小論文に「正解」は存在します【合格する総合型選抜対策】
2024/8/26
総合型選抜や学校推薦型など、推薦入試を受験なさる受験生の皆さん、小論文対策は進んでいますか? それにしても暑いですね。
というわけで、今日は、小論文には正解が存在する、ということについてお話したいと思います。
小論文における正解とは?
端的に申し上げれば、課題文型の小論文に関しては、正解が存在します。何が正解かといえば、課題文から浮き上がってくる論点を的確に押さえられていれば、それが正解です。
例えば、科学と倫理が課題文において対立しており、かつ著者が倫理にアクセントを置いている場合、著者の主張は「科学も大事だが倫理の方がより大事ではないか」というものだったりします。ざっくりした説明で申し訳ないのですが、要するに課題文というのは、2つの概念の対立構造で成っており、著者は必ず、どちらかにアクセントを置いているものです。
課題文から対立する2つの概念と、著者の主張をとることができれば、それが正解です。
あとは書き方の型を押さえておけばどのように書いても特に差し支えないでしょう。ただし医学部や看護学部など倫理を重視する学部学科においては、倫理について熟考のうえ、「人間とは何か」を「情緒的ではない書き方で」論述できればベターでしょう。
小論文の難問
課題文が与えられない小論文の場合、出題傾向は2パターンです。
1つは、例えば「多様性について多角的に800字で論じなさい」という比較的柔らかいもの。
今一つは、例えば「本物とは何かについて1000文字くらいで論じなさい」という、どこから手をつけたらいいのやらさっぱりわからないもの。
その2つに大別できます。
前者はおそらく、複数の見方を並列で提示できればよいので、ある程度いろんな小論文の先生が教えることが可能だと思います。
後者が難しい。したがって、高偏差値の大学でしか出題されない傾向にあります。
例えば、早稲田大学の問題はたった1行でした。「ゲームについて1000文字程度で論じなさい。」
お茶の水女子大の過去問もたった1行です。「本物とは何かについて論じなさい。」
泣きそうでしょ?
演繹法で考えても帰納法で考えてもどちらでも構いませんが、例えば、本物とはなにかという自分の主張と、なぜそう考えたのかという根拠(論拠)を書けばよいです。(例:本物とは錯覚がもたらす思い込みのこと(偽の概念のこと)である。なぜなら、あるものを本物と断定する根拠となる素材の真偽は究極的には真と言い切れないからだ。)
暑くて頭がまわらないので、それについては後日、気が向いた時にブログの中でお話します。
では、お互いにがんばって勉強しましょう。
体調管理に気をつけてね。
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