アヤカ
「正解。だから鎖国は“完全な閉鎖”じゃなくて、“コントロールされた開放”だったんだ。」
カナ
「なんかイメージ変わった!ただ閉じこもってたんじゃなくて、ちゃんと理由があってやってたんだね。」
まとめ
◎ 鎖国は外国文化や宗教(特にキリスト教)の広まりを防ぐために行われた
◎ 幕府の権力を守り、国内の統制を維持する狙いがあった
◎ 完全な閉鎖ではなく、必要な貿易は限定的に行っていた
ディスカッション形式授業のメリット
◎ 考えるプロセスを体験できる
質問で誘導されることで、単なる知識の暗記ではなく、考えて理解する習慣が身につきます。
◎ 知識のつながりが見える
歴史の出来事を単発で覚えるのではなく、原因や背景を関連づけて理解できます。
◎ 記憶が長く残る
自分で答えにたどり着いた経験は印象が強く、忘れにくくなります。
◎ 説明力が育つ
答える過程で自分の考えを言葉にするため、表現力や整理力が向上します。