オンライン家庭教師マナリンク

中学受験算数と学校算数は「ソフトボールと野球」くらい別物である

2026/6/13

学校のテストはいつも80点、90点、100点。それなのに塾に入った途端、解けなくなる。

この現象を見て、多くの親は「うちの子は急に算数ができなくなった」と思う。違う。最初から「中学受験の算数」をやっていなかっただけだ。

これは才能の問題ではない。種目が違うのである。

学校の算数が得意な子ほど、この罠にはまりやすい。なぜなら、本人にも親にも「できているはずなのに、できない」という矛盾した感覚だけが残るからだ。原因が分からないまま、子供は自信を失っていく。

僕はこの現象を、いつも一つの比喩で説明している。

ソフトボールと野球だ。

ルールは似ている。バットを振って、ボールを投げて、塁を回る。遠目に見れば同じスポーツに見える。だが実際にやらせてみると、球の大きさ、距離、スピード、戦略のすべてが違う。ソフトボールで全国大会レベルだった選手が、いきなり野球の公式戦に出されたら、まず何もできない。

これと同じことが、算数の世界でも起きている。

学校の算数は、基本的に「習ったことを、習った通りに使う」競技だ。単元のテストは、その単元で習った解き方をそのまま当てはめれば解ける。出題範囲は狭く、ひっかけもほとんどない。

一方、中学受験の算数は違う。複数の単元の知識を組み合わせ、初見の設定の中から「これは何算の問題か」を自分で見抜く競技だ。さらに、時間制限がきつい。一問にかけられる時間は数分。学校のテストのような余裕は存在しない。

つまり、要求される能力そのものが違う。

学校算数で評価されるのは「正確に再現する力」。中学受験算数で評価されるのは「初見の問題から、既知のパターンを抽出する力」と「それを時間内に処理する力」。野球で言えば、ソフトボールの感覚で投げられた速い球に、バットが全く反応しない状態だ。

ここで、よくある誤解を一つ潰しておく。

「算数が好きになれば、成績は上がる」という言説だ。

これは順序が逆である。僕はこれまで多くの生徒を見てきたが、成績が低いのに算数が好きという子に、一人も会ったことがない。逆に、成績は良いが算数が嫌いという子は、いくらでもいる。

人間は、結果が出ないゲームを好きにはならない。当然のことだ。

だから、まず大人がやるべきことは、強引に成績を上げることである。好きにさせようとして、楽しい教材を探したり、励ましの言葉をかけたりするのは、二の次でいい。点数が取れるようになれば、子供は勝手に好きになる。

では、成績を上げるために、最初に何をすべきか。

答えは、計算力である。

中学受験の算数で停滞している子の多くは、整数の計算が遅い。2桁×2桁を筆算でしか処理できず、文章問題を読んでいる最中も「この計算、合ってるかな」という不安が頭の中を占拠している。これでは、問題の構造を考える余白が残らない。

人間は、悩み事を抱えながらでは仕事ができない。子供も同じだ。計算への不安を抱えたまま、応用問題に向き合わせるのは、酷というものである。

ここで僕が実際に使っている戦術を一つ紹介する。

計算ドリルを、わざと終わらせない。

1日1枚、時間を決めて取り組ませる。時間が来たら、終わっていなくても丸つけをして終了する。子供は「まだ途中なのに」と不満を漏らすかもしれない。だが、これでいい。「まだやりたい」という状態のまま終わらせることに意味がある。

これを1ヶ月ほど続けると、計算速度は確実に上がる。すると子供は「自分は計算ができる」と感じ始める。そして「計算ができる」は「算数ができる」に直結する。子供の認識は、そのくらい単純でいい。

もう一つ、知っておいてほしい事実がある。

中学受験塾の週テストには、過去問が存在する。これは知らない家庭が驚くほど多い。塾に通う生徒の多くは、この過去問を使って演習を重ねている。情報を持っている家庭と持っていない家庭の間には、最初から差がついているということだ。

最後に、結論を言っておく。

子供が中学受験算数でつまずいているのは、能力の問題ではない。種目を変えたのに、前の種目の練習法を続けているだけだ。

ソフトボールの選手に「もっと頑張れ」と言っても、野球の球には対応できない。必要なのは、新しい種目のルールと練習法に、さっさと切り替えることだ。

親ができる非情な決断は、ただ一つ。子供が「できない」のではなく「やり方を知らない」だけだと割り切り、今日から計算の練習量を変えることである。

個別に戦略を組みたい方は、マナリンクの僕のプロフィールページから相談を受け付けている。お子さんの現状を見て、何が抜けているのかを一緒に確認しよう。

その「頑張ってるのに伸びない」、実は競技が違うだけです。学校算数と中学受験算数は、ソフトボールと野球くらい別物。気づかず前の練習法を続けると、自信ごと削られます。 #中学受験 [記事URL]

データを一つ。成績が低いのに算数が好きな子に、僕は一人も会ったことがありません。逆に成績は良いが嫌いな子は山ほどいます。好きにさせるのが先、ではない。先に成績を上げる。順番を間違えると遠回りになります。 #中学受験算数 [記事URL]

「学校では90点なのに、塾に入ったら急に解けなくなった」——これ、よくある相談です。原因はお子さんではなく、種目の違いです。最初から中学受験算数をやっていなかっただけ。安心してください、立て直せます。 [記事URL]

