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【帰国子女の高校受験⑤】公立高校の帰国生入試、実際の試験内容は?教科・面接・作文を徹底整理

2026/10/2

■「帰国生だから英語だけでいい?」実際の入試科目を地域別に確認しよう

「帰国子女なので、英語は得意です。」

「海外の学校に長くいたので、一般入試とは違う勉強をしたほうがいいですよね?」

帰国生の高校受験を考えるご家庭では、こうした疑問を持つことが少なくありません。

たしかに、海外で生活していた生徒にとって英語は大きな強みになる場合があります。

しかし、帰国生の高校入試を調べていくと、意外なことに気づきます。

帰国生入試だからといって、英語だけを受ければよいわけではありません。

実際には、

  • 国語・数学・英語

  • 英語・数学+面接

  • 国語・数学・英語+面接

  • 国語・数学・英語+作文+面接

など、地域や学校によって試験内容は異なります。

さらに、一般入試と同じ問題を使う地域もあれば、帰国生向けの選抜として別の扱いをする地域もあります。

今回は、東京都・神奈川県・埼玉県・愛知県・大阪府などを例に、

「帰国生の高校入試では、実際に何を受けるのか?」

を具体的に整理します。

1.まず結論――「帰国生=英語だけ」ではありません

最初に、一番大切なことをお伝えします。

帰国生入試だからといって、英語だけ対策すればよいとは限りません。

むしろ公立高校の帰国生選抜では、

国語・数学・英語の3教科

が基本となっている地域が少なくありません。

さらに、

面接

が加わるケースもあります。

そして学校によっては、

作文

まで課されます。

例えば、令和9年度の埼玉県「帰国生徒特別選抜」では、国語・数学・英語の学力検査に加えて個人面接が行われます。しかも学力検査は一般募集と同じ時刻・同じ問題です。

神奈川県の海外帰国生徒特別募集では、神奈川総合高校・国際文化コースの例で、英国数の学力検査、面接、作文が実施されています。

つまり、

「帰国生だから一般入試とはまったく違う勉強をする」

というより、

「帰国生向けの制度で何が評価されるのかを確認してから、必要な対策を組み立てる」

ことが大切です。

2.東京都――国語・数学・英語+面接

東京都では、都立高校に「海外帰国生徒対象の選抜」が設けられています。

令和9年度の実施要綱では、検査教科等として、

・国語

・数学

・外国語(英語)

