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予習シリーズの総合回ができない子は、忘れ方を間違えている

2026/9/24

予習シリーズの総合回ができない。毎週の週テストではそこそこ取れるのに、5回ごとの総合回になると急に点が落ちる。4年・5年のご家庭から、毎月のように届く相談です。原因はたいてい勉強量ではありません。忘れ方の設計を間違えているのです。

予習シリーズの総合回ができないのは、「覚えた直後」しか測っていないから

予習シリーズは、4回分の新しい単元を学んだあと、5回目に総合回が来る構造です。週テストは直前に学んだ単元を測りますが、総合回では3〜4週間前の単元まで問われます。

つまり、週テストが測っているのは「覚えた直後の記憶」で、総合回が測っているのは「忘れかけた記憶」です。この2つは別物です。週テストで8割取れる子が総合回で5割に落ちるのは、能力が落ちたからではありません。測っているものが変わっただけです。

問題は、ほとんどの家庭が週テストの得点で安心して、その単元を二度と開かないことです。そして4週間後、忘却という極めて健全な現象に正面から衝突します。

忘れるのは失敗ではなく、定着の材料

一度覚えたことが時間とともに急速に薄れていくことは、記憶の研究でよく知られています。いわゆる忘却曲線です。ここまでは誰でも知っている話で、重要なのはその先です。

少し忘れかけた時期に思い出そうとすると、記憶は前より強く、長持ちするようになります。間をあけるほど定着する現象は間隔効果、思い出す行為そのものが記憶を鍛える現象はテスト効果と呼ばれます。どちらも学習法の研究で比較的よく確かめられているものです。

言い換えれば、思い出すのに少し苦労する状態こそ、復習の最適なタイミングです。すらすら解ける時期に復習しても、投資効率は低い。完全に忘れてからでは、ほぼ最初からやり直しになる。狙うのはその中間です。

面白いのは、6割しか理解できなかった単元のほうが、この仕組みの恩恵を大きく受けることです。10割わかったつもりの単元は放置されがちです。一方で6割の単元は「まだ怪しい」という自覚があるので、復習の予定に入ります。その結果、受験前日には6割だった単元のほうが9割に育っている、ということが実際に起きます。

総合回で崩れない「3・7・21」の復習設計

僕が予習シリーズを使う家庭に渡している復習の型は、とても単純です。

  • 3日後:その回の類題を2〜3問だけ、解説を見ずに解く

  • 7日後:週テストで間違えた問題だけを解き直す

  • 21日後:総合回の1週前に、その単元の基本問題を1ページだけ解く

ポイントは、毎回「全部やらない」ことです。3日後も7日後も21日後も、量はごくわずかです。その代わり、必ず解説を閉じてから解かせてください。思い出す作業そのものが記憶を強くするので、解説を読んで「わかった気になる」復習では効果が半減します。

中でも、21日後の1ページが総合回の得点を最も押し上げます。4回分の単元が、ちょうど忘れかけた時期にもう一度呼び起こされるからです。

6割で次に進む勇気が、9割を連れてくる

真面目な家庭ほど、今週の単元を今週中に10割にしようとします。そして10割にならないと、次の回に進むのをためらいます。気持ちはわかりますが、これは間隔効果とは真逆の戦略です。

同じ単元を一気に3時間やるより、1時間ずつ3回に分けて間に日にちをあけたほうが定着します。これが記憶の仕組みです。今週6割なら、6割のまま次に進んでかまいません。3日後、7日後、21日後に少しずつ触れていけば、総合回で7割、6年の総復習でさらにもう一段上がり、受験前日には9割に届きます。予習シリーズのカリキュラムは、もともと同じ単元に何度も出会うように組まれています。

教材が5回に1回、忘れかけた頃に総合回を用意してくれている。これを「またテストか」と嘆くか、「記憶を育てる装置が来た」と見るか。その差が、5年後期以降の成績差になって表れます。

忘れることを恐れて同じ単元にしがみつく家庭は、覚えることには熱心でも、思い出すことには無頓着です。努力の向きを少し変えるだけで結果は変わるのに、毎月総合回で同じ落ち方を繰り返している。僕から見ると、実にもったいない話です。明日から、復習の量を減らして回数を増やしてください。そして、解説を閉じてください。

予習シリーズの総合回ができないのは、才能の問題ではなく、復習の間隔の問題です。

僕のマナリンクのプロフィールに、「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」というコースがあります。お子さんの週テストや総合回の答案をもとに、どの単元をいつ復習させるかまで一緒に設計します。無料相談も受け付けていますので、総合回のたびに点が落ちるご家庭は、一度声をかけてください。

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