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「効率的じゃないからやらない」と言う子が、最も非効率な件

2026/4/30

中学受験の勉強を見ていると、たまにこういう子に出会う。

式を書かない。英単語を書かない。ノートを取らない。

理由を聞くと、決まってこう言う。

「だって、効率的じゃないから。」

なるほど。一見すると、それは賢そうな発言に聞こえる。無駄を省く合理的な姿勢、とも取れる。

だが僕は必ず、こう聞き返すことにしている。

「じゃあ、効率的な方法って何?」

対案なき批判は、点数ゼロと同じ

この問いに答えられた子を、僕はまだ見たことがない。

「わからない」「ない」「…」

要するに、彼らは「今の方法が嫌」なだけで、「より良い方法を持っている」わけではない。

ここで整理しておこう。

仮に、理想の効率を10とする。式をちゃんと書いて、手を動かして、地道にやる今の方法が4だとしよう。確かに10ではない。効率的とは言えない。

だが、何もしない場合の効率は、ゼロだ。

4はゼロよりも大きい。これは算数の問題ですら、ない。

「非効率だから手を止める」という選択は、4を捨ててゼロを選んでいるのと同じだ。何かを批判するなら、少なくともそれより上の代替案を持ってくる義務がある。代替案なき批判は、ただの怠惰への言い訳だ。

「書く」という作業が嫌いな子の、本当の問題

僕が以前指導していた生徒の話をしよう。

その子は、とにかく書くことを嫌がった。算数の式を書くのが嫌。英語の答えを書くのが嫌。間違えた問題を書き直すのが嫌。

理由は一貫していた。「間違ったものを書いても意味がないから。」

これは、ある意味で正確な観察だ。間違いを繰り返しただ書き写すだけでは、確かに伸びない。

だがその子が言っていたのは「より正確な方法で書く」ではなく、「書かない」だった。

そして、その子の偏差値は上がらなかった。

中学受験の算数において、式を書かないということは何を意味するか。

頭の中だけで処理しようとしているということだ。だが人間のワーキングメモリには限界がある。複数の条件を同時に処理しながら、かつ計算ミスをしないというのは、大人でも難しい。

式を紙に書くのは、頭の外にメモリを拡張する行為だ。答えが正しくなくても、式に残った思考のプロセスは資産になる。どこで間違えたかが見えるからだ。

書かなければ、間違いの原因は永遠に霧の中だ。

「効率4」で走りながら「効率6」を探せばいい

勉強法に完璧な正解はない。

今の方法が4なら、走りながら6を探せばいい。6が見つかったら、8を目指せばいい。

問題は「今の方法が4だから止まる」という発想だ。止まった瞬間、効率はゼロになる。ゼロから6には行けない。4から6には行ける。

中学受験において偏差値40台から60台への逆転を果たした子の共通点は、「やり方を変えながらも、手を止めなかった」ことだ。

完璧な方法が出来上がるまで待っていた子は、試験当日を迎えられなかった。

今すぐ親がすべき、非情な一言

「効率的じゃないからやらない」と言う子どもに、優しく「じゃあ一緒に考えよう」と言うのは、親として理解できる反応だ。

だが、それは優しさではなく、先送りだ。

本当に子どもを信頼しているなら、こう言える。

「代替案がないなら、今の方法でやれ。より良い方法を見つけたら、そっちに変えればいい。走りながら考えろ。」

これは冷たい言葉ではない。問題解決の基本だ。

国際機関で政策立案に携わる人間も、スタートアップを立ち上げる経営者も、全員同じことをしている。完璧な戦略が揃うまで動かない人間は、いつまでたっても動かない。

子どもが「効率」という言葉を使うとき、それが本当に合理的判断なのか、それとも単に「やりたくない」を知的に包んでいるだけなのか。

見極めるのが、親の仕事だと僕は思っている。

まとめると、こういうことだ

効率を語る資格があるのは、今の方法より優れた代替案を持っている者だけだ。

代替案がないなら、今できる最善を続けるしかない。

そして、続けながら改善する。それが唯一の正解だ。

「効率的じゃないから手を止める」という選択肢は、受験においても、人生においても存在しない。

個別に戦略を組みたい方はこちら。あなたのお子さんが「効率4」の状態にあるとしたら、どこを直せば6になるかは、一度話せばだいたい見えてくる。

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