面接

が設定されています。

国語には作文も含まれます。

各教科は100点満点で、国語・数学・英語の3教科に加えて面接が行われます。

つまり東京都の帰国生選抜では、

「英語が得意だから英語だけ頑張ればいい」

という考え方はできません。

国語・数学も入試科目として準備する必要があります。

さらに国語には作文が含まれるため、

「日本語で文章を読み、考え、書く力」

も重要になります。

海外生活が長い生徒の場合、英語力だけでなく、

・日本語の語彙

・漢字

・読解

・記述

・作文

についても早めに確認しておきたいところです。

3.埼玉県――帰国生選抜でも「一般募集と同じ問題」

埼玉県は、帰国生入試を考えるうえで非常に重要なケースです。

令和9年度の帰国生徒特別選抜では、

国語・数学・英語

の学力検査を実施します。

そして、

一般募集と同一時刻・同一問題

で行われます。

さらに、

個人面接

も実施されます。

これは非常に大切なポイントです。

なぜなら、

「帰国生用の入試だから、一般入試の問題とは別物」

とは限らないからです。

埼玉県の場合、

帰国生として出願する制度は別でも、学力検査そのものは一般募集と共通

です。

したがって、埼玉県を受験する場合は、

国語

数学

英語

について、一般的な高校入試レベルの学力をしっかり準備しておく必要があります。

そして、それに加えて面接対策も行います。

4.神奈川県――「3教科+面接+作文」のケースも

神奈川県では「海外帰国生徒特別募集」が設けられています。

学校によって検査内容は異なりますが、神奈川総合高校の国際文化コースでは、

  • 英語

  • 国語

  • 数学

  • 面接

  • 作文

が実施されます。

さらに、選考では学力検査だけではなく、

面接・作文も点数化して総合的に判定

する仕組みになっています。

ここから分かるのは、

帰国生入試では「教科の点数だけを見る」とは限らない

ということです。

海外でどのような経験をしてきたのか。

なぜその高校を志望するのか。

高校で何を学びたいのか。

将来どのようなことを考えているのか。

こうした内容を、

面接や作文を通して伝える力

も必要になる場合があります。

5.愛知県――国語・数学・英語の3教科+面接

愛知県にも「海外帰国生徒にかかる入学者選抜」があります。

令和9年度の愛知県の資料では、海外帰国生徒選抜について、

  • 学力検査

  • 面接

が設定されています。

愛知県の制度では、海外帰国生徒選抜の学力検査について、国語・数学・英語の3教科を資料として扱う仕組みが設けられています。過去の県公式Q&Aでも、一般選抜では5教科を受検しつつ、帰国生徒選抜の判定では国語・数学・英語の3教科を用いることが示されています。

