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中学受験 国語 教え方|解説をやめる〈算数屋の国語①〉

2026/8/22

このシリーズでは、国語を味わいません。算数を専門とする講師が、感性ではなく手順と得点設計として国語を扱ったらどうなるか。その記録です。中学受験の国語の教え方で悩んでいるご家庭に、先日の面談でお伝えしたことを書きます。結論から言えば、解説をやめてください。かわりに問いかけてください。これだけで、家庭学習の国語は変わります。

僕は算数を専門とする講師です。だからこそ、国語を感覚ではなく手順として捉えています。今回は、理系のアプローチから見た国語指導の話です。

解説すると、子どもの思考が止まる

国語の丸つけをしていて、お子さんが間違えた。そこで「これはね、ここにこう書いてあるから、答えはウなんだよ」と説明する。ごく自然な光景です。

ところが、この瞬間に子どもの思考は止まります。答えが与えられてしまえば、考える必要がなくなるからです。その場では納得した顔をします。分かったとも言います。しかし次の問題で、また同じ間違いをする。解説を聞くことと、自分で解けるようになることは、まったく別の能力だからです。

算数なら、この違いは点数にすぐ表れます。解説を読んで理解したつもりの問題を、翌週に解けない。国語でも同じことが起きているのですが、国語は「読解力」という曖昧な言葉で片づけられるので、原因が見えにくいだけです。

かわりに、問いかける

ではどうするか。答えを言わずに、問いを返します。

「なぜウだと思ったの」「アはどこが違うと思う」「その根拠は本文のどこに書いてある」「もし本当にそうなら、この一文と矛盾しないかな」

やっているのは、子どもの頭の中にある論理を、外に出させる作業です。間違えた子は、たいてい根拠なく選んでいます。なんとなく合っている気がする、という状態です。その「なんとなく」を言語化させると、本人が自分で矛盾に気づきます。

気づいた瞬間に修正されたものは、忘れません。他人に言われて直したものは、忘れます。ここが決定的な差です。

これは、算数でやっていることと同じです

実は僕が算数の授業でやっていることと、構造は変わりません。

算数の選択問題でも、答えを出す前に「その式は何を表しているの」と聞きます。図形なら「なぜそこに補助線を引いたの」と聞きます。解法を教え込むのではなく、本人の中にある判断の根拠を問い、それが妥当かを一緒に検証する。

国語の読解は、感性の科目だと思われがちです。しかし選択肢を選ぶ作業は、条件を照合して矛盾を排除する処理です。言い過ぎている選択肢を切る、本文に書いていない要素が入っている選択肢を切る。これは論理の作業であり、算数の消去法とほとんど同じ手続きです。

だからこそ、理系のアプローチが効きます。感覚を鍛えるのではなく、判断の手順を明確にする。

保護者が教えると、なぜ喧嘩になるのか

もうひとつ、面談で必ずお伝えすることがあります。国語は、親子間で最も対立が起きやすい科目です。

理由は単純で、正解が一つに見えないからです。算数なら答えは動きません。しかし国語は、保護者から見れば明らかにウなのに、子どもはエだと言い張る。そこで「なんでわからないの」となり、子どもは黙り込む。この構図を何度も見てきました。

解決策は、教え込むのをやめることです。保護者の役割は、正解を教えることではなく、子どもが自分の理屈を磨ける環境を作ることです。

「お母さんはこう思うけど、あなたはどう思う」と対等に置く。意見が割れたら、どちらが本文の根拠に近いかを一緒に確かめる。これなら喧嘩になりません。教える人と教わる人ではなく、同じ問題を検証する二人になれるからです。

時間の制約も、国語に効きます

もう一点だけ。過去問や模試を解くとき、試験時間からマイナス5分で設定してください。

これは算数でよく使う手ですが、国語にも効きます。本番は緊張して、普段より読むのが遅くなる。だから普段から厳しい時間で練習しておく。一時的に正答率が下がっても構いません。制限時間内に読み終える訓練のほうが優先度が高いからです。

時間内に読み切れなければ、どれだけ読解力があっても得点にはなりません。

明日から親がすべき、非情な決断

国語の解説をやめてください。

説明したくなる気持ちはよくわかります。目の前で子どもが間違えているのですから。しかし、その説明が子どもから考える機会を奪っています。ぐっとこらえて、問いを返す。答えは本人に言わせる。

遠回りに見えて、これが最短です。

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算数の指導でも、解法を教え込むのではなく本人の判断の根拠を問う方針で行っています。詳しくは、マナリンクのプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」というコースをご覧ください。無料相談からお気軽にどうぞ。

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