オンライン家庭教師マナリンク
社会

歴史勉強方法 徹底検討 (第2回) 「点数につながる歴史勉強の正しい順番」― 何から手をつけるべきか、を具体的に解説します

2025/12/31

「毎日勉強しているのに、社会だけ点数が伸びない」
そんな悩みを持つ人は、実は少なくありません。

でもそれは、努力不足ではなく、
試験ごとに求められる“社会の力”を取り違えているだけのことが多いのです。

中学受験の社会は「覚えた量」では決まらない

中学受験の社会でよくある失敗が、
「一問一答を全部覚えれば点が取れるはず」という思い込みです。

たとえば歴史で
「鎌倉幕府ができた年は?」
と聞かれることは、実はそれほど多くありません。

むしろ問われるのは、
なぜ武士が政治の中心になったのか
なぜ京都ではなく鎌倉だったのか
といった理由や背景です。

地理でも同じです。
「この県の特産品は〇〇」という暗記だけでは足りません。
なぜこの地域では〇〇が盛んなのか
――地形・気候・交通と結びつけて説明できるかが問われます。

中学受験の社会は、
ストーリーを理解しているかどうかが点数を分けます。

高校受験の社会は「流れで使えるか」が勝負

高校受験になると、
社会は一気に問題演習型になります。

ここでつまずく生徒に多いのが、
「用語は覚えたけれど、並び替え問題ができない」状態です。

たとえば
大化の改新 → 班田収授法 → 墾田永年私財法
この流れを「年号」ではなく、
「制度がどう変化したか」で説明できるでしょうか。

公民でも同様です。
選挙制度三権分立を、
文章や資料を読んで判断できなければ得点につながりません。

高校受験の社会で必要なのは、
基礎知識を“使える形”にしておくことです。

大学入試(世界史・日本史)は「説明できて初めて知識」

大学入試では、
「知っている」だけでは、ほぼ点数になりません。

世界史で
「フランス革命=1789年」
と答えられるだけでは不十分です。

問われるのは、
身分制社会
財政危機
啓蒙思想
がどう絡み合って革命につながったのか、という構造理解です。

日本史でも同じです。
鎖国=外国を閉め出した政策」では足りません。

長崎・対馬・薩摩・松前という
例外的に認められた窓口」まで含めて説明できて、
はじめて得点になります。

大学入試の社会は、
背景を言葉で説明できるかどうかがすべてです。

まとめ|同じ「社会」でも、別の科目

中学受験では
👉 なぜ?を説明できる理解力

高校受験では
👉 流れと基本知識の運用力

大学入試では
👉 構造を言語化する力

が、それぞれ求められます。

だからこそ、
同じ勉強法を続けていると、どこかで必ず伸び止まるのです。

次回は、
この違いを踏まえた
「学年別・やってはいけない社会の勉強法」を解説します。

「頑張っているのに伸びない」状態から抜け出すために、
一緒に、正しい順番で土台を整えていきましょう。

このブログを書いた先生

社会のオンライン家庭教師一覧

社会のブログ

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】vol.18 南米編 その4

アンデスの山を越え、密林へ―― インカ帝国と「見えない境界線」の物語石畳の都クスコを起点に、インカ帝国はどこまで広がっていったのか。地図を広げてみると、その版図は南北に細長く、アンデス山脈に沿って伸びています。けれど、ある地点を境に、帝国の勢いはふっと弱まる。山を越えた先に広がるのは、無限に続く密林――アマゾンです。今回は、「インカ帝国はどこまで支配できたのか」そして「なぜ、そこから先へ進まなかったのか」を、旅する視点で読み解いていきます。インカ帝国は“世界最大級の山岳国家”だったインカ帝国の最大の特徴は、標高3000〜4000メートルのアンデス山脈を舞台に成立した文明であることです。山の斜面...続きを見る
そらの写真
そらオンライン家庭教師
2025/12/28

歴史勉強方法 徹底検討 (第1回) 歴史が伸びない人に共通する3つの勘違い

― 暗記量・一問一答・ノート信仰の落とし穴ー※ ここで紹介する3つの学習方法は、決して「間違った勉強法」ではありません。多くの受験生が実践し、実際に成果を出してきた方法でもあります。ただし、あるポイントを意識せずに使ってしまうと、努力のわりに点数につながりにくくなるのも事実です。この記事では、それぞれの学習法を否定するのではなく、「どう使えば、効率と定着が劇的に上がるのか」という視点で整理していきます。「歴史はちゃんと勉強しているのに、なぜか点数が伸びない」これは受験生から本当によく聞く悩みです。話を聞いてみると、多くの場合、努力が足りないのではなく、努力の“向き”が少しズレているだけ。今回...続きを見る
そらの写真
そらオンライン家庭教師
2025/12/24

