中学受験 国語|講師も迷うと言う〈算数屋の国語⑨〉
中学受験の国語の授業で、僕は生徒によくこう言います。この2つ、どっちか選べないよね。どうしようか、と。分からない問題を、分からないと言う。これが僕の国語指導の核心です。
僕は算数を専門とする講師です。国語も指導していますが、国語を完成された正解のある科目としては扱っていません。
学生時代に、国語の先生に感じた違和感
正直に書きます。僕は学生のころ、国語の授業に反感を持っていました。
先生の解説を聞いていると、どうしても答えを見てから説明を作っているように感じたのです。なぜウなのかという説明は流暢なのですが、それは答えがウだと知っているから言えることではないか。ゼロから読んだ人間が、その手順で本当にウにたどり着けるのか。
答えありきの説明だ、と当時の僕は思っていました。そしてその授業を聞いても、自分が解けるようにはなりませんでした。
だから僕は、迷ったときに迷ったと言う
指導する側になって、僕は逆のことをしています。
選択肢を4つ見て、2つまでは切れる。でも残りの2つで決め手がない。そういうとき、僕は生徒の前で正直に言います。ここから先は決め手がない。どうやって選ぶと思う、と。
記述もそうです。自分なりの答案を作ってから模範解答を見て、ここは納得いかない、と言うことがあります。模範解答が絶対ではないからです。
格好はつきません。ですが、この方が生徒は伸びます。
なぜ、迷いを見せるほうが伸びるのか
理由は3つあります。
1つ目。生徒が、間違いを自分の能力の低さだと思わなくなります。プロが迷う問題で迷ったなら、それは当然のことです。国語が苦手だと思い込んでいる子の多くは、実際には苦手ではなく、揺れのある問題で揺れているだけです。
2つ目。国語という科目の性質が伝わります。算数と違って、国語には決め手が薄い問題が実在します。それを知らないまま、すべての問題に明確な正解があると思っていると、決められない自分を責め続けることになります。
3つ目。ここが最も重要です。答えを教えられないので、生徒が自分で考えるしかなくなります。僕が迷っている以上、僕から答えは出てきません。ならば自分で根拠を探すしかない。この状況が、自分ごととして問題に向き合う姿勢を作ります。
決め手がないなら、二択で十分
そして、迷いを認めた上での戦略があります。
4つの選択肢を2つまで絞れたなら、そこで止めていい。正答率50パーセントです。当てずっぽうの25パーセントから、倍になっています。
全問を確実に正解しようとすると、決め手のない問題に時間を吸い取られ、確実に取れたはずの問題まで落とします。決め手のある問題は100パーセント取り切る。決め手のない問題は二択で手を打つ。この割り切りが、総得点を押し上げます。
これは諦めではなく、期待値の計算です。
記述も、満点でなくていい
記述問題も同じ考え方です。
模範解答と同じ答案を書くのは難しい。ですが、部分点を取るのは難しくありません。重要なキーワードが入っていて、論理的につながっていれば、点数はもらえるからです。
だから僕は、完璧な答案を目指させません。使えそうな言葉を本文から拾い、正しい接続語でつなぐ。これだけで部分点は積み上がります。満点を狙って白紙になるより、6割の答案を確実に書くほうが、はるかに得点します。
国語を完成品として扱わない。不完全なままでも点が取れる科目として扱う。これが僕の言う大雑把な指導の意味です。
いちばん怖いのは、何も書かないこと
ここまで書いてきたことは、すべて一つの目的につながっています。生徒が手を止めないことです。
完璧を求めるほど、手が止まります。正解が分からないから選べない、うまく書けないから書かない。この状態が最も点を失います。空欄は必ずゼロ点ですが、書けばゼロではないかもしれない。
だから僕は、迷いを見せます。プロでも迷うのだから、迷ったまま決めていい。間違えていい。とにかく書け。そう伝えるために、自分の迷いを隠しません。
明日から親がすべき、非情な決断
お子さんに国語を教えるとき、分からない問題は分からないと言ってください。
正解を知っている大人として振る舞うほど、子どもは自分で考えるのをやめます。かわりに、お母さんもこの2つで迷うな、あなたはどっちだと思う、と聞いてください。
迷いを共有した瞬間から、子どもは自分の頭で選び始めます。
【関連する指導コース】
算数でも、解法を教え込むのではなく本人に根拠を言わせる方針で指導しています。詳しくは、マナリンクのプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」というコースをご覧ください。無料相談からお気軽にどうぞ。
このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら
中学受験におすすめの指導コース
- 雨温図をいつも間違い、理由がわからない方
- 見るべきポイントを知りたい方
- 中村先生のレッスンを試してみたい方
- 工業分布問題ができない
- 省エネでポイントを押さえたい
- 中村のレッスンを一度試してみたい
- 記述の多い中堅・難関校志望の方、得意な国語を安定した得点源にしたい方
- 国語のテストで、なかなか記述が書けないとお困りの方
- 帰国生で国語を受験で使うので、特に記述を個別で見てもらいたい方
- 中学受験を検討中、または 受験の有無に関係なく学力の土台を作りたいご家庭
- 先取り学習をしているが、 理解できているかどうか不安を感じているご家庭
- 将来の 高校受験・大学受験を見据えて、算数(数学)を強みにしたいご家庭
- 同じ漢字を何回も間違える
- 知らない言葉がたくさん出てきてわけが分からない
- 国語の「基礎」を作りたい