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旅人算 グラフ 2人の間の距離が読めない理由と解き方

2026/11/6

旅人算のグラフで、縦軸が「2人の間の距離」になった途端に手が止まる。小5前後の生徒を見ていると、これは本当によく起きます。原因は計算力ではありません。そのグラフを「進んだ距離」として読んでしまう習慣です。

今回は、この手のグラフ問題で点を落とす子に共通する勘違いと、それを外から矯正する書き方の手順をお話しします。

旅人算のグラフで「間の距離」が急に難しくなる理由

ふだん見慣れている旅人算のグラフは、縦軸が家からの距離、つまり「進んだ距離」です。線が右上がりなら歩いている、横ばいなら止まっている。ここまでは読めます。

ところが縦軸が「2人の間の距離」になると、同じ折れ線でも意味がまるで変わります。右下がりの線は「近づいている」であって、「戻っている」ではありません。

先日の授業でも、中学受験を控えた生徒が、距離が0になった点を見て「同じ時に出発した」と答えました。0は出発の合図ではなく、すれ違うか、同じ場所に着いた合図です。

入試では、この種の問題は大問の最後に置かれることが多い。全部取りに行く問題ではありません。ただし、ここで手が止まる子は、同じ型の問題で毎回ゼロ点を積み上げます。それは損です。

解法の核心は「グラフを読む前に、通常のダイヤグラムを描く」こと

間の距離のグラフを、そのまま眺めてはいけません。僕が指示するのは次の順番です。

  • 折れ曲がっている点に、起きた出来事を書く(誰がスタートした、誰がゴールした、出会った)

  • 出来事を並べ替えて、いつもの「進んだ距離」のダイヤグラムを描く

  • 描いたダイヤグラムの上で、速さと時間と距離を普通に計算する

つまり、難しいグラフを、簡単なグラフに翻訳する作業です。翻訳さえできれば、中身は旅人算の基本です。

具体例:折れ点の出来事を書き出す

次の問題で考えます。妹は分速60m、姉は分速90mで、家から540m離れた駅まで歩きます。姉は妹より4分遅れて家を出ました。グラフは、家を出てからの時間と2人の間の距離の関係です。

最初に、折れ点の出来事を決めます。

0分は、妹だけがスタートしています。次に距離が減り始める点は、姉がスタートした点です。ここで妹はすでに60 × 4 = 240m進んでいるので、間の距離は240mになります。

この先、姉は妹より分速30m速いので、差は1分に30mずつ縮まります。ただし、縮み方が途中で変わるなら、誰かがゴールしたということです。妹は540 ÷ 60 = 9分で駅に着きます。9分の時点の間の距離は、240 - 30 × 5 = 90m。姉は90 × 5 = 450mの地点にいて、妹は540m。たしかに差は90mです。

その後は妹が駅で待っていて、姉だけが進みます。90m残りを分速90mで進むので、あと1分。姉のゴールは10分で、このとき間の距離は0になります。

姉のゴールは、別の見方でも確認できます。4 + 540 ÷ 90 = 4 + 6 = 10分。一致しました。

ここで落とし穴:距離0は「追いついた」とは限らない

この問題では、間の距離が0になるのは、姉が妹に追いついたからではありません。姉が妹の待つ駅に着いたからです。追いつくだけなら12分かかる計算ですが、その前に妹がゴールしてしまっています。

折れ点の出来事を先に書くクセがない子は、ここで「追いついた」と決めつけて、存在しない出会い算を立てます。順番を守れば防げるミスです。

家庭でできる声かけ

保護者の方に覚えてほしいのは、解き方を教え込まないことです。見るべきは次の2点だけです。

  • お子さんが、折れ点ごとに出来事を言葉で書いているか

  • 通常のダイヤグラムを、別の紙ではなく同じ紙の余白にそろえて描いているか

図や式があちこちに散らばる子は、写し間違いが増えます。順番通りに書く。これを習慣として外側から足してあげるだけで、得点は安定します。性格を直す必要はありません。

まとめ

間の距離のグラフは、読み解く問題ではなく、翻訳する問題です。出来事を書き、通常のダイヤグラムに直し、あとは旅人算の基本で計算する。この三段階を守れば、大問の後半でも1問は確実に拾えます。

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明日からの非情な決断は一つだけです。難しいグラフをにらむ時間を、今日で終わりにしてください。

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