ここで大切なのは、

「社会・理科が完全に無関係」と決めつけないこと

です。

愛知県では、帰国生徒選抜で合格とならなかった場合に、社会・理科を含む一般選抜の学力検査成績などを用いて一般選抜の校内順位を決定する仕組みがあります。

つまり、愛知県では、

帰国生選抜と一般選抜の関係

まで理解したうえで勉強する必要があります。

6.大阪府――数学・英語・面接が中心

大阪府の「海外から帰国した生徒の入学者選抜」も特徴的です。

大阪府の制度説明では、帰国生選抜は原則として、

外国において継続して2年以上在留し、帰国後2年以内

の生徒を対象とし、

数学・英語・面接

によって判定するとされています。

つまり、東京都・埼玉県などと比較すると、

国語が試験科目に含まれない

という違いがあります。

これは受験生にとって大きな違いです。

例えば大阪府の対象となる高校・学科を受験するのであれば、

数学・英語の学力検査+面接

を軸に準備することになります。

一方で、

「大阪だから帰国生なら必ずこの3つ」

と考えるのも危険です。

実際の対象校・学科や年度ごとの募集要項を確認する必要があります。

大阪府は令和9年度の公立高校入試情報を公式ページで公開しており、選抜方法や実施校などを年度ごとに確認できます。

7.地域別に見ると、試験内容はこう違う

ここまでを整理すると、次のようになります。

地域帰国生選抜の主な検査例特に注意したい点

東京都:国語・数学・英語・面接国語には作文を含む

埼玉県:国語・数学・英語・個人面接学力検査は一般募集と同一問題神奈川県英語・国語・数学・面接・作文の例あり学校によって確認が必要

愛知県:国語・数学・英語・面接一般選抜との関係にも注意

大阪府:数学・英語・面接対象校・学科を確認

※上表は制度の違いを理解するための代表例です。学校・学科・年度によって異なる場合があります。必ず受験年度の最新募集要項をご確認ください。

こうして見ると、

「帰国生入試」という名前が同じでも、中身はかなり違う

ことが分かります。

8.「英語が得意だから有利」とは限らない

帰国生の大きな特徴の一つが、

英語力の高さ

です。

海外の学校に通っていた生徒であれば、

  • 英会話

  • リスニング

  • 読解

  • 語彙

  • 発音

などで強みを持っているケースがあります。

しかし、高校入試では、

「英語が話せる」=「英語の入試問題で高得点を取れる」

とは限りません。

高校入試では、

  • 文法

  • 語法

  • 長文読解

  • 語彙

  • 英作文

  • 日本語との意味の対応

など、日本の学校で学ぶ英語とは異なる部分も問われます。

そのため、

◎海外生活で身につけた英語力+日本の高校入試形式への適応

という2つの視点が重要です。

9.国語は「帰国生が見落としやすい科目」の一つ

帰国生の高校受験で、英語以上に注意したい場合があるのが国語です。

海外生活が長くなると、

  • 日本語を読む量が減る

  • 漢字を書く機会が減る

  • 日本語の語彙に触れる機会が減る

  • 日本語で長い文章を書く機会が減る

ということがあります。

もちろん、海外生活中も日本語の読書や家庭での日本語使用が十分であれば問題ない場合もあります。

ただし、

「日本語は母語だから大丈夫」

と最初から判断するのは避けたいところです。

特に東京都のように、国語に作文が含まれる制度では、

読解だけでなく「日本語で考えて書く力」

まで確認する必要があります。

10.数学は「海外で学んだ内容との差」に注意

数学も帰国生が確認しておきたい科目です。

海外の学校では、日本とは、

  • 教材

  • 学習順序

  • 用語

  • 記号

  • 単元の扱い

などが異なる場合があります。

例えば日本の中学校では、

  • 正負の数

  • 文字式

  • 方程式

  • 関数

  • 図形

  • 確率

  • データの活用

などを体系的に学びます。

しかし、海外では同じ単元でも、

学ぶ時期や名称、問題形式が違う

場合があります。

そのため帰国生の場合、

「数学が苦手」というより、

「日本の高校入試で必要な範囲をまだ一通り経験していない」

というケースがあります。

この場合は、苦手分野を闇雲に勉強するより、

日本の中学校3年間の学習範囲を一度チェックする

ことから始めるとよいでしょう。

11.面接では「海外経験そのもの」だけが問われるわけではない

帰国生選抜では、面接が設定されるケースも多くあります。

ここで、

「海外での経験をたくさん話せばいい」

と考える必要はありません。

むしろ重要なのは、

・なぜその高校なのか

・高校で何を学びたいのか

・海外でどのような経験をしたのか

・その経験を高校生活でどう生かしたいのか

といった内容を、

自分の言葉で一貫して説明できること

です。

例えば、

「海外に3年間住んでいました」

だけでは、単なる経歴の説明です。

そこから、

「現地校で異なる文化を持つ生徒と学ぶ経験をしました。その経験から、○○に興味を持ち、高校では○○についてさらに学びたいです。」

というように、

経験→気づき→高校でやりたいこと

につなげられると、話に一貫性が出ます。

12.作文では「日本語力」だけでなく「考える力」も必要

作文がある場合は、

「きれいな日本語を書く」

だけでは十分ではありません。

大切なのは、

問いに対して、自分の考えを筋道立てて説明すること

です。

例えば、

「海外生活を通して学んだこと」

というテーマなら、

① どのような経験をしたのか

↓

② そのとき何を感じたのか

↓

③ そこから何を学んだのか

↓

④ その経験を今後どう生かすのか

という流れで整理すると、文章が書きやすくなります。

帰国生の場合、

「海外経験が豊富だから作文は得意」

とは限りません。

日本語で一定量の文章を書く練習をしておくことが大切です。

13.「面接対策」は直前だけではもったいない

面接対策というと、

「入試1か月前から練習すればいい」

と思う方もいるかもしれません。

しかし帰国生の場合は、もう少し早く始めてもよいでしょう。

例えば、

中3の春~夏

海外生活について振り返る

↓

夏~秋

志望校を調べる

↓

秋

「なぜこの高校なのか」を整理する

↓

秋~冬

想定質問に答える練習

↓

入試直前

実際の面接形式で練習