クスコを起点に、さらにインカ世界の奥へ―― 石の都から広がる「帝国のしくみ」を歩く旅

標高3,400メートル。アンデスの山々に抱かれた都市、クスコ。かつてここは、広大なインカ帝国の心臓部でした。しかし、クスコは「ゴール」ではありません。むしろ――ここからが本当のインカ世界の始まりです。① クスコは「聖なる中心」だったインカの人々にとって、クスコは単なる首都ではありません。太陽神インティに選ばれた都帝国全体を束ねる宗教・政治の中心街の形そのものが、聖獣ピューマを模して造られていたとも言われます。つまりクスコは、「帝国の象徴」そのものだったのです。② 道が語る、インカ帝国の広がりクスコを起点に、四方八方へと延びる石畳の道。これが**インカ道(カパック・ニャン)**です。総延長 約4...続きを見る
そらの写真
そらオンライン家庭教師
2025/12/21

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】vol.16 南米編その2

ケチュアの魂が響く――クスコとインティ・ライミ石畳の道を踏みしめるたび、胸の奥が静かにざわつく。「ここが、インカ帝国の中心だった場所なのか」と思わず足を止めてしまうほど、クスコという都市には“時を超えてくる力”がある。標高3,400m。乾いた空気、透明な光。(富士山に近い場所にあるまさに天空の街)視界に飛び込んでくるのは、スペイン植民地都市として整えられた街並みと、その下に脈々と息づくインカの世界観。まさに「過去」と「現在」が重なる都市だ。ここから、インカ文明の核心へと入り込んでいこう。🔶 1. 太陽の神殿コリカンチャ――光に満ちた“宇宙観の中心”クスコの街のど真ん中に鎮座するのが、太陽神殿コ...続きを見る
そらの写真
そらオンライン家庭教師
2025/12/14

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】vol.15 南米編 その1

文明が空へ伸びた場所――マチュピチュとインカの世界南米編の最初の舞台は、南米・アンデスの誇り――マチュピチュ。標高2,400m、雲の切れ間に姿を現す“天空都市”は、世界遺産である前に、インカ帝国の精神が凝縮された聖地でもあります。■ インカ帝国が「石」をここまで大切にした理由インカ文明の石組みは、カミソリ一枚通さない精度で知られています。その理由は、単なる技術力の高さではなく、石に“生命力=カミ”が宿るというインカ固有の世界観にあります。とくに《アプ(聖なる山)》信仰では、山は神そのもの。マチュピチュの建築も、山の稜線・地形に合わせて“削らず、寄り添うように”設計されています。文明とは「自然を...続きを見る
そらの写真
そらオンライン家庭教師
2025/12/7

この先生の他のブログ

そらの写真

【GMARCH攻略・短期集中シリーズ】英語④ 読解力に直結する 「テーマ別で鍛える長文読解の型」

2025/12/31
センスではなく、再現性GMARCHの長文を読んでいると、「内容はなんとなく分かった気がするのに、設問で外れる」そんな経験をした人は多いはずです。原因はシンプルです。長文を“文章”として読んでいて、“構造”として読めていない。GMARCH長文には、テーマごとにほぼ決まった言い回し=定型文があり、それは...
続きを読む
そらの写真

【世界を旅した先生が伝えたい!歴史への興味がグッと深まる「旅×学び」のススメ】vol.18 南米編 その4

2025/12/28
アンデスの山を越え、密林へ―― インカ帝国と「見えない境界線」の物語石畳の都クスコを起点に、インカ帝国はどこまで広がっていったのか。地図を広げてみると、その版図は南北に細長く、アンデス山脈に沿って伸びています。けれど、ある地点を境に、帝国の勢いはふっと弱まる。山を越えた先に広がるのは、無限に続く密林...
続きを読む
そらの写真

【英語ブログ】語彙が少なくても戦える! 「推測読み」の技術

2025/12/26
「単語が分からないと、長文は読めない」そう思い込んでいる受験生はとても多いです。ですが、GMARCHレベルの長文を分析していくと、実は“すべての単語を知っている必要はない”ことが分かります。むしろ、合否を分けるのは👉 知らない単語が出てきたとき、どう対応できるかこの一点です。今回は、語彙に自信がなく...
続きを読む
そらの写真

歴史勉強方法 徹底検討 (第1回) 歴史が伸びない人に共通する3つの勘違い

2025/12/24
― 暗記量・一問一答・ノート信仰の落とし穴ー※ ここで紹介する3つの学習方法は、決して「間違った勉強法」ではありません。多くの受験生が実践し、実際に成果を出してきた方法でもあります。ただし、あるポイントを意識せずに使ってしまうと、努力のわりに点数につながりにくくなるのも事実です。この記事では、それ...
続きを読む