算数は結局量なのか|1000本ノックから学ぶ反復の設計
算数は結局量なのか。中学受験の算数で伸び悩むと、この問いが必ず親御さんの頭に浮かびます。結論から言えば、量は必要ですが、量だけでは足りません。効率を愛する僕でも、反復の力は認めています。
非効率に見える1000本ノックが、なぜ強いのか
野球の守備練習で、ひたすらノックを受け続ける光景があります。合理的に考えれば、もっと効率のよい方法がありそうに見えます。それでも続いているのは、体が考えなくても動く状態を作るには、同じ動作を何度も通す以外に近道がないからです。
算数も同じです。旅人算や割合の基本パターンを、毎回ゼロから考えている間は、テストの時間配分は絶対に間に合いません。考えずに手が動く部分を増やし、頭を応用の問題に回す。これが反復の本当の役割です。
予習シリーズの基本問題を、何周すれば型になるか
ここで多くのご家庭がつまずきます。量をこなしているのに点が伸びない。原因は、同じ問題を同じ状態で解いているだけだからです。答えを覚えた問題を3周しても、それは暗記であって練習ではありません。
反復を意味のあるものにする条件は、次の3つです。
間隔をあける。解いた直後ではなく、数日後に解き直す
途中式の書き方まで毎回同じ形に揃える
間違えた問題だけを集中的に回し、できる問題は切り捨てる
特に3つ目が重要です。全部を均等に回すのは、一見まじめですが、戦略としては落第です。できる問題を何度も解くのは、気持ちよいだけの時間です。
反復を設計する|週テスト前の1週間をどう使うか
四谷大塚の週テストやSAPIXのマンスリーテストの前は、新しい問題に手を出したくなる時期です。ところが点数を左右するのは、すでに一度間違えた問題をどれだけ確実に取り切れるかです。
解き直しノートには、間違えた問題の番号と、つまずいた理由を一言だけ書きます。きれいにまとめる必要はありません。見返す回数が増えるほど、そのノートは自分専用の得点マシンになります。
そして、質の悪い反復だけは避けてください。眠い頭で、時間を計らず、答え合わせもしない。これは1000本こなしても1本分の価値にもなりません。短くてよいので、集中した反復を毎日続けるほうが、はるかに効きます。
まとめ|量は否定しない、ただし設計する
算数は、量をこなす覚悟と、その量を設計する冷静さの両方で決まります。気合いだけのノックは、ただの消耗です。何を、いつ、どの順番で繰り返すかを決めて、はじめて反復は武器になります。
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