勉強は「他人(ひと)のため」にやるものかもしれません。|宿題は「先生との約束」です。
みなさんこんにちは!講師の富岡です。
今回は勉強そのものについてお話ししたいと思います。
中高一貫校の中弛み時期には、勉強についていつも悪魔みたいな質問が飛んでくるものです。それは、
受験もないのになんで勉強しなきゃいけないの?
この質問って、とても素朴なのですがとても答えづらいですよね。。
よくある一般的な回答としては
将来の選択の幅を広げるため、自分のためにやるものだ
というものがあります。
もちろん、これも正しいと思います。勉強は将来の選択肢を広げてくれます。それがひいては自分のためになるからです。
しかし人間というのは悲しいかな、自分には甘い生き物です。ここは認めた方が良いでしょう。
ですから「自分のため」と言われても、まあそんなもんか〜くらいで終わってしまうでしょう。
もちろん、後になって「あー、あのときもっと勉強しておけば大人になってからこんなに苦労しなくて済んだのに!」となるのは、大人の目から見れば容易に想像できるのでしょうが、当事者である生徒本人にはまだわからないものです。
しかも今の時代はさまざまな情報が流れてくる時代です。
勉強しなくてもお金を稼ぐ方法や、それで成功している人などがSNSなどで流れてくるようになりました。
易きに流れがちな私たちは、どうしてもそうした一握りの成功事例に飛びつきがちです。
また、中学、高校という時期は人にとってはとても楽しい時期で、勉強なんて二の次、部活動や交友関係にばかり目が向きがちな時期でもあります。
そのような状況にいる子どもたちに「自分のために勉強する」とだけ説いても、当事者意識が芽生えずに終わってしまうことでしょう。
だからこそ、視点をずらしてみたいと思うのです。
勉強は「他人(ひと)のためにやるもの」という考え方です。
具体的にお話しします。
宿題が出されますよね。「宿題」って生徒からすれば「しかたなくやるもの」と映るかもしれません。しかし、プロの先生は宿題の選定・作問にかなりの時間を割いています。
目の前の生徒の現状を分析して、こなす意義のある課題をチョイスします。
この時間は全て授業時間の外で行われます。どうすれば受け持ちの生徒の成績を上げられるか毎日のように考えながら先生方は宿題を作成しています。
そのような経緯で宿題が毎回出されているのです。
それを「面倒くさいからやらない」「提出しない」というのは、自己都合で「他人との約束」を破っているのと一緒です。
ベクトルが自分にしか向いていないとそういうことを平然と行なってしまいます。
確かに、相手が自分のためにどれだけの時間と苦心を払っているかというのはなかなか感じにくいものですよね(親の心子知らずとはよく言ったものです)。
ですが、勉強を通してそれを少しずつ知ってほしいのです。
宿題は一例です。宿題を通して「先生との約束だからやる」となるだけでも大きな一歩です。
しかし、他にも「他人のため」という意味があるのです。
社会に出たらそれこそよくわかると思いますが、本当に色々な人がいますね。
社会は結構シビアですから、自分にしかベクトルが向かっていない人に対しては社会は相手にすらしてくれません。
「この人魅力的だな」「この人と一緒に仕事したいな」と思ってもらうためには、相手にもベクトルが向けられる必要があります。
よく使われる言葉で言えば「テイカー(taker)」ではなく「ギヴァー(giver)」になってほしいのです。勉強を通して、他人にベクトルを向ける練習をしてほしいのです。
「やってもらう」ことが当たり前になると、人は裸の王様になります。まだまだ中学生・高校生だからとなんでもやってあげてしまうと、本当にそのまま裸の王様の大人になってしまいます。
さらに、知識をしっかりと身につけておくこともまた「他人のため」に大切です。
言い方は悪いかもしれませんが、基礎知識のない人、話の通じない人と関わりたいと思うでしょうか?
人々の行動を観察してみると、自然とそういう人を避ける傾向にあります。
自分が相手を見ているように、相手もまた自分を見ているのです。
これまたシビアですが、自分は選ぶ側のようでいて実は選ばれる側でもあるのです。
中学生・高校生の間は自己都合で許されることも、そこから先は急に許されなくなります。「急に」です。
間に期間がほとんどないのです。
だからこそ、勉強を通して「他人のため」という視点を身につけておいてほしいのです。
自分に強く向いているベクトルを、外の他人に向けるトレーニングをしておきたいものです。
まずは高尚なことは一旦置いておいて、目の前の「宿題」をこなしてみてください。
宿題とは、「先生との約束」です。
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