歴史勉強方法 徹底検討 (第2回) 「点数につながる歴史勉強の正しい順番」― 何から手をつけるべきか、を具体的に解説します
「毎日勉強しているのに、社会だけ点数が伸びない」
そんな悩みを持つ人は、実は少なくありません。
でもそれは、努力不足ではなく、
試験ごとに求められる“社会の力”を取り違えているだけのことが多いのです。
中学受験の社会は「覚えた量」では決まらない
中学受験の社会でよくある失敗が、
「一問一答を全部覚えれば点が取れるはず」という思い込みです。
たとえば歴史で
「鎌倉幕府ができた年は?」
と聞かれることは、実はそれほど多くありません。
むしろ問われるのは、
「なぜ武士が政治の中心になったのか」
「なぜ京都ではなく鎌倉だったのか」
といった理由や背景です。
地理でも同じです。
「この県の特産品は〇〇」という暗記だけでは足りません。
「なぜこの地域では〇〇が盛んなのか」
――地形・気候・交通と結びつけて説明できるかが問われます。
中学受験の社会は、
ストーリーを理解しているかどうかが点数を分けます。
高校受験の社会は「流れで使えるか」が勝負
高校受験になると、
社会は一気に問題演習型になります。
ここでつまずく生徒に多いのが、
「用語は覚えたけれど、並び替え問題ができない」状態です。
たとえば
大化の改新 → 班田収授法 → 墾田永年私財法
この流れを「年号」ではなく、
「制度がどう変化したか」で説明できるでしょうか。
公民でも同様です。
選挙制度や三権分立を、
文章や資料を読んで判断できなければ得点につながりません。
高校受験の社会で必要なのは、
基礎知識を“使える形”にしておくことです。
大学入試(世界史・日本史)は「説明できて初めて知識」
大学入試では、
「知っている」だけでは、ほぼ点数になりません。
世界史で
「フランス革命=1789年」
と答えられるだけでは不十分です。
問われるのは、
・身分制社会
・財政危機
・啓蒙思想
がどう絡み合って革命につながったのか、という構造理解です。
日本史でも同じです。
「鎖国=外国を閉め出した政策」では足りません。
長崎・対馬・薩摩・松前という
「例外的に認められた窓口」まで含めて説明できて、
はじめて得点になります。
大学入試の社会は、
背景を言葉で説明できるかどうかがすべてです。
まとめ|同じ「社会」でも、別の科目
中学受験では
👉 なぜ?を説明できる理解力
高校受験では
👉 流れと基本知識の運用力
大学入試では
👉 構造を言語化する力
が、それぞれ求められます。
だからこそ、
同じ勉強法を続けていると、どこかで必ず伸び止まるのです。
次回は、
この違いを踏まえた
「学年別・やってはいけない社会の勉強法」を解説します。
「頑張っているのに伸びない」状態から抜け出すために、
一緒に、正しい順番で土台を整えていきましょう。