という流れです。

これなら、

「面接で何を話せばいいか分からない」

という状態を避けやすくなります。

14.「帰国生入試」と「一般入試」の両方を考える

もう一つ大切なのが、

帰国生選抜だけを見て受験計画を作らないこと

です。

地域によっては、帰国生選抜と一般選抜との関係がかなり重要になります。

埼玉県では、帰国生徒特別選抜で国語・数学・英語の学力検査を一般募集と同じ問題で行います。

愛知県では、帰国生徒選抜で合格とならなかった場合に、一般選抜での校内順位決定に社会・理科を含む学力検査等が関係します。

つまり、

帰国生選抜を利用する=一般入試の勉強が不要

ではありません。

場合によっては、

「帰国生選抜を第一のルートとして準備しつつ、一般選抜にも対応できる学力を作る」

という考え方が必要になります。

15.帰国生の学習計画は「3層」に分けると考えやすい

ここまでの内容を、実際の勉強に落とし込んでみましょう。

帰国生の高校受験では、学習を次の3層に分けると整理しやすくなります。

第1層:日本の中学校範囲

まず、

国語・数学・英語の基礎学力

を確認します。

特に日本の学校に長期間在籍していない場合、

「どこまで学習したか」

を確認することが重要です。

第2層:高校入試形式

次に、

  • 長文

  • 文法問題

  • 数学の応用問題

  • 国語の記述

  • 作文

など、

日本の高校入試特有の形式

に慣れていきます。

第3層:帰国生特有の検査

最後に、

  • 面接

  • 作文

  • 海外経験の整理

  • 志望理由

  • 学校別の検査

を準備します。

この3層を分けると、

「英語はできるけど数学が足りない」

「学力はあるけど面接で伝えられない」

「海外経験は豊富だけど日本語作文に時間がかかる」

といった課題を発見しやすくなります。

16.帰国時期によって、対策の優先順位も変わる

例えば、

中3の春に帰国

した場合は、時間をかけて、

  • 日本の中学校範囲

  • 高校入試問題

  • 面接

  • 作文

をバランスよく準備できます。

一方、

中3の10月に帰国

した場合は、残り時間が限られます。

そのため、

受験校の試験科目を最初に確定する

ことが重要になります。

さらに、

中3の1月に帰国

となると、学校によっては出願そのものに間に合うか、資格確認や必要書類をどう準備するかという問題が出てきます。

つまり、

「何を勉強するか」は帰国時期によっても変わる

のです。

このテーマについては、第9回~第11回で、

関東・関西・東海×帰国時期

という形で具体的なモデルケースとして解説します。

17.「帰国生だから特別な勉強」ではなく「必要な試験に合わせる」

ここまでを一言でまとめるなら、

帰国生だから特別な勉強をするのではなく、帰国生として受ける試験に合わせて勉強する。

という考え方が大切です。

例えば、

東京都なら、

国語+数学+英語+面接

を意識する。

埼玉県なら、

国語+数学+英語+面接

に加えて、一般募集と同じ問題への対応を考える。

神奈川県の対象校なら、

英国数+面接+作文

という組み合わせを確認する。

大阪府なら、

数学+英語+面接

を軸に考える。

愛知県なら、

国数英+面接に加えて、一般選抜との関係まで確認する。

このように、

「地域→学校→制度→試験→勉強」

という順番で考えていくと、必要な準備が明確になります。

18.今回のまとめ

今回のポイントは、次の5つです。

POINT 1

帰国生=英語だけ、ではない。

国語・数学・英語を課す地域も多くあります。

POINT 2

面接は重要な検査の一つ。

海外経験だけでなく、志望理由や高校で学びたいことを自分の言葉で説明する準備が必要です。

POINT 3

作文が課される学校もある。

特に海外生活が長かった場合は、日本語で文章を書く練習も早めに確認しておきたいところです。

POINT 4

一般入試との関係を確認する。

帰国生選抜を受ける場合でも、一般選抜の学力検査や出願制度が関係するケースがあります。

POINT 5

受験勉強は「制度→試験内容→学習」の順番で決める。

「帰国子女だからこの勉強」という考え方ではなく、

どの高校を、どの制度で受け、何が試験されるのか

を確認してから学習計画を作りましょう。

次回は「帰国生入試がない地域」に注目します

ここまでの第1回~第5回では、

制度の全体像
→ 特別措置と特別入学枠
→ 都道府県による地域差
→ 出願資格
→ 実際の試験内容

と、帰国生の高校受験を理解するための基本を整理してきました。

第6回では、

「制度がない都道府県ではどうする?」

をテーマにします。

「帰国生専用の選抜がないなら、高校受験は不利なの?」

「一般入試しか選択肢がないの?」

「教育委員会や学校に相談するとき、何を聞けばいい?」

といった疑問に対して、

  • 一般選抜での受験

  • 出願上の特別な扱い

  • 学校ごとの対応

  • 教育委員会への確認

  • 国立・私立高校という別ルート

など、帰国生選抜が見つからない場合に確認したい現実的な選択肢を整理します。

帰国生の高校受験では、

「帰国生枠がある学校を探す」だけが受験戦略ではありません。

自分の条件に合う受験ルートを複数確認しておくことが、次の段階では重要になります。

【重要】本記事の内容について

本記事で紹介している都道府県・学校・出願資格・試験科目・面接・作文などは、帰国生の高校受験制度を理解するための具体例として紹介しているものです。

帰国生入試は、都道府県・学校・学科によって制度が異なり、さらに年度によって変更される場合があります。

そのため、本記事の内容だけで「自分はこの制度を利用できる」と判断することは避けてください。

実際に受験を検討する際には、必ず、

  • 受験年度の最新の募集要項

  • 都道府県教育委員会の公式情報

  • 志望校が公表している入試案内・募集要項

  • 必要に応じて在籍中学校や教育委員会への確認

を行ってください。

特に帰国生の場合は、海外在住期間・帰国日・学校歴・出願資格・必要書類などによって扱いが変わる場合があります。

本記事は制度理解のための情報としてご活用いただき、実際の出願については必ず最新の公式情報をご確認ください。

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