過去問で算数が取れない小6へ|解く前に捨て問を決めよ
過去問で算数が取れない。小6の秋、保護者から最も多く聞く悩みです。結論から言います。原因は実力不足より先に、「どの問題を解いて、どれを捨てるか」を小学生本人に判断させていることにあります。
過去問の算数が取れないのは、実力より設計の問題
過去問を解いて点が低いと、親は「まだ力が足りない」と考えます。そして単元の復習に戻り、過去問は後回しになる。これは典型的な遠回りです。
入試本番の算数は、全問を解き切るゲームではありません。合格最低点を超えるゲームです。にもかかわらず、多くの子は大問1から順に、解けそうにない問題にも同じ熱量で突っ込み、時間を溶かして、解ける問題まで落とします。
実力があるのにもったいない失点が多い子ほど、この構造にはまります。うっかりミスを減らす努力の前に、時間と注意力の使い道を設計し直す。それが過去問期の最初の仕事です。
小学生に「解く問題・飛ばす問題」の判断は無理です
ここが盲点です。解ける問題を解き、解けそうにない問題を飛ばす。大人は簡単に言いますが、これは入試を何度も見てきた人間の技術です。小学生が初見の問題用紙の前で、数十秒のうちに自力で下せる判断ではありません。
だから僕は、この判断を子どもから取り上げることを勧めます。やり方は単純です。
・学校ごとに、過去問を数年分見て、最初から手をつけない大問を大人が決める
・解く順番も、先に決めておく
・迷ったときは何分で次に進むか、数字で決めておく
たとえば、毎年のように難度が高い最終盤の大問は、最初から捨てると決める。それだけで、子どもは「どれを解くか」を悩む時間をゼロにできます。判断は大人の仕事、実行は子どもの仕事。この分業が、過去問期の得点を安定させます。
1問にかけてよい時間を決め、時計で測る習慣をつける
次に時間です。1問に何分までかけてよいか。1問に4分から6分以上はかけない。これを目安に見切りの基準を決め、超えたら次に進ませます。家庭では腕時計を用意し、過去問のたびに子ども自身が時間を見る習慣をつけてください。
ポイントは、時間を測ること自体をルーティンにすることです。本番だけ時計を意識しても遅い。普段の演習から、解き始めの時刻を書き、見切りの時刻を決める。これを毎回やるだけで、時間配分は技術になります。
もう一つ、地味ですが効くのが空欄対策です。解けなかった答案欄に何も書かないのはもったいない。あらかじめ「分からないときはこの数字を書く」と決めておけば、迷いなく次へ進めますし、空欄を放置する癖も消えます。小さな決めごとですが、本番の落ち着きに直結します。
本番2か月前の過去問は、合格者平均点を下回って当然です
過去問の点数に一喜一憂して、気持ちを崩す子と親は少なくありません。ここは論理で割り切りましょう。
本番の2か月前の段階で、合格者平均点を下回るのは、むしろ自然です。まだ入試までに伸びる時間が残っているからです。そこで6割を目標にして届かず落ち込むより、まずは5割程度を目安にして、取れる問題を確実に取る練習に徹する。僕はそう指導しています。
難度の高い学校は、2割から3割で割り切る判断もあります。全部を取りにいかない。これは妥協ではなく、戦略です。
過去問は「解いて終わり」にしない。結果を単元学習に戻す
過去問で出た失点は、次の指導の材料です。どの単元で崩れたか、どの型で時間を食ったか、公式が定着していないのか、ただの処理の遅さなのか。ここまで分解して初めて、過去問は点数を測る道具から、伸ばす道具に変わります。
自己流の解き方で通せる子もいます。その場合は、解き方そのものの精度を上げる練習を。一方で、旅人算や食塩水のような重要単元で公式が定着していないなら、そこを固める。どちらを取るかは、答案を見れば判断できます。
短時間の反射テストを繰り返すと、スピードと精度の両方が上がります。長い演習で疲れさせるより、短く、何度も。これも過去問期にはよく効きます。
他の習い事や授業を入れすぎない
最後に一つだけ。秋になると不安から、授業や宿題を足したくなります。しかし家庭学習の時間が削られると、過去問の復習が回らなくなります。授業を増やすのは、やみくもでは意味がありません。増やすなら、頻度は無理のない範囲に。そして、過去問の見直しと解き直しの時間は、先に確保してください。
明日から親がやるべき「非情な決断」
ここまでをまとめます。過去問で算数が取れないとき、まず見直すべきは学力ではなく設計です。解かない問題を大人が決める。時間を時計で測る。目標は合格者平均点ではなく、今の時期に見合った点数に置く。そして結果を次の学習に戻す。
子どもの「全部解きたい」という真面目さを、いったん親が取り上げる。少し非情に見えますが、これが一番、点数に直結する優しさです。感情論で励ますより、決めごとを一つ増やしてください。
過去問の使い方に迷ったら、僕のコースが力になれます。マナリンクの僕のプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」です。過去問の答案を見て、捨てる問題の選び方から、単元学習への戻し方まで一緒に設計します。無料相談もありますので、答案を手元に置いて気軽にご相談ください。
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