オンライン家庭教師マナリンク
算数

過去問で算数が取れない小6へ|解く前に捨て問を決めよ

2026/10/19

過去問で算数が取れない。小6の秋、保護者から最も多く聞く悩みです。結論から言います。原因は実力不足より先に、「どの問題を解いて、どれを捨てるか」を小学生本人に判断させていることにあります。

過去問の算数が取れないのは、実力より設計の問題

過去問を解いて点が低いと、親は「まだ力が足りない」と考えます。そして単元の復習に戻り、過去問は後回しになる。これは典型的な遠回りです。

入試本番の算数は、全問を解き切るゲームではありません。合格最低点を超えるゲームです。にもかかわらず、多くの子は大問1から順に、解けそうにない問題にも同じ熱量で突っ込み、時間を溶かして、解ける問題まで落とします。

実力があるのにもったいない失点が多い子ほど、この構造にはまります。うっかりミスを減らす努力の前に、時間と注意力の使い道を設計し直す。それが過去問期の最初の仕事です。

小学生に「解く問題・飛ばす問題」の判断は無理です

ここが盲点です。解ける問題を解き、解けそうにない問題を飛ばす。大人は簡単に言いますが、これは入試を何度も見てきた人間の技術です。小学生が初見の問題用紙の前で、数十秒のうちに自力で下せる判断ではありません。

だから僕は、この判断を子どもから取り上げることを勧めます。やり方は単純です。

・学校ごとに、過去問を数年分見て、最初から手をつけない大問を大人が決める

・解く順番も、先に決めておく

・迷ったときは何分で次に進むか、数字で決めておく

たとえば、毎年のように難度が高い最終盤の大問は、最初から捨てると決める。それだけで、子どもは「どれを解くか」を悩む時間をゼロにできます。判断は大人の仕事、実行は子どもの仕事。この分業が、過去問期の得点を安定させます。

1問にかけてよい時間を決め、時計で測る習慣をつける

次に時間です。1問に何分までかけてよいか。1問に4分から6分以上はかけない。これを目安に見切りの基準を決め、超えたら次に進ませます。家庭では腕時計を用意し、過去問のたびに子ども自身が時間を見る習慣をつけてください。

ポイントは、時間を測ること自体をルーティンにすることです。本番だけ時計を意識しても遅い。普段の演習から、解き始めの時刻を書き、見切りの時刻を決める。これを毎回やるだけで、時間配分は技術になります。

もう一つ、地味ですが効くのが空欄対策です。解けなかった答案欄に何も書かないのはもったいない。あらかじめ「分からないときはこの数字を書く」と決めておけば、迷いなく次へ進めますし、空欄を放置する癖も消えます。小さな決めごとですが、本番の落ち着きに直結します。

本番2か月前の過去問は、合格者平均点を下回って当然です

過去問の点数に一喜一憂して、気持ちを崩す子と親は少なくありません。ここは論理で割り切りましょう。

本番の2か月前の段階で、合格者平均点を下回るのは、むしろ自然です。まだ入試までに伸びる時間が残っているからです。そこで6割を目標にして届かず落ち込むより、まずは5割程度を目安にして、取れる問題を確実に取る練習に徹する。僕はそう指導しています。

難度の高い学校は、2割から3割で割り切る判断もあります。全部を取りにいかない。これは妥協ではなく、戦略です。

過去問は「解いて終わり」にしない。結果を単元学習に戻す

過去問で出た失点は、次の指導の材料です。どの単元で崩れたか、どの型で時間を食ったか、公式が定着していないのか、ただの処理の遅さなのか。ここまで分解して初めて、過去問は点数を測る道具から、伸ばす道具に変わります。

自己流の解き方で通せる子もいます。その場合は、解き方そのものの精度を上げる練習を。一方で、旅人算や食塩水のような重要単元で公式が定着していないなら、そこを固める。どちらを取るかは、答案を見れば判断できます。

短時間の反射テストを繰り返すと、スピードと精度の両方が上がります。長い演習で疲れさせるより、短く、何度も。これも過去問期にはよく効きます。

他の習い事や授業を入れすぎない

最後に一つだけ。秋になると不安から、授業や宿題を足したくなります。しかし家庭学習の時間が削られると、過去問の復習が回らなくなります。授業を増やすのは、やみくもでは意味がありません。増やすなら、頻度は無理のない範囲に。そして、過去問の見直しと解き直しの時間は、先に確保してください。

