「読めている“つもり”から抜け出す 国語・読解力の正体」 第2回 全部わかろうとする人ほど、なぜ国語で失点するのか
国語が苦手な生徒ほど、実はとても真面目です。
文章を最初から最後まで丁寧に読み、
知らない言葉は気になり、
一文一文を理解しようと努力します。
―― それなのに点が取れない。
むしろ
「雑に読んでいるように見える人」の方が
正解してしまう。
ここに、読解の大きな誤解があります。
国語は「理解度テスト」ではない
多くの人が、国語をこう考えています。
内容を理解できた人が点を取る科目
ですが実際の試験は違います。
問題が求めた部分だけを正確に読めた人が点を取る科目
つまり国語は
文章の理解量を競う試験ではありません。
必要なのは
「全部をわかる力」ではなく
「必要なところを当てる力」です。
なぜ“全部理解しようとする”と失点するのか
①重要度の差が消える
文章には階層があります。
筆者の主張(最重要)
主張の理由(重要)
具体例(補助)
比喩・装飾(読み物)
ところが、全部理解しようとすると
すべて同じ重さで処理してしまいます。
結果
具体例を覚えて、主張を落とす
という逆転が起きます。
国語の失点の多くはこれです。
②記憶容量がオーバーする
人が一度に意識できる情報量は限られています。
全部理解しようとすると、
脳内はこうなります。
人名
状況
比喩
感情
展開
大量の情報で埋まり、
肝心の「答えの根拠」が残りません。
だから
読んだのに、選択肢を選べない
が起きます。
③設問とズレる
試験は文章のテストではなく
設問のテストです。
しかし全部理解型の人は
「文章の理解」をゴールにしてしまう。
その結果、
問題:「理由を答えよ」
思考:「この人の気持ちは…」
というズレが起きます。
これが記述で点が入らない最大の原因です。
読解は“削る”技術
国語ができる人は、実は多くを読んでいません。
正確に言えば
読まない部分を決めています
読解とは加える作業ではなく
捨てる作業です。
重要なのは3つだけです。
1.筆者の結論
2.それを支える理由
3.設問が聞いている箇所
それ以外は
「理解しても点にならない可能性が高い情報」です。
実戦での読み方の変化
失点する読み方
→ 全部理解してから問題へ
得点できる読み方
→ 問題が聞きそうな場所を意識して読む
この違いだけで、
同じ文章でも結果が変わります。
まとめ
国語が苦手な人ほど努力しています。
ただし努力の方向が逆です。
全部わかる → 不安は減るが点は増えない
必要だけ当てる → 不安は残るが点は増える
試験は後者を評価します。
読解力とは
理解力の量ではなく、
判断力の精度です。
次回は
「設問を先に読む」は本当に有効なのか
読み順と得点の関係を整理します。