総合型・学校推薦型対策

総合型選抜における志望理由書の重要性と合格のポイント

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2025/8/21

私が主催するオンライン個別塾のブログに書いたきり、こちらに転載するのを忘れていました。受講中の方は私の授業の復習としてお読みください。親御さんにおかれましては、私の授業内容として以下をご理解ください。うちの子はこんな授業を受けてるのか、とーー。

未受講の方はご参考までに・・・・。



0:はじめに

総合型選抜(旧AO入試)は、近年ますます注目を集めています。一般入試とは異なり、学力試験だけでなく、志望理由書や面接、小論文、プレゼンテーションなど多角的に評価される入試制度です。その中でも特に大きな比重を占めるのが「志望理由書」です。

しかし、各大学の採点基準は非公開であるため、受験生や保護者の方にとって「何が評価されるのか」は非常に気になるポイントでしょう。

私はこれまで毎年、多くの受験生を指導してきました。その経験から見えてきたのは、合格する生徒とそうでない生徒の違いは、志望理由書に「大学での研究テーマ」がしっかり書かれているかどうかにある、ということです。本記事では、その理由と具体的な対策方法について詳しく解説します。


1:なぜ志望理由書に研究テーマが必要なのか

総合型選抜は「その大学で何を学び、将来どう社会に貢献していくのか」を評価する入試制度です。単なる「大学に入りたい理由」や「その学部を選んだ動機」を書くだけでは弱く、大学で取り組みたい具体的な研究テーマを提示することが、説得力のある志望理由書につながります。


研究テーマを明確にすることで、


  • 学問への関心の深さ
  • 論理的な思考力
  • 自分の経験と学びたい内容の接続


これらをアピールできます。つまり、研究テーマを持っているか否かが、合否を左右する大きな分かれ目になるのです。


2:研究テーマは高校生活から導き出す

では、研究テーマはどのように決めればよいのでしょうか。ポイントは、高校生活で取り組んできたことと結びつけることです。部活動、課題研究、ボランティア、趣味の活動、アルバイトなど、どんな経験からでも研究テーマを導き出すことが可能です。


「自分は特に頑張ったことがない」と感じる生徒でも大丈夫です。私の講座では、対話を通じてその人ならではの関心や問いを掘り起こし、必ず研究テーマを見つけ出します。研究テーマとは、突き詰めれば「自分は何に疑問を持ち、何を解明したいのか」という問いのことなのです。


3:研究テーマは「1行」で表現する

志望理由書に書く研究テーマは、シンプルに「1行」で表すのが理想です。たとえば、


  • 「地域動物園の役割と地域創生への貢献」
  • 「玩具デザインが子どもの発達心理に与える影響」
  • 「ラグビー文化と青少年のメンタルヘルス」


といった具合です。1行で明確に表現することで、大学の先生方に「この生徒は何を研究したいのか」が即座に伝わります。


4:研究テーマを支える「先行研究」

テーマを設定したら、必ず「先行研究」をする必要があります。これは高校生にとっては少しハードルが高いかもしれませんが、避けて通れないステップです。


先行研究することで、


  • そのテーマが学問的にどのように扱われてきたか
  • 既にどのような研究成果があるのか
  • まだ研究されていない視点はどこか


を理解できます。これらを踏まえた上で「私はここに着目したい」と述べれば、大学の先生から見ても非常に説得力のある志望理由書になります。


5:先行研究の調べ方

先行研究は、ネットで公開されている論文や、志望大学の教授陣の専門分野から探すのが基本です。

たとえばCiNii(国立情報学研究所の論文検索サービス)や各大学の研究者ページは、高校生でも利用しやすい情報源です。


私の講座では、一緒に検索方法を学び、どの論文を参考にすれば良いかを具体的に指導します。人によっては3コマ程度で十分に先行研究の整理ができる場合もありますし、5コマ〜10コマかけてじっくり取り組む場合もあります。大切なのは、自分の研究テーマを裏づける確かな知識を持つことです。


6:卒業論文と志望理由書は似ている

私は大学生の卒業論文指導もしていますが、実は卒業論文と志望理由書の構造はとても似ています。卒業論文はテーマを決めることが仕事の8割です。テーマさえ決まれば、あとは構成を立てて書き進めるだけで、ほぼ機械的な作業になります。


志望理由書も同じで、テーマがしっかり決まっていれば、文章の骨格が自然と決まります。つまり、「志望理由書が書けない」と悩む生徒の多くは、まだ研究テーマが定まっていないだけなのです。


7:合格する志望理由書の具体的な流れ


  1. 高校生活の経験を整理する
  2. そこから「問い」を見つける
  3. 研究テーマを1行で表現する
  4. 先行研究を調べる
  5. 志望大学の教授の専門領域と結びつける
  6. 「だからこの大学で学びたい」と結論づける


この流れで志望理由書を作成すれば、合格の可能性は大きく高まります。


8:講座での指導について

現在、人見読解塾を中心に、多くの受験生を指導しています。おかげさまでほぼ満席の状態ですが、単発受講であればスポット枠に空きがある場合もあります。


「研究テーマが見つからない」「先行研究の調べ方が分からない」「志望理由書がまとまらない」

といった悩みを抱えている方は、ぜひ一度お問い合わせください。一緒に研究テーマを発見し、合格に近づく志望理由書を仕上げていきましょう。


9:まとめ:研究テーマこそ合格の鍵

総合型選抜において、志望理由書は単なる自己PRではなく、「大学で何を研究したいのか」を伝える場です。合否を分ける最大のポイントは、研究テーマの有無だと言っても過言ではありません。


研究テーマを1行で表現し、先行研究で裏づけを取り、志望大学の教授の研究分野と結びつける。この流れを踏めば、大学の先生に「この学生は本気だ」と思わせることができます。


総合型選抜での合格を目指すなら、ぜひ「研究テーマ探し」から始めてください。そしてそのサポートを必要とするなら、私の講座がお役に立てるはずです。

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