学校算数で90点取れる子が、塾に入った途端に解けなくなる。これ、才能が落ちたわけじゃない。

実は、学校算数と中学受験算数は別競技です。ソフトボールと野球くらい違う。

なぜそうなるのか、そして何から手をつけるべきか、僕の実体験ベースで説明します。

学校算数は「習った通りに再現する」競技。中学受験算数は「初見の問題から既知パターンを抽出し、時間内に処理する」競技。求められる能力がまったく違います。

よくある「算数が好きになれば成績が上がる」は順序が逆。成績が低いのに算数好きな子を僕は見たことがありません。先に成績を上げることが先決です。

成績を上げる第一歩は計算力。2桁×2桁が遅い子は、文章問題を解きながら「計算合ってるかな」という不安を抱え続けています。これが思考の余白を奪っています。

僕が実際に使う戦術は「計算ドリルをわざと終わらせない」こと。時間で切って終了させると、子供は「まだやりたい」状態のまま終われる。これが1ヶ月で計算速度を確実に上げます。

種目が違うと気づけば、やることは見えてきます。個別に現状を確認したい方は、マナリンクの僕のプロフィールからどうぞ

このブログを書いた先生

このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら

中学受験におすすめの指導コース

その他の科目月額コース
【中学受験のプロが教える】受かる理科
無料体験あり
【中学受験のプロが教える】受かる理科
24,000/月
1回60(月4回(週1回目安))
小学4〜6年生
  • 中学受験の対策をしているが偏差値が伸びない
  • 中学受験のプロに対策をつくってほしい
  • そもそも中学受験何をすればいいかわからない
コースの詳細を見る
国語(小学生)月額コース
【サピックス組分けテスト対策】慶應卒講師と苦手克服!国語編
三者面談あり
タイプ別
無料体験あり
【サピックス組分けテスト対策】慶應卒講師と苦手克服!国語編
22,500/月
1回60(月4回(週1回目安))
小学1〜6年生
  • サピックスに通塾中で、組分けテストで成績アップしたいお子様
  • 中学受験でよく出るポイントを理解して、成績アップしたいお子様
  • サピックスのテキスト課題量が多過ぎて、どこから手をつけていいか分からないお子様
コースの詳細を見る
算数単発/短期コース
元数学部部長が教える🌸計算ミス対策指導【短期集中コース】
タイプ別
無料体験あり
元数学部部長が教える🌸計算ミス対策指導【短期集中コース】
30,000
60(全10回)
小学5・6年生
  • おっちょこちょいと言われる、時間内に解けるのにミスが多い、途中式が読めない、計算ミスが減らない・多い
  • 計算ミスにも種類があります。生徒さんのミスタイプを確認し、それを補う授業をします。
  • 理系×女性、優しい先生、怒らない、わかるまでつきあう、「解ける!よりわかる!」重視
コースの詳細を見る
算数月額コース
【中学受験】算数 塾の学びを強化!オンラインサポート(小4)
三者面談あり
タイプ別
無料体験あり
【中学受験】算数 塾の学びを強化!オンラインサポート(小4)
18,000/月
1回45(月4回(週1回目安))
小学4年生
  • 塾の授業についていけず、理解の穴をそのままにしたくない生徒さん
  • 塾の宿題や復習を一人で進めるのが難しく、サポートが必要な生徒さん
  • 塾+αで算数を安定させたい、苦手を今のうちに解消したい生徒さん
コースの詳細を見る
理科(中学生)月額コース
【中学受験・理科】暗記で終わらせない!小学生理科の基礎固め
タイプ別
無料体験あり
【中学受験・理科】暗記で終わらせない!小学生理科の基礎固め
18,000/月
1回60(月4回(週1回目安))
小学1〜6年生
  • 中学受験理科の基礎が抜けている生徒さん
  • 色々な分野の暗記が苦手な生徒さん
  • 塾や他の教科を優先してしまい後回しにしている生徒さん
コースの詳細を見る

この先生の他のブログ

ヒロユキの写真

中学受験で宿題をやらない子の「一応やった」の正体

2026/7/18
中学受験で宿題をやらない子は、宿題をやっていないとは言いません。「一応やった」と言います。この一語が出た時点で、その日の学習はほぼ成立していないと考えて、まず間違いありません。僕は毎週、いろんな家庭の子と画面越しに向き合っています。そこで何百回と聞いてきた言葉が、これです。一応。とりあえず。だいたい...
続きを読む
ヒロユキの写真

中学受験の算数で点数が安定しない理由|解き方がバラバラだから

2026/7/18
中学受験の算数で点数が安定しない。偏差値が55と45を行ったり来たりする。この相談を受けたとき、僕はまず、お子さんの実力を疑いません。疑うのは、解き方に型があるかどうかです。同じ単元、同じレベルの問題で、取れる日と取れない日がある。これは実力の波ではありません。毎回ちがうやり方で解いているから、毎回...
続きを読む
ヒロユキの写真

作文の文字数が足りない|伸ばすな、3個書いて1個捨てろ

2026/7/18
作文の文字数が足りないという相談を受けるたびに、僕は同じことを言います。伸ばそうとしているから足りないんです、と。三百六十字以上四百字以内。この手の指定に対して、子どもは書きたいことを一つ思いついて、書き始めて、二百五十字あたりで止まる。そこから絞り出すように、無理やり百字を足す。この足された百字が...
続きを読む
ヒロユキの写真

国語の選択肢の選び方|迷ったら言い過ぎと書いてないを疑う

2026/7/18
国語の選択肢の選び方で迷うお子さんは、消去法を「感覚」でやっています。なんとなく違う気がする、なんとなく合っている気がする。この状態のまま六年生になると、記述は書けるのに選択肢だけ落とす、という不思議な成績表ができあがります。コツは二つだけです。言い過ぎと、書いてない。この二つを疑う。それだけで正答...
続きを読む