SAPIX5年でついていけない時、捨てるべきはクラスアップ

SAPIXの5年生で授業についていけない。マンスリーのたびにクラスの上下に振り回され、宿題のひねった問題で親子ともに沈む。この状態から抜け出す一番の近道は、意外にも「クラスアップを目標から外すこと」です。
SAPIX 5年でついていけない子に共通する答案の形
ついていけていない5年生のテストを拝見すると、答案の形がかなり似ています。正答率50%以上の問題、つまり半分以上の受験生が取っている問題を、ぽつぽつと落としている。一方で白紙はほとんどなく、全問に食らいついた跡がある。
これは悪い知らせではありません。むしろ良い知らせです。正答率の高い問題を落とすのは、能力の問題ではなく「基礎の型がまだ手に入っていない」という作業量の問題だからです。そこを埋めれば、偏差値50の線を越えていく子は珍しくありません。
問題は、その「埋め方」を間違えているご家庭が多すぎることです。
なぜSAPIXの教材をやり込んでも基礎が入らないのか
SAPIXのテキストは、上位層が回しきれば伸びるように作られています。これは皮肉ではなく、本当によくできています。ただし前提は「回しきれる子」です。
僕が見る限り、SAPIXの教材には基本問題の位置にも一ひねり入った問題が混ざっています。上位の子には良い刺激ですが、基礎が固まっていない子にとっては別物です。
ひねった問題を解説してもらうと、子どもは目を輝かせて「わかりました」と言います。けれども本番で同じ問題が出たら解けない。説明してもらわないと解けない問題は、その子にとって今の時点では再現性がないのです。8割がた説明に頼った「わかった」は、テストでは0点と同じ扱いになります。
つまり、ついていけない状態でSAPIXの宿題を全部こなそうとするのは、基礎が固まっていない中学生のサッカー部員に、プロの練習メニューをそのままやらせるようなものです。消耗はするのに、何も身につかない。良質な養分の完成です。
クラスアップを目標にすると受験対策が消える
ここで多くのご家庭が選ぶのが「SAPIXフォロー」です。個別指導や家庭教師をつけて、毎週の授業内容とマンスリーの点数を追いかける。
僕はこれを、受験の得点戦略としてはおすすめしていません。理由は単純で、時間が物理的に足りないからです。SAPIXの1週間分をフォローするだけで、週1回の指導枠はあっさり埋まります。受験対策に回す時間はゼロになる。
そして毎月のマンスリーに一喜一憂し、クラスが一つ上がった下がったで方針が揺れる。目の前のテスト対策に追われ続けた結果、6年の秋に過去問を開いて青ざめる。これが僕の見てきた中で最も多い失敗の型です。
逆に結果が出たのは、「SAPIXの点数はいったん脇に置いて、志望校に向けた準備をさせてください」とお任せいただけたご家庭でした。
志望校から逆算するとは何をすることか
逆算というと単元表の話だと思われがちですが、僕が見るのは主に二つ、難易度と問題の種類です。学校の算数は、大きく典型問題と非典型問題に分けられます。
典型問題:つるかめ算、和差算、立体の切断など、難しくても解き方の型が決まっている問題
非典型問題:決まった型がなく、手を動かして試しながら答えにたどり着く問題
典型問題の比率が高い学校なら、型を速く正確に回す練習が中心になります。東京都市大付属のように後半に処理量の多い問題が並ぶ学校なら、典型と非典型の中間にあたる「処理系」の問題を多めに積みます。非典型が多い学校なら、その逆です。
ここが決まると、SAPIXの宿題のうち「やるもの」と「捨てるもの」が自動的に決まります。志望校が典型中心なら、解説を聞かないと解けないひねり問題に時間を使う理由はありません。
基礎の型は予習シリーズ・新演習で入れ直す
では、捨てた時間で何をするか。基礎の型を、ひねりのない良質な問題で入れ直します。
具体的には四谷大塚の予習シリーズ、あるいはそれを凝縮した中学受験新演習です。新演習は予習シリーズより一段やさしく、問題数も絞られていますが、選ばれている問題の質が高い。ひねりがないので、子どもは「あれ、解けるじゃん」となります。