明日から親がやるべき「非情な決断」

ここまでをまとめます。過去問で算数が取れないとき、まず見直すべきは学力ではなく設計です。解かない問題を大人が決める。時間を時計で測る。目標は合格者平均点ではなく、今の時期に見合った点数に置く。そして結果を次の学習に戻す。

子どもの「全部解きたい」という真面目さを、いったん親が取り上げる。少し非情に見えますが、これが一番、点数に直結する優しさです。感情論で励ますより、決めごとを一つ増やしてください。

過去問の使い方に迷ったら、僕のコースが力になれます。マナリンクの僕のプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」です。過去問の答案を見て、捨てる問題の選び方から、単元学習への戻し方まで一緒に設計します。無料相談もありますので、答案を手元に置いて気軽にご相談ください。

このブログを書いた先生

このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら

算数対策におすすめの指導コース

16,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
小学1〜6年生
  • • 算数がちょっと難しいと感じ始めた方
  • • 算数の成績を伸ばしたい方
  • • わからないところをわかるまで質問したい方
コースの詳細を見る
算数の月額コース
【中学受験】算数が苦手だった先生の算数
タイプ別
無料体験あり
【中学受験】算数が苦手だった先生の算数
27,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
小学1〜6年生
  • 塾のフォローが欲しい
  • これから中学受験を始めるけどどうしたいいかわからない
  • 塾なしでマイペースに受験したい
コースの詳細を見る
算数の単発/短期コース
算数【予習シリーズ】解説|中学受験対策|塾テキスト塾サポート
タイプ別
無料体験あり
算数【予習シリーズ】解説|中学受験対策|塾テキスト塾サポート
19,800円
45分(全4回)
小学3〜6年生
  • テキストの問題が【難しすぎる】、【ヒントが無くて】理解出来ないお子さん
  • 塾のスピードが【速すぎる】、テストで【もっと成績アップしたい】お子さん
  • 【宿題が多すぎる】、【親の負担が大きすぎて】サポートが必要なお子さん
コースの詳細を見る
算数の月額コース
【中学受験】小4・5からでも間に合う算数立て直し【苦手克服】
三者面談あり
タイプ別
無料体験あり
【中学受験】小4・5からでも間に合う算数立て直し【苦手克服】
21,000円/月
1回45分(月4回(週1回目安))
小学4・5年生
  • 速さの意味・分数の意味・割合の意味が分からないお子様
  • 面積の公式は理解してるけど、少し形が変わると分からなくなるお子様
  • 計算はできるけど文章題が苦手なお子様
コースの詳細を見る
算数の月額コース
【東大院卒が教える】中学受験 過去問演習講座
三者面談あり
タイプ別
無料体験あり
【東大院卒が教える】中学受験 過去問演習講座
25,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
小学6年生
  • 絶対に志望校に合格したい方
  • 数学の学習管理からのサポートを希望している方
  • 分かりやすい授業を希望している方
コースの詳細を見る

算数のブログ

繰り上がり・繰り下がりの計算ミスを減らす確認順

結論から言うと、繰り上がり・繰り下がりの計算で何度も間違えるときは、計算練習を増やす前に「10のまとまり」と「位取り」が分かっているかを確認することが大切です。答えをすぐ直すのではなく、①数の分け方、②位の位置、③計算の手順、の順番で見直すと、どこでつまずいているかを家庭でも見つけやすくなります。まず確認したい「10のまとまり」繰り上がりのあるたし算では、一の位の数を合わせたときに10以上になったら、10をひとまとまりとして十の位へ移します。たとえば「8+7」なら、8に2を足して10にし、残りの5を加える、と考えられます。ここで、子どもが「8+7=15」と答えられていても、10のまとまりを意識...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/10/5

【数学】「またケアレスミス…」で損していませんか?偏差値を劇的に上げる“本当の計算力”と3つの検算テクニック

◆【数学】「またケアレスミス…」で損していませんか?偏差値を劇的に上げる“本当の計算力”と3つの検算テクニック「手応えはあったのに、返ってきたテストを見たら計算ミスでガッカリ…」 「テスト前は暗記に追われて、いざ本番になると計算が合わなくて焦ってしまう…」受験生や中高生のみなさん、そして保護者様、こんな経験はありませんか?数学において、計算力は最大の武器であり、同時に計算力不足はあまりにも大きなハンデになります。どれだけ解法が頭に浮かんでいても、途中の計算で間違えてしまえば点数はもらえません。では、そもそも「本当の計算力」とは何でしょうか?◆「計算力」の真実:暗算速度でも、一発で合わせる力でも...続きを見る
あきのりの写真
あきのりオンライン家庭教師
2026/9/29

