算数の授業で、僕がやらないこと〈算数の設計図⑧〉
ここまで7本にわたって、僕の算数指導について書いてきました。最後に、やらないことを書いておきます。合わないご家庭に申し込んでいただいても、お互いに不幸だからです。
このシリーズでは、算数をひらめきに任せません。経営工学を学んだ講師が、解法を設計の問題として扱ったらどうなるか。その記録です。
1. 丁寧な解説をしません
分からないと言われたとき、僕は説明しません。似た問題を何問も見せて、本人にルールを見つけさせます。
分かりやすく教えてほしい、というご要望には応えられません。分かりやすい説明を聞いて理解することと、自分で解けるようになることは別の能力だと考えているからです。
説明が少ない、と感じられる可能性は高いです。そこは正直にお伝えしておきます。
2. 宿題を全部やらせません
塾の課題は仕分けて、半分程度に減らします。全部やり切らせてほしい、というご要望には応えられません。
やり切ることを目標にすると、1問あたりの密度が下がり、結局どれも身につかないからです。減らして、空いた時間を弱点と処理速度に投資します。
3. 満点を目指させません
合格に必要なのは6割前後です。難問は捨てる判断をさせます。全問正解を目指してほしい、というご要望には応えられません。
捨てる判断ができない子は、本番で時間切れになり、取れたはずの問題まで落とします。
4. その子の考え方を矯正しません
解き方の順序には、子どもごとの癖があります。図から入る子、言葉から入る子、直感で当たりをつける子。ここには手を入れません。
直すのは、条件の読み飛ばしや単位の欠落といった決定的な誤りだけです。効率の良い解法に統一してほしい、というご要望には応えられません。
5. 精神論を言いません
もっと頑張れ、集中しろ、注意しなさい。こうした言葉は使いません。
失点には型があり、型ごとに打ち手があります。頑張りが足りないのではなく、手順が決まっていないだけです。だから僕は、気持ちではなく設計の話をします。
では、何をするのか
やることは3つです。
1つ目、基礎の型を細かく教えます。線分図の引き方、数字の書き方、単位の付け方。ここだけは一緒に手を動かして徹底します。
2つ目、教材を仕分けます。今やる問題と、今は捨てる問題を毎週決めて、優先順位表としてお渡しします。
3つ目、問いかけます。なぜその式を立てたのか、なぜそこに線を引いたのか。本人に説明させ、妥当かどうかを一緒に検証します。
合うご家庭と、合わないご家庭
正直に書きます。
手厚く教えてほしい、たくさん演習させてほしい、全部やり切らせてほしい。こうしたご要望であれば、僕より適した先生がいます。それは指導方針の違いであって、優劣ではありません。
一方、量をこなしているのに伸びない、時間が足りない、何を優先すべきか分からない。こうした状態であれば、噛み合う可能性が高いと思います。
だから僕は、コースの説明文だけでなく、こうして記事を書いています。読んでいただいた上で判断していただくほうが、お互いにとって良いからです。
明日から親がすべき、非情な決断
塾や家庭教師を選ぶとき、実績や合格者数だけで判断するのをやめてください。
見るべきは、その先生が何をやらないと言っているかです。すべてに対応できますという先生より、これはやりませんと明示する先生のほうが、方針がはっきりしています。
方針のはっきりした指導は、合えば強く、合わなければ早く分かります。どちらもご家庭にとって利益です。
【関連する指導コース】
ここに書いた方針で指導しています。詳しくは、マナリンクのプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」というコースをご覧ください。無料相談からお気軽にどうぞ。
このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら
中学受験におすすめの指導コース
- 「四谷大塚やSAPIXに通っているけれど、なかなか成績が伸びなくて心配…」
- 「偏差値がなかなか上がらない。このままでは第一志望に間に合わないかも…」
- 中学受験を経験したことのある先生に教えてもらいたい!
- 中学受験理科の基礎が抜けている生徒さん
- 色々な分野の暗記が苦手な生徒さん
- 塾や他の教科を優先してしまい後回しにしている生徒さん
- 中学受験を検討中、または 受験の有無に関係なく学力の土台を作りたいご家庭
- 先取り学習をしているが、 理解できているかどうか不安を感じているご家庭
- 将来の 高校受験・大学受験を見据えて、算数(数学)を強みにしたいご家庭
- 同じ漢字を何回も間違える
- 知らない言葉がたくさん出てきてわけが分からない
- 国語の「基礎」を作りたい
- 首都圏模試(ONETES)で偏差値30、40台の生徒さん
- 日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー、SAPIX通塾中の小5、小6の生徒さん
- 1つの単元をやっている間に前の単元を忘れてしまう、定着に難しさを感じる生徒さん