これを何回か回すと、解き方が手に染み込みます。その状態でSAPIXのテキストに戻ると、以前は解説なしでは歯が立たなかった問題が、自力で解けるようになっている。基礎が入ったから、ひねりが「ひねり」として見えるようになるのです。進め方の目安はこうです。
テストで正答率50%以上の問題のうち、落とした単元を拾い出す
その単元を予習シリーズか新演習の基本問題で、解説を見ずに解けるまで繰り返す
宿題の確認は答案のきれいさではなく、同じレベルの問題を1問1〜2分で解けるかどうかで見る
最後の点は大事です。きれいなノートは何も保証しません。保証してくれるのは、初見の類題を時間内に解けるかどうかだけです。
子どもは点数が上がってから変わる
逆算型を勧める理由がもう一つあります。子どもは、点数が上がってから変わるのです。
最初はどんな形でもいいので点を取らせる。「俺、できるじゃん」という、勘違いでもいい手応えが生まれた瞬間から、勉強への向き合い方が変わります。ひねり問題で毎週負け続ける環境では、この瞬間がなかなか来ません。
クラスアップは狙うものではなく、結果として付いてくるものです。基礎が入れば、少し遅れて勝手に上がり始めます。
SAPIX 5年でついていけない家庭が明日から下す決断
SAPIX 5年でついていけないと感じたら、まずマンスリーの点数を見るのをやめてください。正確に言えば、点数ではなく「正答率50%以上の問題を何問落としたか」だけを見てください。
そして宿題のうち、解説を読まないと解けない問題は、勇気を持って捨てる。親としては一番つらい決断です。周りの子がやっている問題を捨てるのですから。けれども、全部やろうとして全部中途半端になるより、半分を確実に自分のものにするほうが、入試の得点表ではずっと強い。
塾の上位クラスに座ることと、2月に志望校の合格証を受け取ることは、同じゴールではありません。どちらを取りに行くのか、決めるのは今です。
SAPIXで苦しい5年生に必要なのは、全部こなす根性ではなく、捨てる問題を決める戦略です。
この「何を捨てて、何をやり込むか」を一緒に設計するのが、僕のマナリンクのプロフィールにある【SAPIX】マンスリーで崩れない算数の「型」を作る というコースです。まずはテストを拝見して、今どこで点を落としているかを確認するところから始めましょう。無料相談もありますので、現状をそのまま聞かせてください。
この先生のおすすめコース
- 偏差値65以上だが、応用・記述問題で伸び悩み難関校を狙う方
- 試験時間内に解き切れず、解答スピードと正確性に課題がある方
- 複雑な問題の多角的アプローチを学び、思考力を極めたい方
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中学受験におすすめの指導コース
- 【叡智学園】に対して強い入学意思がある方
- 【IB(国際バカロレア)認定校】への入試対策を考えている方
- 【適性検査Ⅱ型】の入試対策を考えている方
- 記述問題が苦手で、解答欄が空白になることが多い
- 何をどう書いていいのかわからない
- がんばって書いたのに、✖になってしまう
- 「四谷大塚やSAPIXに通っているけれど、なかなか成績が伸びなくて心配…」
- 「偏差値がなかなか上がらない。このままでは第一志望に間に合わないかも…」
- 中学受験を経験したことのある先生に教えてもらいたい!
- おっちょこちょいと言われる、時間内に解けるのにミスが多い、途中式が読めない、計算ミスが減らない・多い
- 計算ミスにも種類があります。生徒さんのミスタイプを確認し、それを補う授業をします。
- 理系×女性、優しい先生、怒らない、わかるまでつきあう、「解ける!よりわかる!」重視
- 塾で頑張っているのに成績が伸びず、家で教えようとするとケンカになってしまう生徒
- 国語の「記述問題」になるといつも白紙で、センスがないと諦めかけている生徒
- 読書習慣がなく、なんとなくの感覚で答えて間違えてしまう生徒