計算はできるのに文章題が苦手。その原因は「式を立てる前」にあります

「計算問題ならできるのに、文章題になると手が止まる」これは、算数が苦手なお子さんによく見られるつまずきです。でも、文章題ができない原因は、必ずしも計算力にあるとは限りません。文章題では、式を書く前に、・何が分かっているのか・何を求めるのか・どの数字を使うのか・どんな関係になっているのかを整理する必要があります。つまり、文章題では「計算する力」より前に、文章を読んで情報を整理する力が必要なのです。たとえば、「赤いリボンが3メートルあります。青いリボンは赤いリボンより2メートル長いです。」という問題でも、「3」と「2」という数字だけを見て、3+2なのか、3−2なのか分からなくなる子がいます。そんな...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/9/26

分数でつまずいたとき、どこまで戻るか

結論から言うと、通分ができないときに分数を最初から全部やり直す必要はありません。できない理由を「分母をそろえる意味が分からない」「最小公倍数があいまい」「約分と通分の手順が混ざっている」などに分け、必要な単元だけ戻ることが大切です。小4で通分につまずいた場合も、直前の計算だけでなく、土台になっている整数の学習を短く確認すると、戻る場所が見つけやすくなります。まず確認したい「通分」の役割通分とは、分母の違う分数を、同じ分母の分数に直すことです。たとえば、1/2と1/3を足すとき、分母が違うままでは、分子の1と1をそのまま足せません。2等分した1つ分と、3等分した1つ分では、1つ分の大きさが違うか...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/9/22

小4小5で算数についていけない本当の原因

小5になったとたん、うちの子は算数についていけなくなった。そう相談を受けることが、この時期は特に増えます。ただ僕の見立てでは、これは「急に」起きた問題ではありません。小4のうちに、すでに種は蒔かれています。小5の算数がついていけなくなるのは、多くの場合、能力が落ちたからではなく、小4で身につけた解き方が小5の問題に通用しないからです。僕はこれを「断絶」と呼んでいます。断絶が起きる指導には、いくつかの共通した特徴があります。断絶を生む指導の見分け方一つ目の特徴は、単元ごとに独立した「型」だけを教えていることです。速さなら速さ、旅人算なら旅人算というように、その単元専用の公式や手順を覚えさせて終わ...続きを見る
ヒロユキの写真
ヒロユキオンライン家庭教師
2026/8/26

この先生の他のブログ

ヒロユキの写真

おうぎ形の面積の逆算がわからない子へ|3.14は最後まで残す

2026/10/17
おうぎ形の面積の逆算がわからない。この相談は、小5の秋から小6にかけて、驚くほど規則正しく届きます。公式は言えるのに、「面積が等しい」と書かれた途端に鉛筆が止まる。今日は、その原因と3.14の扱い方を整理します。おうぎ形の面積は言えるのに、なぜ逆算で止まるのかおうぎ形の面積の公式は、半径 × 半径...
続きを読む
ヒロユキの写真

旅人算の比がわからない親子へ|同じなのは時間か距離か

2026/10/16
旅人算の比がわからない。式は立てられるのに、正比なのか逆比なのかで毎回手が止まる。この迷いの正体は、頭の良し悪しではありません。「いま同じなのは、時間か、距離か」という一つの問いを飛ばしているだけです。旅人算で比が使えなくなる本当の理由予習シリーズの5年後期あたりから、旅人算は「速さの比」を前提に進...
続きを読む
ヒロユキの写真

旅人算の比がわからない原因は、1対1の見落とし

2026/10/15
旅人算の比がわからない。そう悩むお子さんの答案を見ていると、比の計算そのものより前に、「いま自分はどの比を置いたのか」が曖昧なまま走り出しているケースがほとんどです。計算力の問題ではありません。比を置く前の一手が抜けている。これが、中学受験の旅人算で偏差値の壁にぶつかる最大の原因だと僕は見ています。...
続きを読む
ヒロユキの写真

場合の数が苦手なのは「5×4×3×2×1」の丸暗記のせい

2026/10/14
場合の数が苦手な子の多くは、問題が解けないのではありません。「5×4×3×2×1」という便利な計算を、その中身である樹形図ごと理解しないまま丸暗記している。それが苦手の正体です。面談でよく聞く相談に、場合の数だけテストのたびに点数が乱高下する、というものがあります。単純な並べ方は満点なのに、少しひね...
続きを読む